アメリカはご存じのようにクルマ社会で、クルマを運転できることがほぼ必須です。免許証取得は前回もお話ししたDMV*という日本の都道府県公安委員会に相当する州レベルの役所があり、ここで筆記試験と路上試験を受け、免許証を取得します。免許証取得や更新の方法について次回以降に譲るとして、免許証の話を。
カリフォルニア州の免許証は、普通に見ると顔写真が2つなのですが、実は隠されたカラー写真の合計3つあります。次のように左側にあるカラー写真、中央やや右下にある小さな白黒の写真、そして普通は見えないのですが、その上にブラックライト(近紫外線)を当てると見えるカラー写真があります。日本のパスポートもブラックライトを当てると写真が見えてくるのですが白黒で、「カラー」写真が隠されているのは他の身分証明書では見たことがなく、きれいに再現されているのは驚きです(ちなみに筆者は「カラー画像の専門家」ということで仕事をしています)。
*Department of Motor Vehicles
薄暗いところでブラックライトを当てるとカラー顔写真が浮かび上がってきます
免許証は身分証明として重要な役割を果たしていて、例えば食料品店でビールを買うときにはレジで年齢確認のため、「免許証見せて」と言われることがあります。「若く見られた!」と喜んでいたら、妻には「そうマニュアルに書かれているんでしょ」と軽くいなされてしまいました。ちなみにまだ現地の免許証がなかったときにビールを買おうとして日本のパスポートを見せたのですが、通用しませんでした。パスポート見たことがなかったのでしょうか…。
右上にある「星の印」は実は重要な区別で、Real IDという名称で連邦レベルでの身分証明に使われます。例えば、飛行機に乗る際の保安検査場ではこの星印がない身分証明として認めてもらえなくなります。このルールの実施はコロナ騒ぎで何度も延期され、現時点の情報では2025年5月からとなっています。
さらに暗くするとゴールデンゲートブリッジとコイトタワーも光って見えてきます
サインや誕生日がエンボス加工されていたり、各所に透かしが入っていたりするなど、偽造防止にさまざまな工夫が凝らされているのですが、日本と違って裏に住所変更の記載欄がありません。ですので、お店等で住所の確認が必要な時は、免許証を見せても、「住所はこのまま?」というような質問を受ける時があります。引っ越しすると10日以内にDMVへ住所変更を届け出る義務はあるのですが、住所記載を更新した免許証が送られてくる訳ではないので、このようなことになります。
すごくよくできていると感心するのと同時に、「なんで?」と思うことがアメリカではよく共存しています。