内三合と外三合

<質問>

以前、中国の公園で見た太極拳と日本の太極拳と少し違うように見えたのですが・・・

<答え>

確かに中国の朝靄の公園で、黙々と動く中国人の太極拳の動きには、見る人誰もが心動かされるものがあります。同じ簡化二十四式太極拳であっても日本人の太極拳とは少し違う。

コレは誰もが感じることです。

中国で生まれて永々と四百年と続いている太極拳は中国の伝統文化として中国の人の中に深く深く染み込んでいるものです。日本の太極拳は広く普及し始めて三十年くらいのものです。歴史が違うと言ってしまえばそれまでですが、私が感じていることをお話しましょう。

一番の違いは、内三合を考えて動作する中国人と、外三合を大事に考えて動作する日本人の太極拳、ここに違いを感じる原因の一つがあると思います。意念を大事に気の流れを考え“勁力を表現しようとする太極拳”と、正確に型を表現しようとする外型を重視して行う太極拳に差異が起きるのは当然だと思います。

中国の公園の人の太極拳は我々日本人的な太極拳から判断してみると、動作の規格などは決して、上手といえないかもしれません。中国の人が(日本人の)太極拳を見ると決まって型は正確で綺麗な太極拳と言われます。しかし、中国の人は太極拳の善し悪しを動作に気があるか無いかという表現をします。

このあたりに中国人と日本人の太極拳に対する思考の違いがあるのではないでしょうか。

意、気、力の内三合を考える太極拳、それに外三合が合わさる内外相合の言葉に表現されるような太極拳を心がけたいものです。