らんぞうです。
少し前のこと、10月のとある休日。
深まり行く秋の風を感じながら荒川沿いの道路をクルマで走っておりましたところ、広い河原の一面にドワーっと広がる黄色い花。
春の菜の花畑のよう、まるでまっ黄色な広大な絨毯のように広がっておりましたよ。
らんぞう、元来あまり花々を賞でるような、ミヤビな感性は持ち合わせてはおらぬものの、この圧倒的に真っ黄っ黄色に広がる様相に、珍しくココロ引かれたことでありますよ。
「セイタカアワダチソウ」(背高泡立草)
・・という花だそうです。花の好きな方は当然知っておられるでしょうが、あいにく無知無明な私、初めて耳にした名前です。
さてこの「セイタカアワダチソウ」、派出にどわーっと咲く割には、何故か今まであまり馴染みがなかったなぁ・・と、調べてみましたところ、ほぉーっ・・やはり外国からの帰化植物でしたわ。
(またウイキペディア)
※明治時代末期に園芸目的で持ち込まれ「昭和の初めには既に帰化が知られている」
(中略)昭和40年代以降には全国、北海道では比較的少ないが関東以西から九州
にて特に大繁殖するようになった。
なるほどー。幼少時のイメージでは秋の河原や野原を埋め尽くしているのは「ススキ」と決まっておりましたが。
どうやらこの「セイタカ」さん日本在来種のススキさんと激しく勢力争いをしておるらしいのですな。
知らなかった・・。
それで幼少時の記憶に、この黄色い花の記憶がなかったのですなぁ。
さてと、読み進めておりますと・・ へーっ 驚きましたよ。
このセイタカさんにはアレロパシー?なるものがあるのですと!
※「アレロパシー」(英語: Allelopathy)
=ある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出したり、あるい
は動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする効果の総称。
邦訳では「他感作用」という。
セイタカアワダチソウから発見された「cis-DME」が、セイタカアワダチソウが生えて
いる土壌に存在し、しかもすぐに土壌微生物に分解されることなく地中に留まり続け
濃度が10ppmを超えるとイネ・ブタクサ・ススキの生育を地上部・地下部共に顕著に
抑制する。(またウイキペディア)
つまりは他の競合する植物の発育のジャマをしてでも、自分達だけ繁殖するんだからねっ!という、何とも自己中的、或いは昨今のアメリカ・中国のバトルっぽい危うさを感じましたよ。
つまり・・あたかも中国戦国時代末期の秦軍がガンガン諸国を滅ぼして版図を広げたように、新興外来勢力「セイタカ」が昔からの日本の秋の風物詩的純国産「ススキ」さんたちをどんどん制圧してしまっている!のですな。
もの言わぬ植物界でも実はこんな激しい勢力争いが繰り広げられておりますとは。
植物にココロがあるかは分かりませんが、種族保存・他社排除の「瞋(しん)」(※心の三毒)に似た意識・意念のようなもがあるのですなぁ。
植物もやはり「生きとし生けるもの」・・種としての渇愛(パーリ語: Taṇhā:根本煩悩)ってあるんでしょうか・・。
さて、このセイタカさん、なんとご自分で出すその「他のヤツラみんなあっち行け物質=cis-DME」、出しすぎて自分自身も発芽障害を起こして自滅していくんだとか。
うーむ、なんだかとてもアホな感じ!すごい煩悩っぱい!無常感ハンパねえっす。(笑)
やりすぎはダメですよ、セイタカさん。
のみすぎもダメですね、らんぞうさん。・・・ハイ。
(らんぞう)