会長

会長 石垣 忠昭

元 天草エアライン 機長

元 日本エアシステム(JAS) 主席機長

最新著書:オジンカモメ天草を飛ぶ‐ありがとうイルカ飛行機(熊本日日新聞情報文化センター刊)定価(本体952円+税)

著書:飛行機カモメ(文芸社)定価(本体1,000円+税)

著書:オジン機長のヒコーキ日記(近代文芸社)

創立二十五周年記念誌(平成七年十月二十九日)より抜粋

剣道との出会い

誠愛剣友会二十五周年記念剣道大会おめでとうございます。一口に二十五年といえば大変長い歴史を歩んで来たものです。私個人を振り返って見ますれば、ここ二十数年の間に我最愛の妻も、今やかなりのオバさんになりましたし、私達夫婦を悩ましましたバカ息子達も親元から独立し、それなりの世帯主として成長いたしました。それに比べて我剣道人生は遅々として成長せず迷うに迷う剣の道であります。

思えば、二十数年前剣道を全然知らなかった時に息子が誠愛にて剣道を習いたいと言いだしたのが私と剣道との出会いでありました。当時誠愛の夏の合宿は地方の小学校の体育館を借用し実施しておりました。寝る所も練習する所も食事をするのも同じ床の上という合宿でありまして現在のようなベッドに寝れる、風呂に入れる合宿は夢の夢の物語であります。その校庭におきまして子供達の食事を作るべく朝から夜遅くまで薪を割ったり水を運んだりの手伝いをさせていただきました。現在の誠愛剣道実行委員の親の皆様の苦労は良く分かっています。その合宿又は試合における我がバカ息子達は、親の目から見ますれば、まったくふがいない者でありました。練習態度はチャランポランまして試合ともなれば出ては負け出ては負けの姿を見まして血気さかんな親といたしまして、黙っているわけにはいかず、息子に「剣道なんか簡単ではないか」と言ってしまったのが私の剣の道の始まりとなる訳であります。それでは親父やってみろよの息子の言葉に一発奮起しまして、剣を握ってはみたものの思い通りには振れずもうやめようと思いつつも息子の手前やめるにやめられず現在も剣を振っている所です。

会社の剣道部、大田区の剣道場、目黒区の剣道場その他の練習場にて現在も修業していますが何しろ高年齢よりスタートしていますので仲々カッコ良い剣士にはなれません。但しその剣道により誠愛の子供達と共に練習出来ることは私の人生においてこの上ない幸せ、喜びを感じる事が出来ます。自分の子供以外の子供が私と遊んでくれる。そして遊んでくれた子供の成長も楽しみのひとつであります。寒い寒い寒稽古で泣いていた子供も今や立派な大人になり私の剣よりも強くなって私の前に現れる時は最高の幸せであります。最近は子供剣士の父兄の皆様も一緒に剣道をやりだした事は大変良い事と思います。子供と一緒に汗を出し声を出しストレスを吐き出すことは健康なる日々となります。やる以上は強くなりたいし又剣の道に近づきたいと思いつつ剣道を練習しております。練習は遊びと一緒ではありません。苦しいことも乗り越えさぼろうとする自分に勝つ事も大事であります。苦しい事を体験した者のみが楽しみを感ずるものではないでしょうか。

さあ今夜も練習をさぼらず、うまいビールのために剣道をがんばろうではありませんか。これは私自身へのエールでもあります。