本授業の担当教員は、他国の語学授業参照したり、経験豊富な語学の先生からのアドバイスももらいながら教えてきました。一方で、過去に学生や教員に色々ネガティブなことを言われ、語学教育に対する誤解は解いて行く必要があると強く思うようになりました。教室に来て座って指名されたら和訳するなどの日本が従来とってきた授業などを想像していた場合は、語学授業の位置づけをきちんと理解してもらいたいと思っています。また、特に英語の場合は、語学教育に携わらない人も含め色々な方が教育方法に意見をもち、根拠もなく多くの持論を展開します。
過去につぎのようなことを言われたことがあります。
英会話みたいなピーチクパーチクの授業は大学ではやるべきでなはない、大学ではピーチクパーチクな幼稚なことをするのではなく学生の知的好奇心を満たす学問をするところ。現実は、ピーチクパーチクでさえもできない状況が日本なのですが...
また4技能の方はネイティブに任せ、日本人の先生は日本語で文法についてきちんと解説し、正しい用法を講義をすること、論文の読解など学問で求められるレベルの高い英語を学生に習得させるために文法講義を中心とした授業を展開するべき
(自分流ではなかったものの)「自分流でやらず周りに合わせ大学の英語教育に命をかけてもらいたい、周りに合わせて正しい英語を日本人として教えなさい、遊びみたいなピーチパーチクなんて低レベルなことはせず頑張ること、そうでなければ教員をやめなさい。ここは研究する場だし。あなたのような低い言語能力しかない人間が、大学教員、それも英語を教えてるなんて信じられません」
と言われたことがあります。
なお、ピーチクパーチクと言われた語学授業は文法(外国語で意思疎通を測る上で従う必要がある最低限のルール)の授業です。外国語で意思疎通を測る上で従う必要があるルール/文法はどうやって学ぶか? 実際に使っていくしかありません。
ここで言う文法は、SVO SVCとかいう5文型を覚えろという話ではありません。文法用語を覚えて試験問題の穴埋めをするということでもありません。高校でならったような5文型を覚えるだけで、その型にはめて英語が誰でも出来るのなら、英語で苦労することはないはずです。そうなっていない状況なのはなぜか?単純に使う訓練をしていないから。あとは圧倒的にインプットの量がすくない。聞く、話す、読む、書く、全てスキル。上手下手はあるけれど、訓練すればどれも習得できる能力です。その上で、生身の人間とやり取りをしなければなりません。人間は単純な思考はしないので、言葉を教科書どおりに話すとは限らない。
言葉は実際に使って身につくもの。授業はそのための訓練の場です。文法の専門用語の説明ができても使えなければ意味はありません。SVOCといった5文型をどんなに覚えても、使えなければ意味はありません。そもそも他の国では5文型という教え方をしてません。言葉は方程式になんか単語を入れたら、話せるというものではないです。語学は何を目的としているのかは理解してください。それは言語学であって、外国語学習ではない。全員が言語学者になるわけじゃないのだし。使えるようにするにはどうするか、能力を向上させるにはどうするのか訓練していく必要があります。