66.夏だ!沢のぼり

らんぞうです。

梅雨に入って蒸し暑い日が続いております。

この時分になりますと、そろそろ山や海に心がそぞろ疼きだしてまいります。

私めも学生の頃から山登りが好きでございまして、大学ではナンパなテニサーにでも入れば良かったなーといまだに後悔しておりますが・・、あいにくと硬派な山サークルで北アルプスやら八ヶ岳やらに、合宿と称しては季節を問わずテントを背負って山篭りをしておりましたよ。

近場では月イチくらいで地元丹沢にもよく通っておりまして、

特に表丹沢といわれる大山から塔ノ岳あたりは、それはもうしょっちゅう歩き回っておりました。

特に夏の時分は「沢登り」が実に爽快でありました。

丹沢は昔から「沢登りのメッカ」と言われるほど有名で、昔のクライマー予備軍はここで岩登りの基礎を学んで巣立っていったとか。

かくいう若きらんぞうめも夏になると表丹沢の沢に通っておりましたよ。

神奈川県秦野盆地から丹沢表尾根(おもておね)に突き上げる水無川(みずなしがわ)の本支流の幾筋もの沢はそれぞれが多彩な滝を数多く有しており、特に「水無川本谷(ほんだに)」は水流豊かで有名な沢で、らんぞうも何度も訪れましたよ。

小田急渋沢駅から朝一のバスで約20分。終点の大倉バス停から林道をあるく事1時間30分。

沢の取り付きから塔ノ岳山頂まで5時間。水量も豊富な9つの滝を頭から水を被りながら攀じ登っていきます。

水飛沫を浴びながら滝を上り詰めて稜線へたどり着く爽快感はこの上ないものでありました。

当時、丹沢の沢に入る山屋さんは登山靴など履きません。バス停の売店で買った「わらじ」を地下足袋の上に履きまして、ワシワシと川に入って参りますよ。

次々と現れる滝を夏の日差しと共に頭から水を被りながら、岩にかじりつくように登っていきます。

滝に打たれながら高みを目指すストイック風な修行感?が若き日のらんぞうのココロを揺すぶって、リポビタンDのCMさながらの豪快なシャワークライミングは、まさにファイト!一発!でございました。(?)

ただし遭難事故が多いことでも有名なこの水無川本谷。いくつもの滝を攻めた、その最後に現れる落差20メートルの大滝「F8」は特に転落事故が多い最難関の滝!

割と気軽に入れる沢という事もあって、ザイル(ロープ)もなしに安易に岩に取り付いてはみたものの進退窮まる方も多いようです。

自分が登っている時にもまさかの転落を目撃してしまいました。

滝の中腹から転げるように落ちるのを目の当たりにして血の気が引いてしまいましたよ。

幸いにして背中のリュックがクッションになったようで、どうやら軽傷で済んだ様で何よりではありましたが、まあ肝を冷やした出来事でありました。

すべての滝を越えると、最後は岩だらけのガレ場と道なきヤブを這い登って一気に稜線へ!

そして沢を登りきった山頂では、谷から吹き上がる涼風を頬に受けながらのビール!この上なし!。

と当時を思い出したところで、山頂ならぬ屋上のビアガーデンでギューっと行きますか!

夏は色々とワクワクしますなぁ。

(らんぞう)