2010/03/13
娘の通う養護学校で2009年11月1日、約3か月ちょっとの準備期間を経て「おやじの会」が産声を上げました。
いよいよ「おやじ」の時代の幕開け、とはちょっと言い過ぎでしょうか(笑)
さて、この「おやじの会」。
名前だけ見るとなんだか危ないおっちゃんが集まる会のように見えますが、純粋に子どもたちのことを考える「おやじ」達で結成された会ですのでお間違えなく。
ある日仕事から帰ると、われらおやじの会初代会長であるK氏からの通知文が連絡帳に挟んでありました。
「おやじの会準備委員会に参加しませんか?」
本格的に発足させるに当たり、おやじの会とはどうあるべきか、何をしていくべきか、何が必要か、などについて話し合い、準備を進めていこうというものです。
ある意味0(ゼロ)からスタートさせるため、なかなか難しい取り組みでもありますが、だからこそやりがいがありそう、ということで参加を決めました。
そうして私を含め、10名のおやじ達で正式発足に向けて歩むことになったのです。
<おやじの会とは?>
そもそもおやじの会とは何でしょうか?
なぜ今おやじの会なのでしょうか?
PTAでもなく、おやじだけが集まって何ができるの? そう思われた方が多いかもしれません。
私たちはこう考えました。おやじってたぶんこんなことを考えているのではないか、と。
●おやじは、子どもの将来、特に卒業後の生活に不安をもっている。
●おやじは、なんだかわかんないけど、子どものために何か役に立ちたいと思っている。
●おやじは、もっと情報が欲しいと思っている。
●おやじは、同じ悩みを抱えているおやじ達と話がしたい、思いを共有したいと思っている。
●おやじは、大声で誰かに悩みをぶちまけたいと思っている。
●おやじは、作業所やNPO法人やそのほかいろんな勉強がしたいと思っている。
●おやじは、そんなおやじ達が集まって、つまり個々の力を集めれば何かができるのではないかと思っている。
そんな思いをもつおやじ達が集まり、子どもたちの将来や自分たちの悩みや夢などに取り組む。
それが「おやじの会」です。
<準備委員会参加の理由・背景>
私も思いは同じでした。
何かに取り組みたい、子どものために何かできないか?
でもどうやったらいいかわからないし、誰に聞いたらいいかもわからない。
みんなはどんなふうに将来のことを考えてるんだろう? 誰かに聞いてみたいなぁ。
一人では挫折してしまいそうなことでも仲間がいれば何かやれるんじゃないか。
そんな思いにK氏の呼びかけが共鳴したのだと思います。
<おやじの会のモットー!>
「できるときに、できるひとが、できることを。」
これが私たちおやじの会のモットーです。
無理やり集まることもなければ、無理やり何かをさせることもないし、無理やりお酒を飲ませることもありません。
ひとりひとりができるときにできることを肩肘張らずにやっていこう、それがみんなの思いです。
もっとも、お酒好きなおやじたちが集まっているのも事実ですし、飲み会もやりますよ。
でもこれだけは声を大にして言いたい!
「我々おやじの会は飲み会だけの会では決してぬゎい!」。(笑)
<正式発足への道>
◎第1回打ち合わせ!
2009年7月28日、養護学校のプレイルームで第1回打合わせが行われました。
そしてそれぞれが「規約班」「会員募集班」「バザー班」に分かれて準備を始めることになります。
規約班とは…読んで字のごとく、会の規約を作る班です。ちなみに私は「規約班」でした。
会員募集班とは…これも読んで字のごとく会員をどう募集するか、どう呼び掛けるかについて話し合います。
バザー班とは…おやじの会デビューの場として、PTA主催のバザーでいかに活躍するか(?)を話し合う班です。
◎規約の誕生!
