森林生態学 Tohoku U - 研究内容

森林生態学 Tohoku U

東北大学大学院農学研究科森林生態学分野

研究内容

保全遺伝

絶滅危惧種を守るための集団遺伝学的解析

世界や日本で「限られた場所にしかない種」「数個体しか生き残っていない種」「これまで知られていなかった珍しい種」などを対象に、そのDNA情報を調べて遺伝的固有性や進化・分布変遷の歴史を明らかにし、それらの情報を保全対策に役立てています。

キーワード：保全遺伝学的解析、希少種、レッドデータブック、遺伝的多様性

分子系統分類

世界の生物多様性保全のための分子系統解析

東南アジア熱帯林やニューカレドニアなど、「世界の生物多様性ホットスポット」と言われる生物種の宝庫を対象に、網羅的な現地分布調査と高度な分子系統解析によって次々と新種を発見し、世界の生物多様性保全のために貢献しています。

キーワード：分子系統解析、種多様性、新種、熱帯林、国際貢献、自然保護

集団遺伝・分子系統地理

遺伝的地域性保全のための集団ゲノミクス解析

広い範囲に分布する種であっても、地域によって遺伝的に明瞭に異なる「遺伝的地域性」が認められることがあります。これらは地域の豊かさを支える地域固有の遺伝子資源としての価値があるため、集団遺伝・分子系統地理学的解析によって、地域の生物資源の保全と利活用のために貢献しようとしています。

キーワード：集団遺伝学的解析、地域固有性、遺伝的集団構造、遺伝子流動、集団分化

DNA分析技術開発

DNA識別・環境DNA・古代DNA等の高精度DNA分析

次世代シーケンサーを用いた効率的なゲノムワイドDNA分析技術を開発し、高精度に種・産地・品種・個体を識別する技術に改良しています。また、環境DNAや古代DNAを対象とした高精度DNA分析技術の開発も行なっています。

キーワード：MIG-seq法、DNA品種鑑定、産地識別、DNAバーコード、環境DNA、古代DNA

木材腐朽菌類の生態

材分解と関連生物群集の生物地理・メカニズム

どこにどんな微生物がいるのか？気候変動との関係は？微生物は他の生物（植物・動物）とどんな関係があるのか？森林がダメージを受けると微生物はどう応答するのか？微生物の分布を決定する要因は何か？などについて研究しています。

キーワード：木材腐朽菌、倒木上更新、菌類群集構造、菌糸体の行動特性・分解機能

菌類の情報伝達

菌糸体内部での生体電位による情報伝達

キノコは菌糸を通して情報をやりとりしているのか？どのような情報がどのようなメカニズムで伝達されているのか？雨のあとにキノコの間で電気的なシグナルが伝達されていることを測定することに成功するなど、菌類の情報伝達に関する研究を進めています。

キーワード：外生菌根菌、生体電位、シグナル伝達、生物間コミュニケーション

©︎2025 Lab. of Forest Ecology, Tohoku University

Page updated

Report abuse