「微分積分ことはじめ」情報ページ
内容紹介
明治薬科大学薬学部1年生の数学の講義で扱う内容が1冊にまとまっている本が必要であると考え作成した教科書です.
このような目的で書かれたので, 次のような特徴があります.
物理・化学・生物・薬物動態・統計といった薬学関連科目で現れる数学の利用例を紙面の許す限り掲載しました. そのため, 薬学専攻以外でも, これらの科学のために数学が必要な方や数学の利用例を知りたい方の参考になると思います.
高校数学IAIIBまでを学んだ人向けに書いているので, 高校数学IIIを履修していない人や自信のない人でも読み始めることができます.
ε-δ論法のように初学者を脱落させる議論は極力排除する一方で, 定理の証明はできる限り掲載しました. 特に, 微積分でとても重要なTaylorの定理については, 複数の証明を挙げ, 剰余項の表示も複数与えました.
計算例を数多く掲載しました. 演習問題には略解がついています.
目次
はじめに
第1章 基本事項
1.1 集合 1.2 記号 1.3 用語 1.4 重要な等式・不等式
第2章 1変数関数
2.1 数列 2.2 関数 2.3 多項式 2.4 有理関数 2.5 合成関数 2.6 逆関数 2.7 指数関数 2.8 対数関数 2.9 三角関数 2.10 逆三角関数
第3章 ベクトル・行列
3.1 平面ベクトル 3.2 空間ベクトル 3.3 行列 3.4 行列式 3.5 行列の固有値
第4章 連続関数
4.1 1変数関数の極限 4.2 極限の計算 4.3 1変数関数の連続性
第5章 微分法 (1変数)
5.1 導関数 5.2 1 次近似と微分 5.3 曲線と接線 5.4 平均値の定理 5.5 高階導関数 5.6 Taylor の定理 5.7 不定形の極限 5.8 関数のグラフと極値問題
第6章 微分法 (主に2変数)
6.1 極限 6.2 偏導関数 6.3 1 次近似と全微分 6.4 連鎖律 6.5 高階偏導関数 6.6 Taylor の定理(多変数) 6.7 極値問題
第7章 積分法 (1変数)
7.1 Riemann 積分(定積分) 7.2 微分積分学の基本定理 7.3 積分の計算 7.4 有理関数の積分 7.5 数値積分 7.6 曲線に沿った積分 7.7 広義積分 7.8 直交関数系
第8章 積分法(主に2変数)
8.1 重積分の定義 8.2 累次積分 8.3 変数変換公式 8.4 広義の重積分
第9章 微分方程式
9.1 複素数 9.2 微分方程式とは 9.3 変数分離形微分方程式 9.4 1階線型常微分方程式 9.5 定数係数斉次2階線型常微分方程式 9.6 定数係数非斉次2階線型常微分方程式 9.7 連立微分方程式
付録A いくつかの補充
A.1 国際単位系(SI) A.2 科学的記数法と有効数字 A.3 空間の極座標 A.4 Taylor 級数 A.5 定理の証明
演習問題のヒントと略解
あとがき