191.『ついに花粉症?!』

5年ほど前に受けたアレルギーの検査で蛾に対するアレルギーと、スギ花粉に対する軽度のアレルギーが確認された。スギ花粉はまだ軽度だったので少し安心していた。

時は流れ、昨年初めて目にかゆみを覚えた。最初は我慢していたが、いたたまれずに薬局に飛び込んで目薬を購入した。うたい文句は「ガマンの限界を超えた目のかゆみに効く!」で、私は心をわしづかみにされた。

「ったく、人の弱みに付け込んでけっこう、高っけい」と思いながら使用して見ると、効果は抜群。スーッとかゆみが治まって行く。コロナの渦中で病院には出来るだけ行きたくなかったので重宝している。

今年の症状は目のかゆみプラス突然のくしゃみの連発。続けて5回くらいは出る。1日に何回もと言う訳ではないので、まだ軽い方なのかも知れない。いつ病院に行こうかと思っていたが花粉の時期が過ぎるとスーッと症状が治まって来た。来年の花粉の時期に今よりもっと症状がひどくなったら病院に行こう。今年は何とかやり過ごせた。


最近、私の家族は花粉症の比較的あたらしい治療法である「舌下免疫療法」なるものを受けている。

舌下免疫療法とは、アレルギーの原因物質を舌下から少しづつ体内に吸収させることで、アレルギーによる花粉症の症状を弱め鎮静化させて行くらしい。一定期間をかけて徐々に原因物質を増量し、数年をかけてアレルギー症状を完治させる根本治療法である。

家族は治療を受けて1年を過ぎた頃から、大分症状が緩和されて来ているらしい。

私もいよいよ症状が進んできたら、この「舌下免疫療法」も考えてみたい。

わさびをいっぺんに大量に摂取すると花粉症の症状が緩和されたと言うお話も伺った。しかし、寿司一貫の上に少し多めにのっているわさびでさえ結構辛いものがある。それを多量に口の中に入れるのは恐ろしい。暑がり、寒がり、痛がり、怖がりの私にはどうも向いているやり方とは思えない。とりあえずは、ひどくなったらお医者さんに相談しよう。


そもそも昭和の私が子供の頃の時代は、「花粉症」などと言う病名は聞いたことが無かった。

大体、夏は「日射病」だったし、冬は炭や練炭などの暖房による「一酸化炭素中毒」での事故が多かった。道路自体が舗装されている所は少なく、土の道はどこにでも普通にあった。花粉もアスファルト道路上を舞うことも少なかっただろうし、ほとんどは土の道路に落ちて舞うこともなく吸収されてしまっていたと思う。今思えば何もかも人間の便利さを追求した結果の跳ね返りなのだろう。アスファルトジャングルだ。雑草は生えないだろうが、真夏のアスファルトは気温上昇の大きな一因になっている。道路の素材も自然環境に影響をあたえないような研究が進んで欲しいものだ。便利かも知れないが、生物や命が感じられない無機質な空間は今後改善が必要になる。何しろぺんぺん草も生えないのだから。


自然環境との調和の問題は「地球温暖化対策」で世界的な課題にもなっている。これらを解決する研究者(救世主)は必ず現れるだろう。アップルコンピューター創業者のスティーブジョブズが残した偉大な言葉がある。

「Stay hungry. Stay foolish.」彼はこう続ける。

「クレイジーな人たちをたたえよう、はみだし者、反逆者、トラブルメーカー、彼らは四角い穴に丸い杭を打ち込む。彼らを無視することは出来ない。なぜなら彼らは物を変えたからだ。彼らは人間を前進させた。彼らはクレイジーと言われるが、私たちは天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じている人こそ、本当に世界を変えているのだから。」


私のような平々凡々の凡太郎は、何とかごく普通に生存しているのが精一杯である。クレイジーなはみだし者、天才が現れてくれるのを待つばかりだ。


「とりあえず、来年の花粉症はお手柔らかに願いたいものです。」


隠居