ここの所、家電製品の故障が相次いでいる。
温水ヒーター・ガス給湯器・冷蔵庫・電子レンジ・テレビetcがほぼ同時期に壊れた。
温水ヒーターとガス給湯器は20年以上経過していたので、これは致し方ないだろう。冷蔵庫は三洋電機製だが、一度も故障せずしっかりと動いていた。しかし購入後32年が経過しているので、火災事故が起きても不思議ではないと思い買い換えを決意した。三洋電機冷蔵庫は我が家の歴史とともに32年間、しっかりと働いてくれた。無くてはならない存在だったので、とても感謝している。
電子レンジは購入後5年の経過であったが、オーブンで焼き芋を頻繁に作っていた事もあり、大往生と納得した。
電子レンジの後継機種はアイリスオーヤマの物を購入した。アイリスオーヤマは数年前から一番のお気に入りのメーカーだ。何よりも気に入っているのが、国内一流メーカーをリストラされた優秀なエンジニアを大量に採用している事である。私はアイリスのブランド力よりも再採用されたエンジニアの技術力を信頼して購入している。これからはそれがアイリスのブランド力になって行くのであろう。国内一流メーカーの業績不振が相次いで取り沙汰される中、アイリス製品の大躍進が続いているのは、国民にとって頼もしいかぎりだ。
我が家では家電製品の購入に際しては多少価格が高くても国産メーカーにこだわって来た。
その考え方を改めざるを得なかったのがテレビである。教室で加藤先生DVD再生用として重要な役割を果たして来たテレビの音声に不具合が生じた。早速、製造元である国内一流家電メーカーに修理の依頼をしたのだが、とても丁重に且つはっきりとした口調で断られた。
「部品の保有基準年数を超過していて、且つ供給終了部品であるため修理できません。」との事であった。
1990年代のバブル崩壊の大不況以降、家電業界に限らず国内のすべての企業はリストラを余儀無くされた。製造業においても生き残りのため、人員整理のみに止まらず、すべての体制の再構築が迫られた。すべての無駄を無くすと云う合理化である。顧客へのサービスの部分でもアフターサービスの面で顕著にその影響が出ている。ちょっとした故障でも「修理部品の保有基準年数」が過ぎていれば修理に応じる必要は無いと云う考え方だ。勢い消費者は修理を諦め、新製品を買わざるを得なくなる。もしくは、「経年による故障なので高額な修理金額を考えれば、新製品のご購入をおすすめいたします。」と云う所に話が落ちる。簡単に言えば「いつまで、こんな古い機種使ってるんですか?とっとと早く買い換えて下さい。」という事だろう。そこには自社の製品に対する愛情も、消費者の製品への愛着などへの配慮も感じられない。製造現場のエンジニア達は製品に愛情を注いでいる筈だが、経営管理者側は生き残りのために無機質な運営をせざるを得ない状況なのだろう。いくら一流大学を出たキャリアであっても、そんな経営をしていれば、どんどん顧客は離れ、かつての企業ブランドも地に堕ちるだろう。顧客が離れた企業は倒産する。信頼・信用がないからだ。
松下幸之助はその経営手腕と人間性を元に、多くの国民を「ロイヤルカスタマー(忠実な常連)」として来た。「National」には圧倒的なファン層が存在していた。そんな松下幸之助の名言を今の世の経営者の皆さんに贈りたい。
松下幸之助曰く
「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永久の客を作る」
昔は一つの町に一つくらいは、家電の修理の出来る電気屋さんがあったものだ。2021年2月7日に放送された『スゴ腕家電修理人』の登場人物は、キャリア50年、三重県に会社があり62歳で現役の家電修理をしている。NHKの『プロッフェッショナル』にも出演された有名人。全国から修理家電が次々と送られて来る。メーカー在庫のない修理部品は自分で作ってまで修理する。正に日本の宝だ。三重県の皆さんが実にうらやましい!
◉教室テレビのその後・・・たぶん中国メーカー・・・価格は国産品の半額以下・・・
それで我が教室のテレビですが、修理はあきらめて買い直しました。もちろん国内メーカーはサービスの点でどこも質が悪いので、価格とある程度の製品の品質の高さで選びました。もちろん家電業界のやり方が変わるまでは、不本意ながら壊れたら使い捨ての考えです。今後一切家電購入に際しては、国内メーカーにこだわらず一消費者として判断して行きます。今までは50インチの液晶テレビでしたが、今回導入したのは75インチの大型のものです。加藤修三先生が生き生きとよみがえっています。
隠居