日時: 2018年5月16日 (水) 13:05-14:35
場所: 広島修道大学8302教室
要旨: 日本では多く見積もっても10人ほどしか研究者がいない“錆びついた”研究領域ですので,まずはこの領域の目標や基本的な知見,日本語の特性などについて簡単に説明します。その後,現在進行中の(つまり,論文化できていない)3種類の研究(単語長効果=word length effect,文字位置交換プライミング効果=transposed-letter priming effect,語構成形態素プライミング効果=constituent-morpheme priming effect)について紹介し,それぞれの実験結果に対する解釈を述べたいと思います。
日時: 2018年7月18日 (水) 13:05-14:35
場所: 広島修道大学8302教室
要旨: 社会心理学において最も重要なのは、個人レベルの行動がいかなる社会状態を生みだし、また社会状態が個人の行動にいかなる影響を与えるのかという循環過程の分析である。われわれ人間は社会から影響を受けるが、その社会はわれわれ自身が作り出したものであるという視点に基づいたマイクロ=マクロ・ダイナミックスの観点から多くの研究が蓄積されている。このような視点を持つことによって何が見えてくるのか、簡単な解説を行なったあとで、こうした視点にもとづいて発表者がこれまで行ってきた研究について紹介する。
日時: 2018年10月25日 (木) 14:50-16:20
場所: 広島修道大学 2201 教室
要旨: 発表者は、これまで「なぜ人は戦争をするのか」という問いへの回答を得るべく、進化心理学の観点から研究を続けてきた。その際、他の集団(外集団)からの脅威(外集団脅威)を知覚することで発動する心の仕組み(心理メカニズム)の存在を実験室実験にて検討してきた。これまで明らかになっていることは、外集団脅威には、男性の方が女性よりも敏感に反応するということである。発表では一連の実験研究の成果と今後の理論化の方向性について紹介する。
日時: 2018年12月13日 (木) 14:50-16:20
場所: 広島修道大学2201教室
要旨: 動物家族画を用いて大学生の自己像・父親像・母親像を調査した研究の一部を発表します。
日時: 2019年2月28日 (木) 13:05-14:35
場所: 広島修道大学8304教室
要旨: 本研究では,言語の身体性,つまり感情を表現するための単語の音声はその感情が生起した時の表情によって規定されるという観点から,ポジティブ感情とネガティブ感情を表現するための無意味綴りを大学生に創作してもらい,そこに含まれる母音の頻度を検討した。ポジティブ感情を表現する語(P語)には笑顔に近い筋活動によって発せられる/i/母音が,ネガティブ感情を表現する語(N語)にはいわゆる「口をとがらせた」状態で発せられる/ɯ/母音が多く含まれるであろうと予測した。その結果,仮説通りの有意な結果が得られた。さらにここで生成された無意味綴りを第3者に評定してもらったところ,P語はN語に比較してよりポジティブに評価された。第2実験では,P語とN語のそれぞれ30語を実験参加者に音読してもらい(1試行約90秒×3試行),その前後で気分評定を行った。その結果,N語の発音は気分の低下をもたらした。発表では身体化された感情・言語 (Embodied Emotion or Embodied Language) や音象徴 (Sound Symbolism) といったキーワードをもとに上記結果を解釈していきたい。発表者はこの研究をどのように発展させるかについて行き詰まっており,多くのご意見・ご示唆を頂戴することを願っている。