動物機能形態学分野
Laboratory of Animal Functional Morphology
生まれたばかりの家畜は、免疫機能が極めて未熟であり、細菌やウイルスなどの病原体による感染リスクに常にさらされています。幼若期の家畜を感染症から守ることは、畜産の現場において極めて重要な課題です。
畜産分野において感染症研究は、獣医療による治療に至る前の段階で感染症の発生を未然に防ぐことを目的としています。すなわち、家畜が感染症を発症することなく健全に生産される仕組みを確立することが、究極の課題です。
私たちは、体内に複数存在する免疫関連臓器の「機能」と「形態」がどのように形成されるのかを解明することで、家畜を健全に育成するための効果的な免疫戦略の構築を目指しています。特に注目しているのは、母から子へと受け継がれる母子移行免疫が母体内でいかにして形成されるのか、また、発達途上にある子が自らの免疫機能をどのように獲得・発達させていくのかという点です。これらの謎に迫るために、妊娠期および哺育期の母体、ならびに離乳前後の子の免疫関連臓器について、多角的な解析を進めています。
私たちの研究が目指すのは、母子の免疫機能に関与する分子を特定し、それらを標的とした免疫機能強化型家畜の生産体系を確立することです。さらに私たちは、こうした基礎研究を土台として、将来的には畜産現場のニーズに応える実用的な応用研究へと発展させていくことを志しています。大学だからこそ可能な「出口を見据えた研究」に真摯に取り組んでいます。
私たちの研究室は、創造力にあふれた大学院生・学部生の活気に満ちており、日々熱心に研究活動に取り組んでいます。また、「次世代を担う人材の育成」という教育方針のもと、教育にも力を注いでいます。
本ホームページでは、私たちの教育・研究活動や日常のアクティビティーを広く紹介しています。研究に興味のある高校生・大学生の皆さんをはじめ、企業や関係機関の方々、そして一般の皆様にも、ぜひご覧いただき、私たちの取り組みに触れていただければ幸いです。
動物機能形態学分野