第二十二回の②「左蹬脚から左下勢独立」続き

「動作要領と注意点」

①下勢独立動作には、名称通りの仆歩型で行なう下勢と独立歩で行なう挑掌の二つのパートが有ります。

仆歩下勢で注意する事は、仆歩型の軸脚の膝が、つま先より内側につぶれてしまう事です。下勢の動作の穿掌を行なう時に上半身を使って身体を廻す事が原因です。軸脚の胯関節を開くB+の動作で仆歩型を完成させましょう。

②下勢独立の動作で鉤手を作り、左掌を合わせ開歩をする時、眼線は鉤頂方向に合わせる事。開歩した左脚は、つま先着地で踵は着けない事が大切です。

③左掌を腹部前に押さえ降ろす時、左脚踵を着地させます。眼線はまだ鉤頂方向にあります。左掌を降ろす動作と一緒に眼線を

動かしてはいけません。

④下勢の動作の左掌は腹部前で手首を使って指先を身体の正面に起こします。(90°位)

⑤下勢の手法は身体の中心から、左脚の甲の部分に行なう身法は、右軸脚の胯関節B+の運動で行なう事です。

⑥下勢の手法で特に注意したいのは、穿掌の動作に入る時に左掌を肘を支点に開いてしまう事です。この様な動作では、下勢(穿掌)の動作が全く表現出来ません。

特に“注意してください。”

⑦腹部前に押える動作から、下勢手法は穿掌です。出来るだけ身体に沿わせて行なう事です。身体前方に離れると、上体が身体前面方向に倒れてしまいます。

⑧左脚の甲に向けて差し込んだ左掌は、重心の移動に伴って穿掌から挿掌になり、やや上方に向かう。

左掌の上方への変化に合わせて右鉤手は下がり始め、左掌が立掌になるのに合わせて、内旋させて指先を上方に、反鉤手に変化させます。

⑨ ⑧の手法の変化は、仆歩型から弓歩型への変化に合わせて起きます。左脚への重心移動に伴い、左足先は進行方向に開き、重心が両脚中間点を過ぎるのに合わせ、右足先は扣脚し、弓歩に変化させます。

⑩独立歩に変化する前の弓歩型は、左掌は立掌にして手首肩の高さ。掌心は右に。

右反鉤手は、腰の横に置く。(腰の後に隠してはいけません。)

⑪独立歩への移行は、左掌を身体の中に向け掌心下向き。左脚Aの運動、右手は鉤手を解きながら、右肩下に移行する時に掌に変え、掌心内向きにします。引き続き右掌は、上方に挑ね上げます。(挑掌)

同時に右膝は、挑掌に合わせて提膝、独立歩になります。

提膝と挑掌は、同じに行なう事。提膝動作が遅れない様に注意しましょう。

⑫足先の変化は、左脚擺脚、右脚の扣脚、更に左脚独立歩の安定を図る為の擺脚と連続して行ないましょう。

独立歩に移行するのに、左脚を開くのと体重移動を合わせて反動を付けて立ち上がってはいけません。

⑬定式時の胸向きは、西南向きの左半身になります。最近は始めの開歩で弓歩型になりますが、次に仆歩に変化する事なく弓歩型の腰の位置が変わらず、独立歩に移行してしまう人が多くなりました。それぞれの体力の差が有るので、腰の位置、高さは各自で決める事ですが、弓歩型から仆歩型に変化する過程が表れない動作は良くありません。蹬脚の独立歩、バランス動作、仆歩型で高から低へ、更に高への変化と運動性能を高める套路構成です。

少し無理しましょう。