第11回シンポジウム
『危機にある沿岸生態系
-その再生に向けての研究戦略』
『危機にある沿岸生態系
-その再生に向けての研究戦略』
第11回シンポジウム
「危機にある沿岸生態系-その再生に向けての研究戦略」
主催 沿岸環境関連学会連絡協議会(土木学会海岸工学委員会/日本水産学会水産環境保全委員会/日本海洋 学会環境問題委員会/日本水産工学会物質循環研究会)
(科研費基盤研究C企画調査「ベントス系を中心とした沿岸生態系の劣化と保全・再生戦略に関する 研究企画調査」(研究代表者:灘岡)の公開シンポジウムを兼ねています.)
開催日 平成16年1月31日(土)9:50-17:30
場所 東京工業大学大岡山キャンパス西9号館デジタル多目的ホール
参加費 会場で配布予定の予稿集も含めて無料ですが,参加希望の方は,その旨事前に東工大・灘岡研・塚本秘書
(tukamoto@wv.mei.titech.ac.jp)宛メール連絡をお願いします.
問い合わせ先 東京工業大学大学院情報理工学研究科情報環境学専攻
灘岡 和夫 (沿岸環境関連学会連絡協議会 代表兼事務局)
〒152-8552 東京都目黒区大岡山2-12-1
Email: nadaoka@mei.titech.ac.jp Phone: 03-5734-2589 Fax: 03-5734-2650
開催趣旨
陸域と外洋域をつなぐ沿岸域は,大きな基礎生産性と高い生物多様性によって特徴付けられる重要な領域だが,近年,沿岸生態系の基盤を担う干潟や藻場,サンゴ礁などの環境が,干潟における二枚貝資源の激減や藻場の磯焼け,サンゴの白化に代表されるように,かなり危機的な状況にまで悪化してきている.このような基盤的沿岸生態系の悪化をくい止め,あるべき本来の生態系に復元していくための十分な科学的知見を得るには,これらの生態環境システムが成立している物理・生態環境的な基本構造を,それを取り巻く周辺の陸域,外洋域,地下水といった諸要素との関連を含めて適切に理解し,それらを通じての様々な環境インパクトの実態を明らかにするとともに,各環境外乱要素と,対象とする沿岸生態系の物理・生態環境の応答との因果関係をできるだけ定量的に把握していく必要がある.
干潟や藻場,サンゴ礁生態系は,貝類や海草・海藻,サンゴといった底生生物,すなわちベントス系が主役をなす.上記の基盤的生態系の最近の危機は,基本的には,これらのベントス系の劣化に起因しているが,多くの場合,その原因が十分特定できていない.このようなベントス系の広範な劣化は,沿岸生態系全体に深刻な影響を及ぼす.そのことは,国連海洋法条約にもうたわれている沿岸生態系の健全な維持に基づく沿岸水産資源の適切な管理という時代要請から見ても,由々しき事態であると言わざるを得ない.しかし,この問題に取り組むべき研究面での体制はきわめて不備な状態にある.特に問題なのは,ベントス系に限らず,沿岸生態系の保全に関わる問題に対する取り組みが,多くの場合,個々の専門分野ごとに別個に行われてきていることである.このことは,一般に,生態系保全研究が,きわめて学際的・総合的な取り組みを必要とすることを考えると,大きな問題である.
本シンポジウムでは,沿岸浅海域における干潟,藻場,サンゴ礁生態系に関して,その劣化の状況を多角的な観点から概観し,危機感を共有するとともに,これらのベントス系を中心とした沿岸生態系の保全・再生に向けての今後の学際的な研究戦略のあり方を多角的に議論することを目的とする.
プログラム
開会挨拶と趣旨説明 (9:50-9:55)
東工大 灘岡和夫
第1部 干潟生態系の劣化の実態把握と保全・再生に向けて
司会:東大 日野明徳 (9:55-12:00;それぞれ討議時間を含んで25分)
1) 干潟生態系の特徴と機能,劣化の諸相
東邦大 風呂田利夫
2) 物質循環と生物生産から見た干潟生態系
北大 門谷 茂
3) 干潟上の底泥環境とベントス系の動態-有明海を例として
熊本県立大 堤 裕昭
4) 干潟生態系にけるバイオ・ターべーションの役割
長崎大 玉置昭夫
5) 新たな調査手法開発によるメタ個体群動態解明
瀬戸内海区水研 浜口昌巳
- 昼食休憩 - (12:00-13:00)
第2部 藻場生態系の劣化の実態把握と保全・再生に向けて
司会:東大 小池勲夫(13:00-14:40;それぞれ討議時間を含んで25分)
1) 藻場生態系の特徴と機能,劣化の諸相
北里大学 難波信由
2)藻場生態系における物質循環
東大 小池勲夫
3)陸域-沿岸域統合系における藻場生態系
北大 向井 宏
4)沿岸生態系の連続性を考慮した自然再生-その課題と戦略
鹿島技研 田中昌宏
- 休憩 - (14:40-14:55)
第3部 サンゴ礁生態系の劣化の実態把握と保全・再生に向けて
司会:琉大 酒井一彦(14:55-16:10;それぞれ討議時間を含んで25分)
1)サンゴ礁生態系の特徴と機能,劣化の諸相
琉球大 土屋 誠
2)地球環境とサンゴ礁生態系
東大 茅根 創
3)広域統合システムにおけるサンゴ礁生態系-その保全・回復に向けての諸課題
東工大 灘岡和夫
- 休憩 - (16:10-16:30)
第4部 総合討論-「沿岸生態系保全・再生に向けての統合的調査・研究戦略のあり方」(16:30-17:30)
司会: 東工大 灘岡和夫