今日は、武術についての簡単なお話しを致しましょう。
堅苦しい話しでは無く、日頃の練習の中で注意をしている事等を中心に考えて見ました。
永い年月を経て完成された太極拳の理論は、私たちには計り知れない奥の深さがあります。
しかし、型や動作の要求は知る事も行う事も絶対に必要な事だと思います。
私も練習を始めたばかりの頃、中国の老師に肩の力を抜くように、中正を保つように等々、沢山の注意を受けました。
その様な状態の中でつまらない質問をすると、最後に帰って来る答えは『自然が一番』という言葉でした。
『自然が一番』、簡単な様でこれは中々難しいものだと思います。肩の力を抜く事、余分な力を使わない事、中正を保つ事等、総てが『自然が一番』なのです。
私は毎年初めに一年を通してのテーマを決めて、生徒さんにも話し、指導をする事にしています。
今年のテーマは『軸足の完成度を上げて、下半身を安定させる』としました。
体軸を正確に移動させる股関節の使い方、体軸を正確に支える足裏のバランス等、何処にも不自然な使い方は無いのです。
唯、実際に練習をしている時に自分の身体の状態変化を感じ取る、聴き取る感性が不足している人が多いのが実際です。
自然な型、自然な動きは、易しいようでもしっかりした意識を持って練習しなければ、中々修得する事は出来ないと思います。
四文字熟語や要項は頭で理解しているだけでは、何の意味もありません。
今回は『自然が一番』と云うお話しでした。