『厳しく、丁寧な指導』

中嶌智津子

カルチャー教室で長拳の先生から太極拳を十年習い、初段まで取得しましたが、何も基礎が出来ていないまま変な太極拳を見かねた友人が、加藤先生を紹介してくれました。

先生の教室に入って三ヶ月くらいは、眼光鋭い目で何も言わず見ているだけ。

だけど教本に載っている歩法、歩型などの専門用語が練習時、ポンポン出て来ます。私自身は動かなくて下手な太極拳ですが、活字が頭に浮かび説明が楽しくおもしろくて、時間が経つのを忘れました。やがて四ヶ月目くらいから『二十四式をちゃんと覚えないうちに剣に手を出すから、そんな変な太極拳になるんだよ。二十四式の次は四十八式だろ。』と、丁寧に踏実を教えてくださいました。あれから5年、先日のレベルアップ教室で『Aは解るのですが、Bが解りません。B+は足首ロックが出来ず、どうしても膝が揺れてしまいます。』と質問したら、『やって見ろ。』と、『何だ、Aも出来てないじゃないか。肩を振るな、腰を回すな。』檄が飛びます。結局まだまだ私には、先生の教えのひとかけらもマスターすることは出来ていないのですが、毎週山梨のド田舎から、上野の先生の教室に通っています。六十五歳、老体にムチ打って、先生が先生を続けておられる限り、私も先生の太極拳を習いに頑張ろうと思っています。