第二十四回「右下勢独立から右穿梭」

「動作規格」

①右下勢独立の定式、左掌を前方に張り腰をゆるめて、左脚踵を身体前面、西方向に着地させる。

②立掌の左掌をやや内旋させながら内側に倒し、同時に重心を左脚に移しながら足先を開き、西南60°に向けて足裏全面を着地させる。

③左掌は掌心下向きで張り続け、右脚からの重心移動を起こし、両足の中間点に達した時に下半身に半坐盤歩の歩法が表れ、抱球動作の手法の完了と同じに右脚が収まり、抱球収脚の状態になる。

④眼線を西北30°方向に向けるのと同時に抱球手型の左掌を掌底に意識をおいてやや左側に弧線を画きながら腹部正中線左側に押さえ、右掌は左掌に随い右斜め前方胸前に挙げる。この手法の変化で起きる腰のゆるみで左脚に『B+』の変化が起きて、右脚を西北30°方向に上歩。

⑤胸前の右掌を橈骨側を使って内旋させ、額斜め上方へ押し上げ、続けて腹部前の左掌を掌根に勁を集めて上歩した西北30°方向に推し出す。重心の移動を伴い右弓歩となる。

「動作の要領と注意点」

① ①の動作で上歩する左脚は必ず西方向に着地させる事です。多くの人が斜め西南方向に着地させますが、ここの歩法では襠部(急所)を守る半坐盤歩を取るのは武術的な要求からです。動作がやり易いと云って間違った歩法を取らない様に気を付けましょう。

② ②③の動作では、重心の移動に伴い足先を開き、中間点に達した体軸が回転運動を起こし半坐盤の歩法が表れる事。繰り返しの練習が必要です。

③ ④の動作で右掌の架掌手法は胸の高さに収めましょう。肩やそれより高くしない事です。架掌と推掌の勁の協調が失われます。穿梭動作の中で一番注意したいのは、右脚の上歩時の横巾です。ここでは拗弓歩、横巾を広く取った弓歩型が絶対に必要です。上歩する時の眼法に合わせた、左軸脚のB+の動作を正確に行って、横巾の広い弓歩型で正しく勁を発揮する事です。