当サイトについて
物理学について、主に学んだことなどをノートの形で記録していきたいと思っています。
内容としては、特に学部専門後期課程から大学院程度の理論に関するものを扱う予定です。分野としては、広い意味での物性物理になると思います。いわゆる高エネルギーの分野はあまり扱わないと思います。
これは大学院での私が対象にしていた(したがって最も興味があった)分野が物性理論だったことに由来しますが、今後はもう少し広い視野で勉強出来ればと思っています。
間違いの指摘やコメントについては、vento.aureo1615_at_gmail.com(_at_を@に置き換えてください)にご連絡頂ければ嬉しいです。
なぜ公開するのか?
非専門家(ここでは物理の研究を生業としていないという意味です)がこうしたノートを公開することの意味を訝る方も多いかと思います。
最大の理由は自分が継続的に勉強するための動機付けというものです。また、公開することで間違いを指摘してもらえる可能性が生まれることもひとつの要因です。
ただ、これらとは別の(少々おこがましい)思いもあります。
近年は一流の研究者によって書かれた非常に質の高い教科書も多くなり、またWeb上でも多くの講義ノートなどが手に入るようになり、物理を勉強する環境は非常に良くなってきていると思います。私が大学院で物理を学んでいた際も、こうしたWeb上の文書には非常に助けられました。
しかし、一方で個人的には(特に英語圏と比べると)その量や幅などでまだ劣るところがあるのではないかと考えています。
物理界では英語がスタンダードな言語であり、英語で文献を読むことが研究の必要条件なことは事実である一方、特にある国の文化として物理を考えた場合に、(母語で)多量の文献が公開されている、という事実がその国の文化的なレベルの一端を表す面もある、と個人的には考えています。最近は特に比較的若い研究者の方が研究の合間を縫ってノートや研究成果の公開文書化をされていて、それらを読めることは物理を勉強する身としてはとても有難いことです。
勿論ここで公開するものがそうしたものと比肩するなどと言うつもりは全くありません。私の尊敬するある先生の言葉に、「(物理において)アマチュアとプロとは違う」というものがあり、実際(特に計算結果の物理的な解釈や物理的直観において)プロと非専門家の間には致命的な差があると思っています。
それでも尚、一介の非専門家が(ともすれば間違いを多量に含むような)文書を公開しようという動機としては、こうした物理の専門的な文章やノートがより沢山公開されて行く流れが加速していけば良いという一点に尽きます。
Michael Nielsenの言葉を借りれば、こうした「オープンサイエンス」への流れが一層進んでいって欲しい、というのが公開の動機と言えます。