富山県有機農業研究会設立趣意書
(いのちと食と農を守る会)
戦後我が国の農業は、農地改革に始まり農業協同組合や農業改良普及員の制度が定められ、農業基本法のもとで農業構造改善事業が強力に進められました。お陰で農業者の人力作業は機械化され、化学肥料・除草剤・病害虫化学防除農法が一般化して労働生産性は大きく向上しました。そして農家の庭先から馬、牛、豚やニワトリ、山羊、羊、が消えました。
増産・近代化一筋の反省から、昭和46年日本有機農業研究会が発足、平成18年有機農業の推進に関する法律が定められました。現在富山県下においては、特別栽培農産物生産面積は1,000ha、県下の農地面積の2%で、うち有機JAS登録の農産物面積は100ha余りに留まっています。一方、欧米においては我が国よりはるかに定着拡大しているといわれます。
健康生命の源は、健全な自然からの食です。昨今の難病や生活習慣病は、本来の自然から遊離した食べ物が原因だと多くの人々は知り始めました。本来の自然からの食とは何か。それは農薬や化学肥料、遺伝子組み換え作物に頼らない、土の中の微生物が作った発酵肥料やミネラルによって栽培された生命力の強い作物です。それらの作物が私達の免疫力を高めると多くの研究者が発表しています。生命力の強い有機栽培の農畜産物が、農家によって手軽に生産出来、またその生産物を消費者が手軽に手にして美味しく頂ける環境づくりを目指します。
生産者と消費者が一体となり、子供達と共に農業と自然を守り心身の健康増進を図るため、幅広い関係機関と連携して富山県有機農業研究会を設立するものです。
平成26年11月 1日
富山県有機農業研究会設立発起人会