◆研究テーマ
経営組織や経営戦略のデザインに管理会計システムが果たす役割を学びます。組織目的達成のためには、①誰が意思決定を行い、②いかに業績(成果)を測定し、③いかに褒賞するか、という「組織設計」を作り込む必要があります。管理会計システムは土台として、その成否に大きな影響を及ぼします。若林ゼミでの学びを通じて、会計は無味乾燥な数字の羅列ではなく、その中心には常に人間がいることを実感してくれると嬉しいです。
◆運営方針
【3年次春学期】
会計学と管理会計論の入門的なテキストを輪読します。使用するテキストは平易ですが、それに留まらず発展的な内容へと展開し、報告してくれることを期待しています。2025年度は、
①大塚宗春監修・福島隆・金子良太・若林利明著. 2024. 『会計学の基本』中央経済社
②齋藤正章. 2022. 『新版 管理会計』放送大学出版
を輪読します。
【夏合宿・3年次秋学期】
グループにわかれてテキスト③経営組織と管理会計システムに関する専門書を輪読します。2025年度は、
エドワード・ラジアー、マイケル・ギブス『人事と組織の経済学 実践編』日本経済新聞出版社
を輪読します。
主にSDGsに関連することについてグループに分かれて課題を設定し、ゼミレポートを作成します。成果は、横浜市立大と同志社大との三大学インゼミ、慶應義塾大との「管理会計早慶戦」においても報告してもらう予定です。2023年度は、「人的資本と会計 」を大テーマとして各グループ独自の課題を設定しました。グループ1が「人的資本開示の好事例は財務的優位性に繋がるか? -グローバル食品メーカーと大手百貨店の事例分析 -」、グループ2が「人的資本情報の価値関連性に 関する実証的研究 」です。2024年度は、「ポストコロナ時代における地方自治体の課題と展望」を大テーマとして各グループ独自の課題を設定しました。グループ1が「浅草におけるオーバーツーリズム問題のフィールドリサーチ」、グループ2が「コロナ前後の小学生の学力変化とその要因に関する実証研究」です。
また、工場見学、慶應ビジネススクールケーススタディ体験、コンサルティングファームによる実務ワークショップ(参考へのリンク)などを通じて興味関心の幅を広げてもらいます。さらに、公認会計士志望者には監査法人へのオフィスツアーを紹介しています。試験へのモチベーションを高める機会にしてもらえればと思います。
【4年次】
個人単位でテーマを選択し、ゼミ論文を作成します。個人の興味関心に応じて自由に研究することが可能です。
(1期生から6期生の卒論タイトル例)
「コロナ禍における政策の分析」
「学業においてストレスがパフォーマンスに与える影響」
「任天堂が強い理由−財務分析から読み解くゲーム業界の現状−」
「チップ文化の国にもチャージ文化が受け入れられるべきではないか」
「日本企業におけるIFRS導入による透明性への影響について」
「地銀再編がもたらす地銀の持続的経営への効果について」
「人はなぜギャンブルに参加するのか」
「ゲームの事前評価・事後評価が株価に与える影響」
「馬券種別の傾向から考える回収率向上」
「世界的大企業の特徴とその分類」
「各国会計基準と文化の相互的影響」
「個人飲食店における人手不足に向けた検討」
「日本のタレント広告における意味移転モデルに関する実証研究」
「公的年金・企業年金の資産運用におけるオルタナティブ投資を用いた最適資産ポートフォリオ」
「公的年金制度の課題と改善案」
「人的資本開示の好事例は財務的優位性に繋がるか?大手百貨店の事例分析」
「不動産業における職業資格の効果と資格取得にかかる費用について」
「投資家の感情とリアルタイムなポートフォリオ調整」
「会計学におけるコンテンツ資産の特異性」
【これまでの進路・内定状況】
2022年度は2名が公認会計士試験(論文式)に合格しました。
2023年度は2名が公認会計士試験(短答式)に合格し、1名が(論文式)に合格しました。
2024年度は2名が公認会計士試験(論文式)に合格しました。
(就職)アンダーソン・毛利・友常法律事務所、クレディスイス証券、デロイトトーマツコンサルティング、アマゾンジャパン、SMBC日興証券(投資銀行部門)、ジェーシービー、トレンドマイクロ、SCSK、トラスコ中山、あいおいニッセイ同和損害保険、すかいらーくHD、リクルート、損害保険ジャパン、JCOM、アクセンチュア、EYストラテジー・アンドコンサルティング、大塚商会、ボーンレックス、羽田空港サービス、群馬銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、日本タタ・コンサルタンシー・サービシーズ、監査法人トーマツ、明治安田生命保険、JETRO、三井住友DSアセットマネジメント、読売新聞社、みずほ証券、Relic、PwCコンサルティング、みずほ信託銀行、大日本印刷
(大学院)上智大学経済学研究科
2025年度:上智大学7期生7名・早稲田大学1期生21名