〈質問〉
家庭の事情でなかなか毎週練習に参加出来ないのですが、熱意だけはあります!
自宅で出来る練習法は有りますか?
加藤先生、教えてください!
〈答え〉
今回の質問は、教室に行けない時の自宅で出来る練習方法が有りますか?との質問です。
太極拳に取り組んでの経験にもよりますが、自分で動作を十分に出来る人は幾つかの動作を繰り返したり、単式動作を連続させる練習方法が有ります。動作がある程度出来る人は自主的な練習も効果的ですが、注意深く練習をしないと、とかく独善的になり、悪い癖を付けてしまう事があります。
一人の練習で有効な方法は、自分自身で間違いの無い練習が出来れば云う事はありません。私がお薦めの方法が有ります。背当てのある椅子に、深めに腰掛け、背当てに軽く背中を当ててください。太極拳の動作の全体像をイメージして手を動かして見ましょう。手法の内容が正しければ、背当てに触れている部分に圧力が掛かります。イメージした手法が続いている限り、背当てに当たる圧力が掛かり続けます。圧力が消える時は、その手法に問題が有ると云う事です。背当てに圧力の掛からない手法は、ほとんどが肘から先で動かしている事に気が付くと思います。分け開く手法でも、推したり引いたりする手法でも、どんな手法も肩の部分の根節から中節、そして小節に伝わるものだと云う事に気が付かれると思います。
背当てに圧力の掛かっている時は、腰に緩みが伝わっている証拠です。合わせて胸(含胸)や背(抜背)に動きが有る事が理解出来る筈です。この練習の方法で、手法の内容を理解できれば教室での練習に大変役立つものになると思います。
三型五法の五法のうち、手法・身法・歩法は特に密接な関わりの有る部分です。自宅練習の最も効果の高い練習方法だと思います。
やらない方が良いと思う練習は、歩法の練習です。適切な指導を受けながらで無くては、歩法練習はしない方が良いでしょう。椅子に腰を掛けた練習で物足りないと思う人は、開立歩で起勢を繰り返し練習したり、壁に背中と臀部を当ててかかとを壁から10㎝くらい離して、起勢の按の動作で肩を沈め胸を緩めて、大腿部が少し痛みを感じるくらい我慢し、少し休んで再び繰り返す練習などが自宅練習では適当ではないかと思います。
大切な事は、まじめにやり過ぎて間違えない事。上手だなぁと思う人が居たら、その人の動作を頭の中に思い浮かべるイメージトレーニングも楽しい事かも知れません。
気楽に楽しく、無理をせず、気長に太極拳を楽しみましょう。