第十回3月17日(月) 【雲手・蹬脚・分脚の単式練習・右蹬脚~双峰貫耳~左蹬脚・ほか】

⚪︎雲手

・足を寄せた時、左右の足の間は足一足分くらいか、もう少しあいているように。

→重心移動や股関節の動きが正しくなかったり、足を寄せた時に体の向きが正面をむいてしまうと、左右の足がより過ぎてしまう。

(雲手に歩型はないが、足を寄せた時の足の形は開立歩であり、並歩のように左右の足がくっつかない)

・足を出した時、寄せた時、左右の足の位置はほぼ水平になるように。

左右のつま先の位置が大きくずれている場合は、胯の引き込みが足りなかったり、体が正面に向いてしまっていないか注意して動いてみる。

・両足の踵が着く(全面着地する)のは、重心が中間地点の時の一瞬だけ。

⚪︎蹬脚・分脚の単式練習

・高探馬定式→まず右肩から開き始めて右手が開いていく→左肩から左手も開いていく(開の動作)→左膝が前に張り出される変化がある→右手を差し込むこと(合の動作)で腰がゆるんで左足が軽く寄ってくる→左足上歩(套路では西南60度方向)→左弓歩になりながら、蹬脚する方向(套路では西北30度)に右手を開いていく。目線も右手と同じ方向を見る。左手は左股関節の前→右手で相手を引き込んでくる→右手が下がるから左手が上がってくる(縦の円)。目線は左を見ることで、左足にAの引き込みが起こる→目線正面で左足B+が起きて軸ができる→右手と右膝が一緒に上がってきて、胸前で両手が合わさる(手首が交差する)→蹴る方向を見て右蹬脚(又は分脚)→右足収めたら腰を落として右足上歩→右手引き込む→左手差し込む→右弓歩になりながら左手開いていく。右手は右股関節の前。

→縦の円の動きから先は、手と足は逆になるが、右蹬脚の時と同じ要領で動く。

蹬脚を左右やったら、分脚を左右やる→蹬脚→分脚と、交互に行う。

*縦の円→胸の前で両手が合わさる。

胸より上や下で両手を合わせて、胸の位置に持ってこないように。

*独立の動作で、膝が上がって独立になる時は吸気(息を吸っている)。

膝が上がりきったら「フッ」と息を吐くことで腰がゆるむ。又、息を吐くことで上がった気が丹田に落ちるので独立が安定する。

蹴る時は息を止めて蹴る→足を収める時に息を吸う。

⚪︎右蹬脚~双峰貫耳~左蹬脚

・右蹬脚定式→右足収めたら、左足のB+で体を少し右に開きながら左手を合わせてくる→両手は右膝の横を通って股関節の位置に。右足は上歩(西北30度方向)→双峰貫耳→両拳を親指からゆるめることで胸・肩がゆるみ、腰がゆるむ(手先から両手を開かないように。むしろ両拳の間隔が少し狭くなる)。重心は少し後ろに移り、右足つま先を西北60度の方向に開く。(ここでは后坐のように深く座らなくてよい。足を開くために重心が少し後ろにいく)→重心を右足に移しながら両手を開く。目線は左手の方向を見る(西南30度方向)。→左手を引き込んでくる→右足にAの引き込みが起こる。目線は右を見る→目線を正面に向けながら両手を腹前でクロスさせることでB+が起きて軸ができる→両手と左膝が一緒に上がっていく→左蹬脚

⚪︎掩手撩拳の練習

・腹前(正中線の前)で、左掌の上に右拳を合わせて構える。体を少し右に回して溜めを作る→右肩を開く→右肘が張り出される→肘から下全体を使って打つ(勁力は拳背にあるが、手首から先だけで打たないように)

・右拳を打つと同時に、左手の肘を引く意識が大事。

・定式で右拳は下腹の高さくらい。

・打つ前まで両手は正中線の前にある。(体が回った時などに手の位置がずれないように)

⚪︎単鞭の手法

・鉤手を作って足が寄った時、添えた手は指の付け根が正中線の前で、指先は鉤手の手首の方向を向いている→添えた手を内側から膨らむように張り続けることで、腰がゆるんで軸足にB+が起こり、体の向きが開いていく→寄った足を上歩した時は、まだ添えた手は正中線の前にある→重心が前足に移り始めたら手を返しながら開いていく→定式

・(定式前の)手を返しながら開いていくタイミングが早くなりやすいので注意する。

・足を出す位置と着く場所(つま先か踵か)は違うが、雲手と同じ手法。

雲手も、足を出して、重心が(出した足に)移ってから、上の手が正中線からはずれて手が返る。

⚪︎独立撑掌~右単鞭

・独立撑掌定式→右手をその場でもう一つ上に張ることで腰がゆるむ→右手を引き込む→左手を差し込む(軸足より少し左方向に)→伸ばした左手の対角線上に右足を退げる

・足の方だけで退げる位置を作ると、内側に入り過ぎやすいので、その後の弓歩の横幅がなくなってしまう。

足を退げる時は、前にある手の対角線上に退げる。(剣の時も同じ)

⚪︎高探馬の定式で、左手の指先は正中線より少し左。(胸の向きが正面を向いているから)

⚪︎右雲手~左右分鬃

・雲手が終わった時、左足踵は浮いている→手を入れ換えて、左手が上の抱球を作りながら、左足踵を蹴り出す→野馬分鬃

○左琵琶勢~捋擠勢

左琵琶勢の定式→左手引き込んでくる時に右足はA→右手差し込むことでB+が起き、左足を左横に置き換える

○斜身靠の定式時の左手(拳)は、掌にした場合の座腕と同じかたち。

○摟膝栽捶の定式時、左拳は正中線近くで、自分の股関節の高さ位。

○転身推掌

●倒巻肱の定式→左足退歩した足

●転身推掌定式時の活歩した後ろ足

→どちらも、後ろ足のつま先は、前足の踵より横に10cm、後ろに10cm位の位置にくるのがよい。

(横は10cmより広くならない方がよい。後ろは10~15cm位でもよい)

*活歩は後ろ足で位置を決めるのではなく、正しい位置にくるようにきちんとした歩法(前足のAの引き込み)で動くことが大事。

○平雲手は、捋→翻掌で手を返すことで相手の腕の逆をとって、身動きがとれなくなった状態の相手を振り回す手法。