43.「坐禅セッション潜入記」(前編)

こんにちは。らんぞうです。

今回は前に紹介した気になるお坊さん 小池龍之介氏の主催する「坐禅セッション」なる会に私らんぞうが、無謀にも突入したお話しです。

実は坐禅を体験できるところは結構ございまして、ご存知の曹洞宗の大本山永平寺まで行ってしまいますと気軽にとは行かず、本格的な「修行」となりますが、そこまでは・・・という方であれば、例えば首都圏だと、JR鶴見駅近くの総持寺。毎月一度土曜日の午後に一般向け参禅会を行っています。

毎回100名以上の参加者がおり、曹洞禅の作法に静かな坐禅堂で坐るひと時、堂内に響く警策(きょうさく)の音に、いつもはゆる~い心持ちの私めも一時凛としたりいたしますよ。

また品川高輪の「高野山東京別院」では、いわゆる「坐禅」とは呼びませんが「阿字観」(あじかん)という弘法大師空海が伝えた瞑想法を体験できます。ここも月2回日曜日、沢山の人が集まります。瞑想終了後はお坊様のお話しを聞きながら、お菓子を頂く茶話会も楽しいひと時でございました。

さて本題の小池氏 坐禅セッション!

著書を読んで「にわかファン」となった らんぞうは、氏のホームページ「家出空間(イエデクーカン)」で「月読寺 zazen session」なる告知を見るや、これは行かねばと勇躍突入した次第でございます。

とある晴れた土曜日、早朝に家を出まして、「精進のおにぎりを1個ないし2個のみ、お持ちください。」との記載にしたがい、(精進のおにぎりって何??)と訝しく思いながらもコンビニにて塩おむすびを2個購入。電車に揺られること2時間。

趣き深い江ノ電「稲村ガ崎」の小さな駅に降り立ちましたよ。

朝の爽やかな潮風を背に受け、空にはとんびが輪を描いている青い空の下、ホームページにある「みちしるべ」なる地図を頼りに、月読寺にむかいます。

「45度くらいある坂」て書いてあるけどホントだぁ!と息を切らせながらも、どうにか登りきりますと、そこには小池氏が住職を務める「月読寺」がございました。

お寺とは申しますものの、どう見ても平屋の古民家。鐘もお墓もございません。

茶室のにじり口のように垂れ下がった木の幹の下をかいくぐって玄関へ。

古い引き戸をからりと開きますると、そこには既に静かーな空気。靴をぬいで中に入ります。

すると。。 おー いらっしゃいました。

部屋をぶち抜いた20畳くらいの畳の間に、瞑目結跏趺坐して微動だにしない小池氏。

すでに氏を囲むように10名くらいの方々が静かに坐禅を組まれています。

私らんぞうも坐蒲(ざふ)をお借りして、邪魔にならんように静か~に坐って始まるのを待っておりましたよ。

やがて古い柱時計が9回鳴りますとはじまりの合図。

その頃には30代位~の女性達を中心に約40名の方々が集まっておりました。

ん!よく見ますと、中にこれはまたミニスカートの妙齢の女子。そんなカッコでどーやって坐禅するのー!?と、心の中でツッコミながら、すでにココロは雑念妄想の渦中。。

そして小池氏、やおら目を開けるや静かに「こころ」についてのお話がはじまりました。

窓から見える鬱蒼とした緑、遠くに聞こえるとんびの声をバックに、小池氏の小さな、そしてゆっくりとした語り口調に、既に部屋の空気は瞑想モードに入っております。

さていよいよ坐禅。。お昼まで休憩を挟みながら、ひたすら坐ります。

自分の息が緩やかに入っては出て行く様をひたすら見つめ、たまに雑念、意識を息に戻す、今度は鳥の声?おっとまた呼吸呼吸。。。の繰り返し。。

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「何も足さない、何も引かない。自分の息を自分で作ろうとせず、ありのままの息をただ見つめてください。」

「鼻から入った息が、のどを通り、胸を通り、おなかに落ちて、また吐き出されていく様をただただ観察してください。」

「鼻に空気が入るときの冷たい感じ、喉の奥に息が当たって擦れる感覚、吐くときは吸うときと異なる、湿った暖かい空気が気道、喉、鼻を擦って鼻先や唇の上に柔らかく当たる感覚をどこまでも細かく観察してください。」

「その息は長いのか短いのか。息が通るのは右の鼻の穴なのか左なのか。吸う-吐く、吐く-吸う、の切り替わる瞬間に集中して、その時どんな感覚なのかを感じとってください。苦しいのか、快いのか、どちらでもないのか。。」

・・・・・氏のインストラクトが心地よく、からだの中に流れ込んできます。

体の感覚でもっとも刺激の少ない、おもしろ味のない、普段は全く気に留める事がない自分の「息」を全身全心で感じとります。

そしてある時ある瞬間、心と呼吸がピッタリと寄り添ったと思われるとき、そこにはフワリとした幸福感と満足感、とらわれない自由な心。ほんの少しだけ体験できたような気がいたしました。

柱時計がBO-N・BO-Nと12回、正午の時を告げますと午前の部は終了。

精進のおにぎりを食すお話しは、また次回に。。

(らんぞうしるす)