第2回

「教員の「学び」を考える-教員研修制度改革にみる「学び続ける教員」像を切り口に」

松田香南(名古屋大学教育発達科学研究科,教育行政学研究)

2019年5月17日(金)15:00~17:00

働いていればだれしも、新しい知識や技術を身につけるために、勉強会に出たり、専門書を読んだりして学ぼうとする「研修」の機会があるのではないでしょうか?教員ももちろん、そのような「研修」を行います。科学技術の急速な発展、浮き沈みする景気、少子高齢社会など、目まぐるしく変わる世の中で、学校教育の課題も山積み状態です。そのような課題に対応するために、教員の「専門」性はますます求められるし、「研修」はとても重要です。

もともと教員にとっての研修は、目の前の子どもたち一人ひとりに必要な教育を行うために、教材研究や資料収集、調査等、自主的な学びの機会が保障されるべきだと考えられてきました。ですが、教員の研修は、どんどんそのかたちと意味が変わってきており、その様子は、最近の国の政策からよくわかります。2015年以降、政府は教員に対し「高度専門職業人」として「学び続ける教員」像を求める、教員の研修制度改革を進めています。この教員像は一見、「日々子どもたちのために能力を高める感じがして良いのでは?」と思うかもしれません。確かに、「学び続ける」と聞くと、自主的・継続的に自分の力量を向上させていくような印象をもちますが、果たして本当にそうなのか、考えてみる必要はないでしょうか。

そこで、今回の教員研修制度改革が、教員一人一人にどのような教員像を求めているのか、またそれぞれの自治体レベルではそれがどう具体化されているのかを紹介し、教員の「学び(研修)」のあり方が変化してきていることをお話します。教員の「学び(研修)」はどうあるべきなのか、一緒に考えてみませんか?


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