規約班の私は、仕事で培った能力をフル回転し…、なーんてのは言い過ぎですね。実はいろんな「おやじの会」の規約を参考にさせていただき、我々のオリジナリティも若干加味して作成させていただきました。(笑)
そうして出来上がった我々おやじの会の規約、つまり「おやじの会」の柱は「卒業後でもおやじの会の会員でいられること」、です。
そう、おやじの1番の悩みは子どもたちの卒業後の生活のこと。
ならば、1番悩むであろう卒業後も会員としてコミュニケーションの輪の中にいられることは必須です。もちろん、在学中に他の学校へ転校してもおやじの希望があれば会員として存続できます。
子どもが卒業したらおやじの会から退会しなければいけない「おやじの会」やPTAが多いなか、これはある意味画期的かもしれません。
ただし、増え続けていく会員をどうまとめるか、どう管理するかという問題は残りますが、会員が増えたら増えたでその時考えましょう。わっはっは。
◎いよいよ募集! そして正式発足!
規約ができれば次は会員募集。
われらおやじは近く訪れる運動会でのチラシ配りと、バザーでの活躍を誓い行動を起こしました。
ただし、バザーは新型インフルエンザの影響で中止となってしまい、おやじの見せ場がなくなってしまいましたが…。
バザーにかける意気込みはそれはそれは熱いものがありましたので非常に残念。
しかし、会員募集の連絡をして待つこと2週間、お母さんたちの口コミと運動会でのチラシの効果か、なんと7名ものおやじが新たに参加してくれました!
想像していたより多くの、特に高等部のおやじたちが多く参加してくれたことは、やはり就労の問題や学校への恩返しがしたいという思いがあふれていたようです。
こうして2009年11月1日(正確には第1回ミーティングは11月6日)、われらが「おやじの会」は正式に発足しました。
<正式発足後の活動内容>
正式発足後はいろんな方々をお招きして主に座談会を中心に活動しています。
○校長先生との座談会
○PTA会長との座談会
○元PTA会長(先輩おやじ)との座談会
また、「勉強班」「コミュニケーション班」「イベント班」にそれぞれ分かれて、これからの活動についてグループミーティングを行っています。
それぞれの活動はまた次の機会に。
<おやじの会への期待>
この「おやじの会」は、学校やPTAからも非常に期待されています。
その中でも先輩おやじでもある元PTA会長さんのお話しは非常に心に響きました。
それは、障がいの枠を越えた考え方、ものの見方、動き方をしてほしいといいうこと。
どうしても私たちは自分の子どもの障がいに目が行きがちです。
自閉症なら自閉症、ダウン症ならダウン症、脳症なら脳症。
でも本当に大切なのはお互いの障がいの垣根を越えてすべての「障がいを抱える子どもたちやその親にとって良いものを求めていく」こと。
ある意味理想論かもしれませんが、でもとても大切なことですよね。
そんな視点で物事を考えられる会にしたい。
そして学校だけでなく、地域との連携を深めていきたい。
PTAとのコラボレーション、地域とのコラボレーション、他のおやじの会とのコミュニケーション…。
そんなことを、私も含めて多くの方たちが、この「おやじの会」に期待を寄せているのだと思っています。
<おやじの会へ参加して>
最後におやじの会へ参加して感じたことを報告して筆を置きたいと思います。
長々とすみません。ここまで読んでいただきありがとうございます。
もう少し、お付き合いを。
このおやじの会に参加して一番感じていることは、やはり、そこにはいろんなおやじがいて、障がいは違えども同じ悩みを持ち、将来に不安を抱えていることがわかったこと。
自分だけがこんなふうに思っているわけではないんだと感じられたこと。
そして何よりそんなおやじ達と仲間になれたことがめちゃめちゃ嬉しいです。
今までの話し合いのなかで様々な情報や気づきをもらいました。
防災に対する心構えもそのひとつ。地域とのコミュニケーションの重要さもそのひとつ。
ある意味、仕事より熱中して楽しんでいるのかもしれません。(笑)
しかしながら、この「おやじの会」は産まれたてのほやほや。まだまだ未知数です。
これからどんなことができるのかわくわくしています。
ただ、産まれたてだからこそどんな色にも染まります。
だからこそ「おやじの会」を立ち上げたいと思ったその思いを持ち続けることがとても重要だと思っています。
子どもたちのために今一番重要なことは何か、今一番やらなければいけないことは何か。
常に自分の中に問いかけていこうと思います。
毎日みんなが笑顔でいられるように…。
<終>