『門を叩いて、大正解!』

K.S

「芸は教わるのではなく、見て身体で覚えるもの」と云われますが、それは内弟子にでもなって、師匠と起居を共にして、その立ち居振る舞いから、成る程と納得してこそのこと。太極拳とて同じ。そんな環境でもなく、ましてや教室の時間も限られている中で、教室の先生の美しい動きはどこからなのだろう、何なのだろうと思うことしきりでした。

そんな折、レベルアップ講習会のお知らせを目にし、猫に小判とは思いながらも、恐る恐る参加しました。案ずるよりは産むが易し。初回から次回が楽しみな帰路となりました。

蘊奥を極められた加藤先生のご指導は、誠に理に適ったことばかりで、毎回、目から鱗の連続。身体は動くべくして動き、勁力が充満。然もと言うより、だからこそ美しい、と疑問が氷解していきます。

「足を寄せるのではなく、足が寄ってくる。これが分からなければ、まだ初級だよ。」 中級への全ての鍵は、正しい基本の徹底とて、体中の細胞に「目覚めて!」と号令をかけています。

「ゆっくりした動きの中で自然に現れる軽やかさ」。 私のそもそもの疑問の始まりは将にこれだったのです。 今、目指す道筋が定まり、本当に嬉しく思っています。願わくは、その道のりの短かからん事をと、A, B, B+ のおまじないを四六時中かけています。 転倒予防にと遅まきながら始めた太極拳ですが、思い切って門を叩いて大正解でした。

私には勿体ないようなクラスですが、皆さん親切で、とても居心地良く通わせていただいています。