夏になると、毎日のように熱中症で病院に搬送される人たちが多発します。そして、1日に何人もの人達が亡くなられています。残念ながら、高齢者に犠牲者が多いのが実情です。
体温の上昇と身体の調整機能のバランスが崩れて、体内に熱がどんどん溜まって行く状況を熱中症と言います。
熱中症対策で良く言われる事は、
1.こまめな水分補給(喉が渇いても、渇いて無くても)。適度な塩分補給。
2.部屋の温度をこまめにチェック。
3.室温28°を超えないように、エアコンや扇風機を利用。
4.外出の際は、体を締め付けない涼しい服装で、日よけ対策も忘れずに。
5.無理をせず、適度な休憩を。
6.日頃から栄養バランスの良い食事と、体力作りを!
できるだけ、気温の上昇している時間帯は涼しいところで過ごしましょう。
6番目の食事と体力作りは普段から出来る重要な対策になります。しっかりした食事から摂取する水分量は1日1リットルにもなります。体力作りに至っては、太極拳が重要な役割を果たします。
先日放送されたNHKの番組では、筋肉こそが水分を体内に貯めるタンクで、筋肉を鍛える事はそのまま熱中症対策になるとの事でした。下半身の筋肉は身体全体の60パーセントを占めており、腿の筋肉だけでも40パーセントを占めています。太極拳は足腰を使い、鍛える運動です。しっかりと筋肉に負荷のかかる、太極拳本来の動きを心掛けましょう。楊式太極拳第3代伝人の楊澄甫老師も言っています。活き活きのびのびとした太極拳で心身にとって益する事、これは太極拳の大切な役割であると。
普段の太極拳練習では、しっかりと安定した弓歩や虚歩をとって下半身に適度な負荷をかけ筋力を高めましょう。筋肉に負荷のかからない歩型・歩法は健康運動にはなりません。正しい内容の太極拳練習をしていれば、スクワット運動などをやらなくても下半身の筋力は着実に鍛えられます。縦幅の小さな弓歩は筋肉にかかる負荷がとても小さく、運動量の少ない弓歩です。ご自分の取っている歩型・歩法がご自分の肉体に負荷をかけているか、いないかを感じ取りながら動きましょう。もし、不足していると思ったら少しづつでも負荷を高める試みをして見てください。ご自分の体力と脚力に見合った運動負荷が大切なのです。
筋力アップをして、この夏を元気に乗り切りましょう。