我が国の食料自給率(カロリーベース)は、1990年前後に50%を下回った後も低下し続け、2016年以降は38%前後で推移しており、食料の約60%を輸入に依存しています。昨今の世界人口の増加による食料需要の増大、気候変動、政情不安、越境性の病害虫・疾病の蔓延などによる食料安全保障リスクを背景に、2024年6月に、日本の農政の基本的理念と政策を掲げる食料・農業・農村基本法が25年ぶりに見直され、公布・施行されました。一方、水産業では、2018年に70年ぶりに漁業法が改正され、2022年に水産基本法の理念である「水産基本計画」が新たに閣議決定されました。
日本国土の約18%を占める東北地方は、南北に長く、三方を海に囲まれ、平野や盆地、山脈を備え、水資源賦存量は全国有数、各地域で多様な気候を持っています。東北地方が生み出す農業産出額は日本全体の約15%、漁業産出額は約12%を占め、いずれも全国地方中3位であり、東北6県の食料自給率は約70~200%と高水準を維持しています。
本学術講演会では、自然と食料資源に恵まれ、日本の食料安定供給を支える東北地方において、主として動物性タンパク源を供給する畜産業と水産業に焦点をあて、現状と課題、産業を支える学術研究、地域特性を生かして展開する企業の取組などを紹介し、気候変動や世界情勢に対し、盤石な東北地方の持続可能な食料生産の在り方などについて、参加者の皆様と共有いたします。
ハイブリッド開催 ※後日オンデマンド配信予定
どなたでもご参加いただけます(参加費無料・事前登録制)
現地参加:先着40名
東北大学片平キャンパス片平北門会館2階エスパス(宮城県仙台市青葉区片平2-1-1)
オンライン参加:先着500名(Zoomウェビナー)
下記の申込フォームより11月24日(日)までお申し込みください。
【申込フォーム】https://forms.gle/Y4ADPm5WBcu1E9ocA ※11月24日をもちまして参加申込を締め切りました。
オンライン参加の方へは11月28日(木)を目途に、下記メールアドレス宛に参加用URLを送付します。
1)開会挨拶
日比谷 潤子(日本学術会議副会長)
2)講演
Ⅰ)「地球規模の人口爆増・食料危機における畜産の必要性と役割」
眞鍋 昇(大阪国際大学 学長補佐/人間科学部 教授)
Ⅱ)「人工知能を活用した畜産現場における飼養管理技術の開発」
市浦 茂(山形大学 アグリフードシステム先端研究センター 助教)
Ⅲ)「蔵王和牛 私たちが信じる「本当のおいしい」を鮮度そのままに届けるために ―高橋畜産グループの挑戦―」
高橋 勝幸(株式会社蔵王ファーム 代表取締役)
Ⅳ)「変化が続く水産業の現状と課題」
大越 和加(日本学術会議第二部会員、東北大学 大学院農学研究科 教授)
Ⅴ)「ブルーカーボンを取り巻く持続可能なサーキュラーエコノミーの実現に向けて ~磯焼けウニの利活用を目指して!~」
西川 正純(日本学術会議第二部会員、宮城大学 理事/副学長/食産業学群 教授)
Ⅵ)「持続可能な水産資源の維持確保に向けていま取り組みたいこと」
土合 和樹(株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング 取締役 COO)
3)総合討論
ファシリテーター:
北川 尚美(日本学術会議第三部会員、東北大学大学院工学研究科研究科長補佐/教授)
パネリスト:
眞鍋 昇 (大阪国際大学 学長補佐/人間科学部 教授)
市浦 茂 (山形大学 アグリフードシステム先端研究センター 助教)
高橋 勝幸(株式会社蔵王ファーム 代表取締役)
大越 和加(日本学術会議第二部会員、東北大学 大学院農学研究科 教授)
西川 正純(日本学術会議第二部会員、宮城大学 理事/副学長/食産業学群 教授)
土合 和樹(株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング 取締役 COO)
4)閉会挨拶
五十嵐 和彦(日本学術会議第二部会員、日本学術会議東北地区会議代表幹事、東北大学 大学院医学系研究科 教授)
司会進行
木村 直子(日本学術会議第二部会員、山形大学 大学院農学研究科 教授)
大阪国際大学 学長補佐/人間科学部 教授
山形大学 アグリフードシステム先端研究センター 助教
株式会社蔵王ファーム 代表取締役
日本学術会議第二部会員、東北大学大学院農学研究科 教授
日本学術会議第二部会員、宮城大学理事/副学長/食産業学群 教授
株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング 取締役 COO
<問合せ先>
日本学術会議東北地区会議事務局(東北大学研究推進部内)
e-mail:kenkyo[at]grp.tohoku.ac.jp([at]を@に置き換え)
<共催>
国立大学法人東北大学
<後援>
公益財団法人日本学術協力財団、国立大学法人山形大学、公立大学法人宮城大学、大阪国際大学