2026年2月5日(木)に国土交通省の對馬育夫氏(国土交通省大臣官房参事官(上下水道技術)付 企画専門官)をお招きし、第3回ワークショップ『豊かな海の実現に向けた国土交通省上下水道の取り組み』を開催しました。全国の沿岸域に携わる多くの方々にご参加いただき、下水道施策の最前線について活発な議論が行われました。
■ 講演のポイント
・下水道の役割の変化:従来の「街を綺麗にする」「浸水から守る」役割に加え、現在は「資源・エネルギー創出」や「環境保全」も重視されている。
・能動的運転管理:ノリ養殖などのため、冬場に硝化抑制運転で曝気量を減らして、硝酸ではなくアンモニアを放流する「能動的運転管理」が広がっている。瀬戸内海では令和6年に70か所の処理場で実施されている。
・柔軟な制度運用:「戦略的な水環境管理のあり方検討会」(令和5年11月~令和7年9月)では、一律の厳しい濃度規制から、海域の状況に合わせて濃度管理にメリハリをつける「戦略的な水環境管理」への転換を検討した。
・ナレッジ共有:能動的運転管理は簡単なことではなく、現場で試行錯誤しながら導入を進めており、取り組みや課題の情報交換の場も設けている。
質疑応答では、自治体への補助や生物多様性への配慮について議論されました。對馬氏からは、シミュレーションだけでなく、まずは試行錯誤しながら進める「アダプティブマネジメント(順応的管理)」の重要性が強調されました。
沿岸環境の管理はパラメータが多く、「宇宙よりも難しい」と言われるほど複雑ですが、現場の声や最新の知見を共有し、豊かな海を目指す取り組みを今後も継続してまいります。