新型コロナウイルスのパンデミックの中、全世界が未だ先行きの見えない闇に包まれている。世界では1650万人以上が感染し、死亡者数は65.4万人にのぼっている。日本での感染者数は2020年7月28日現在で32,893人となり、死者数も1,015人となった。勿論まだワクチンもなく治療薬も出来ていない。日本の新型コロナウイルスの感染状況は世界の感染状況と比較すれば、数値的には救われている様に思える。しかし、世界から当初日本の感染対策は、明らかに大きな失策であったと見なされていた。ところが今のところ、結果はそれに反して比較的軽微に推移しているように見える。京都大学ips細胞研究所の山中伸弥教授によれば、世界の中で日本人に感染者数や死亡者数が少ない背景には、解明されていない要因である『ファクターX』があるのではないかとの仮説を述べられている。ファクターXは幾つか存在すると推測されているが、その一つが『BCGワクチン』である。
この本の目次の一つにも「百年のベテランBCGが使命を帯びている!」という項目がある。
現実にBCG接種国と非接種国では、死者数において圧倒的な差が生じているのも事実である。
現状の日本国民の罹患状況が世界水準に比して低いとは言っても、尊い生命がこのウイルスによって日々奪われようとしている。中国での新型コロナウイルス発生当初、左程このウイルスは感染力は強くないという見方もあった。飛沫感染が感染の主たる原因と思われていたからだ。ところが時間の経過とともに空気感染(エアロゾル)の事実が確認されるようになった。非常に感染力の強い、厄介なウイルスであることが判明したのだ。
ご存知のように、このウイルスに対する予防対策はマスクの着用と三密(密閉・密集・密接)を避けること、出来ればフェースシールドの着用も望ましい。人との接触を極力減らし、不要不急の外出を避けることに尽きるだろう。特に高齢者が罹患すれば致死率が非常に高いことも大きな脅威である。
日本では国家としての新型コロナウイルス感染対策としては、問題が山積している。2020年3月にはこのウイルスに対する国民の危機意識が日本全体に浸透している。
にもかかわらず、当時は感染防止に必須のマスク・アルコール消毒薬・医療用ガウンなどの物資が絶対数不足し、検査体制に於いてもPCR検査数は世界水準を大きく下回っていた。残念ながら検査体制においては、現在も世界水準には及んでいない。ニューヨークが1日7万件のPCR検査を実施しているのに対して、東京都は増えてはいるが1日5,000件程度に留まっている。ニューヨークの検査姿勢は「誰でも、いつでも、何度でも」に対して、日本では今だに、38度以上の発熱症状があるにもかかわらず、保健所からPCR検査を断られるというケースが相次いでいる。
この国の政治家・役人は治世においてはそこそこ有能と思える所もありそうだが、このような非常時には無能な俗吏になり下がる。前例の無い事象には取り組まないし、何よりも失敗を恐れるのが役人の本性なのだ。
『治世の能臣にして、乱世の姦雄たり』と言われた、魏の曹操のような人物はこの日本に居る訳が無い。
『新型コロナウイルスはどこから来たのか? 』 内容説明
いま世界中を恐怖に落とし入れている、新型コロナウイルスはどこから来たのか? 発源地はどこなのか? 中国武漢市が世界から注視される中、中国ではどのような報道がされたのか。この大事態の中、いくつかの国がこれに絡むという謀略説が現れた。
一方、この疫病を治療、予防する希望の光も見えている。