103.「ムシあつ~い奴ら(番外編)」

らんぞうです。

調子にのって(汗)..ムシ・シリーズの二回目。

らんぞう、昔に本気でカブト・クワガタのブリーダーを目指しておりましたというお話のつづき。

当時、血迷った私らんぞう、勇躍会社を辞する覚悟で「○○クワガタ本舗」と称するネット通販を立ち上げ、ついには商売開始。

ゆくゆくはクワガタ御殿を建てて、「“クワガタ王”に!俺はなる!!!!」(ワンピース風に)と哀川翔のアニキに負けじと豪語しておりました!(アホですな・・)

・・あやうく「典型的夢追人風現実逃避型破滅人生」を迎えるところ、間一髪!体を張って(喘息で)強制終了してくれた息子に今は感謝でありますよ。

かく言うものの愛すべきカブ・クワたちとの思い出は忘れません・・。

皆様、カブトだろうがクワガタだろうがムシなんか何でも一緒だろう・・等と思ふこと勿れ!それぞれに個性があって、種や個体によっても性格や気性も異なるし、それは見ていて飽きない楽しいヤツらであります。

前回のヘラクレスくん以外の素敵なカブ・クワ達とのアマ~い日々を少しだけ書き記すことにいたしますよ。

1.オオクワガタ(国産)(学名:Dorcus hopei binodulosus)

やはり一番に来るのはオオクワくんでありますな。

めったにWILD(野生種)にはお目にかかれませんが、日本の在来種 “ミヤマ”や“ノコギリ”などの寿命はほぼ1年なのに比べて、オオクワくんは3~5年と長命なのも魅力です。

オオクワのメス♀は小っちゃいわりに気位がとても高いのが良いですね。

一丁前にオスを選びます。(ムシなのに・・)

タイプでないオスに言い寄られたりしますと、激しく拒絶!オスの符節(アシ)を噛み切ったりするキツーイ性格。

立派なアゴ(ハサミ)を持つオス♂もこの時ばかりは体を張ってメスを口説きます。

じわじわメスに近づきますと、遠くからそっと後ろ足でメスの背中に触れてきます。

しばらくメスの背中を後ろ足でなでなで、サワサワ(ムシの話ですよ)。

そしてこれは脈アリ?!よっしゃ!と距離を縮めていきます。

後ろ足でそっと触れるのは、メスが嫌って噛み付きそうなときにはダッシュで逃げるため?・・・オオクワくんも大変ですなぁ。

ブリードを始めたばかりの頃、初めて仕込んだクヌギの朽木の中から真っ白なピンポン玉のような卵がポロポロといくつも転がり出てきた時は、それはそれは感動いたしましたよ。

後に育てた「グランディス・オオクワ」や「アンタエウス・オオクワ」などの外来オオクワワもその大きさやフォルムはとても魅力ではありましたが、大きさでは劣るとはいえ国産オオクワの気品と風格にあふれる和のたたずまい(?)には、他のカブクワとは一線を画すものがありますな。

2.アルキデス・ヒラタクワガタ(インドネシア・スマトラ)(学名: Dorcus alcides)

ヒラタ系は一般的に気性が荒いのですが、この種は特に激しいというか、まさに「暴君」。

ゴリゴリのバイオレンス系武闘派であります。

重戦車のようなゴツい漆黒ボディに、これまたぶっとい大アゴ。

特に短歯(短いハサミ)個体の挟む力は「クワガタ界最強!」といわれています。

間違って挟まれたら下手をすると骨ごと指を噛み切られる位のデンジャラス野郎であります。

他のカブクワと一緒にケースに入れたりしますと、ほとんどがアルキにやられて全滅!

力で勝るカブトムシも自慢のツノをスパッとやられて、さながら阿鼻叫喚地獄絵図・・。

キケンすぎて売買される時はアゴ(ハサミ)を輪ゴムでグルグル巻きにされたり、ほとんどテロリスト扱い?

さらに言いますと、オオクワ男子♂が臆病、よく言えばフェミニストなのに対して、コイツは私生活(?)も誠にエゴイストかつ貪欲この上なし・・。

タワけたことに自分の体長の半分以下のメスを何頭も近くに侍らせてハーレムを形成。

その上メスが気に入らないと例の凶器(アゴ)で真っ二つ!という、殷の紂王もしくはローマの皇帝ネロさながらのサイテーDVムシ野郎ですな。

まさに煩悩を絵に描いたようなコヤツ、けれど見ていて飽きないムシではありましたよ。

3.ヒメカブト (タイ)(学名: Xylotrupes gideon. Linneaus)

名前の通り、やや小さい日本のカブトムシによく似た可愛らしいカブトです。

体は小さいけれど、実はこのコも好戦的で猪突猛進、ケンカ大好きムシでした。

タイではこのカブトでムシ相撲を開催、お金をかけているそうですな。

まあ例のアルキデスのように強烈殺ムシ凶器は持っていないので危険はありませんが、このコら幼虫のときには結構悩まされましたよ。

だいたいカブクワ幼虫は土に潜ってじいーっ・・としているものですが、ヒメくんたちは幼虫のときから“やんちゃ”で気が短いとみえて、ケースの寝床が気に入らないらしく、自分達でフタをグリグリとこじ開けて、ケースの外にでてしまいます。

たまに成虫が逃げ出しては大騒ぎをしますけれど、幼虫期のモスラみたいなのが20頭、モコモコと部屋を歩いて(這って)いるのはスゴい光景でありましたよ。

4.エレファス ゾウカブト(メキシコ)(学名: Megasoma elephas elephas)

ヘラクレスが体長では最大なのに比べて、その名の通り象をイメージさせる世界最大の体重を持つカブトムシ。

全身金色の産毛に包まれた巨体のお相撲さんのような容姿は、ギリ、いや完全にアウトですな。

幼虫もハンパなくデカくなります。

ヘラクレスがローソン塩ムスビだとすると、エレファスはヤマザキデイリーの爆弾ムスビ。一コだけでお腹一杯になりそうです。(たべませんよ)

なお残念ながら大きくなった幼虫画像は破壊力が強烈なためお見せできません。

そのエレファス幼虫くん、食欲も相撲部の中学生ばり。ご飯のおかわりが止まらない!

チャンコ代で(高級腐葉マットね)親方のお財布はスッカラカンでありましたよ・・。

その他にも体より長いアゴを持つ「ギラファ・ノコ」、金色の体の「オオゴンオニ・クワ」、緑や紫やら固体によって色が変わる「ニジイロ・クワガタ」などなど、可愛いカブ・クワ達に囲まれて、思えばしあわせでイタい日々でありましたなぁ。しみじみ・・。

さて・・もう夏もおしまい。

ムシのお話もこれで終わりといたしますよ。

あとは哀川アニキにおまかせしますぜ!

次回、らんぞうの「ヤバい!カミングアウトが止まらない!(仮題)」

(らんぞう)