食のフロンティアから学ぶ食の未来への架け橋プロジェクト

食環境科学研究科では、「教育力強化特別予算」という学内制度の枠組みを活用し、次世代の新しい教育スタイルの創造に寄与するプロジェクトに取り組んでいます。食環境科学領域で活躍する最先端の企業人や研究者(フロンティアサイエンティスト)との交流。学生を研究所や企業等に送り込むOJT(On the Job Training)型教育の実践。食環境科学領域にまつわる先端的なトピックをテーマに取扱い、未来の食を考える「食の未来研究フォーラム」等、様々な取組みを2023年度より実践して参ります。

2023年度の取組

OJT研修:「食 x リジェネラティブな生き方 Diversity Voyage in 東松島市」の実施

食のフロンティアから学ぶ食の未来への架け橋プロジェクト初年度となるOJT型研修では、一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)の協力を仰ぎ、東松島で二泊三日の体験型研修を行いました。

研修は事前研修、現地での研修、事後研修の三段階で行われました。事前研修では自らの問題意識や課題、目標等を参加者でそれぞれ共有し、目的意識をクリアにして東松島市での研修に臨みました。

東松島では、一次産業から三次産業の現場を体験し、食の六次産業の理解を深めること、またそれらを通じて自らの研究内容を深化させ、自らの研究と社会の繋りを再確認することを目的として行われました。現場ではファシリテターの元、第一線で活躍する農家や海苔漁師の方々との対談、定置網漁の漁に同行する等、様々なアクティビティを通じて食の産業を体感し俯瞰しました。

事後研修では、お互いの体験を通じて感じたことや経験を共有し、食環境科学を担う研究者としての課題やビジョンを高めました。参加学生からは、研究の背景を見直す契機となった、視野が広まった、社会貢献への関心が高まったといったような声がありました。

研修案内(クリックするとPDFが出ます)

事前研修の様子1

事前研修の様子2

船に乗って漁を体験

ワークショップの様子

相澤太氏(アイザワ水産代表)から一次産業の最前線を聞く

集合写真

食の未来研究フォーラム ~食の未来への架け橋~

食のフロンティアから学ぶ食の未来への架け橋プロジェクトでは、食環境科学領域で活躍する最先端の企業人や研究者(フロンティアサイエンティスト)を招聘しご講演いただく等、最新の知見に触れる機会を提供しています。

今回は、総合地球環境学研究所 所長 山極 壽一 氏をお招きし、「食の進化とコミュニケーション」をテーマに人類進化論的な見地から食に纏わるご講演をしていただきました。類人猿や人類の進化の過程を紐解きながら、それぞれの種が発達させてきた「食」の在り方や種の消化力の違いから見る人類進化の過程についてお話しいただき、「共食」をキーワードに、人類と食の在り方とその未来についてご講演いただきました。

また、特別講師として本学食環境科学部 金 賢珠教授をお招きし、「トウガラシとわさびの食文化」をテーマにご講演いただきました。トウガラシとわさび、どちらも「辛味」を楽しむ野菜ではありますが、その起源や、効用、食され方の違いなど、韓国ご出身で日本でご活躍される金教授ならではの視点で国際色豊かなお話をしていただきました。

食環境科学研究科の院生をはじめ、その他学内外の聴講者や教職員等、40名程度の参加者が集まり、時間いっぱいまで質問が飛び交うなど、活気のある講演会となりました。

本講演にご協力下さった山極先生、金先生をはじめ各関係者及びご参加下さいました皆様に改めて御礼申し上げます。

山極先生ご講演の様子

金先生ご講演の様子

質問をする学生(食環境科学研究科大学院生)

先生の実体験を交え数多くの興味深いお話をいただきました