・新物理学シリーズ 熱力学 現代的な視点から (田崎晴明著, 培風館)
公理系から熱力学を構築していくスタイルの教科書。
筆者も述べているように(平衡)熱力学は完成された美しい理論体系をもっています。
この本はその理論を学ぶことができるとてもわかりやすい本で、物理学徒ならば必読の本だと思います。
こちらも公理からスタートする熱力学の教科書。
上で挙げた田崎さんの本にするかこちらにするかは好みの問題でしょう。
もちろんどちらも読むに越したことはありませんけど。
上で(平衡)熱力学の理論体系は完成されていると書きましたが、非平衡熱力学は未だに多くの未解決問題を残した分野です。
その中でも線型不可逆熱力学 (linear irreversible thermodynamics) という枠組みがあるのですが、その枠組みで得られるCurzon Ahlborn (CA) サイクルというものがあります。
この本はそのCA サイクルについての記述がある数少ない教科書となっています。
そういう意味で目を通す価値がある本なんじゃないかなと思います。
もちろん英語版
があります。