〈質問〉
起勢の動作の意味は何ですか?
この動作自体に攻防の意味は有るのでしょうか?
〈答え〉
起勢の動作の意味は何ですか?
この動作自体に攻防の意味は有るのですか?
との質問です。
どんな套路でも始まりは、起勢の動作が有りますね。私が太極拳の練習を始めた頃に教えてもらったのは、起勢の前方に張り出す動作、下方に押さえる手法の速度が、これから始める套路の速度を決め、押さえる動作で座った腰の高さが、それ以後の動作の腰の高さでもあると教えられました。これは動きと型を作るものです。まずこれは、起勢の動作の一つの理解で必要な事です。準備の姿勢、並歩で立った時に心静体鬆の要求が有ります。その他に起勢の動作で考えなくてはならないものは、起の動作で息を吸い、落の動作で息を吐く事です。これは調息法であり、落の動作で沈肩、含胸で気を丹田に落として内面を整えます。
起勢の動作で心懸ける事柄は、この位で十分だと思います。起の動作は、前方に張り出します。落の動作は下方に押さえる動作をします。いずれも『沈肩墜肘』『含胸抜背』『鬆腰鬆跨』の内容があり勁が働きます。これらの勁を十分に発揮して攻防に使うとすれば、開立歩の歩型では十分に勁を出せません。前に張り出すなら一歩踏み込みたいですし、下方に押さえるなら一歩退げて押さえたいですね。これでは起勢の動作にはなりません。
太極拳の動作は武術であり攻防が含まれるものですが、簡化24式太極拳のように健康体操の要素が含まれる套路動作では、あまり攻防を考え過ぎない方が良いのではないでしょうか。
手法・身法・歩法等が十分に出来るようになるまでは、あまり攻防に意識を持ち過ぎない事が上達の上では良いと私は考えます。