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日時:2026年 8 月 26 日(水)12:00 ∼ 8 月 28 日(金)13:00
場所(26日):京都大学数理解析研究所 110号室(ハイブリッド開催)
場所(27日,28日):京都大学数理解析研究所 111号室(ハイブリッド開催)
(発表者名の前の※はオンライン講演であることを示す)
12:20∼12:40 長坂耕作(神戸大)
生成AI積極的利用前提の数理科学系授業の試み
概要:生成AIとのやり取りを必須とする線形代数の授業実践,数式処理ソフトウェアとしての側面を生成AIに期待することを前提として実施した計算機代数に関連する授業実践など,生成AIの積極的利用を前提として設計した授業の試みについて報告を行います。
12:40∼13:00 平治留佳,中尾理砂,井堂彩名,福井哲夫(武庫川女子大)
数式を含む数学質問システムとLLMによるヒント提示型学習支援の検討
概要:福井研究室では、数学学習支援のためにインテリジェントな数式入力インターフェースを提案し、MathTOUCHと呼んでいる。我々は、MathTOUCHを使った数学文書エディタにLLMを組込み、学習者の質問に対してヒントのみを提示して学習支援を行う仕組みを検討してきた。本研究では、バックエンドにAWS LambdaとGemini APIを採用し、生成AIに数式を使った質問文書の作成が容易なシステムを開発した。本発表では、データサイエンスを学ぶ大学2年生に開講されている「情報基礎数学」(微積分および線形代数入門レベル)の25問のレポート問題に対して生成AIがどのようにヒントを分類したかデータを収集し、分析したので報告する。
13:00∼13:20 横山 重俊(国立情報学研究所)
実験数学をAIともっとやってみる —数学データベースと数学ソフトウェアが拓く AI for Math の現在地—
概要:AI Agent群を実験数学の道具として用い,素数分布の偏り(Chebyshev bias)を Aoki–Koyama の深リーマン予想(DRH)の枠組みで調べた取り組みを報告する.(α) LMFDB 等のデータ基盤の活用と,(β) 数学ソフトウェアを「検証器(Virtual Twin)」として用いる二条件を軸に,meta-AI・統率AI/実行AI群・検証器・人間による協働体制を構築した.アーベル拡大での偏りを出発点に,非可換の最小ケース Q₈ 拡大へ対象を広げ,LMFDB に登録されているのQ₈ 拡大(約5万体)を母集団として精査した.その中で対応するL関数の中心点での値 L(1/2) が小さい「ハードケース」では,真の主要項が m=0 でありながら計算範囲では見かけ上より高位の零点 m=2を持つように振る舞う素数分布の偏り現象を観察したので,その原因に関する予想を提示する.
13:20∼13:40 亀田真澄(元 山陽小野田市立山口東京理科大),宇田川暢(名古屋大)
高等数学学習支援に対する生成AI時代におけるe-Learningシステムの開発について —「生成 AI」と「数式処理」の融合によるコンテンツ作り—
概要:高等数学学習(主に学部編入学・大学院入学の数学入試問題)において,3者ツール「学習管理システム (LMS)」「数式処理 (CAS)」「生成 AI (LMM)」を融合させた e-Learning システムを開発し,「真正性」と「親和性」に関して探究について報告する。
13:50∼14:10 渡辺信(創志数学研究所)
AI時代の生涯学習 —勉強でもなく研究でもない感動する学習—
概要:生涯学習として数学を楽しむことを最大の目的としてきたが、AI時代における数学学習は与えられた問題を解くことは楽しみにならない。数学の知的好奇心が出発点になり、考える方法は帰納的思考を用いる。帰納的思考は和算時代から我々にとって慣れ親しんでいる方法で、この帰納的思考から一般論を作ることを目指す。AIが得意なことはAIに任せ、問題を作り、その問題の一般化することを目指したい。今回は問題作成の分数と小数の関係性と数の計算から導き出せる性質を用いて、生涯学習の方法論を語る。AIを積極的に用いるとともに、Technologyを考える補助として活用する。勉強でもなく研究でもない感動する学習を目指す。
14:10∼14:30 久山恭史,矢崎雄大,富永雅(大阪教育大)
乗法九九に因むストリング・アートの数学的構造と教材化
概要:小学校算数の「九九表を用いた模様作り」および美術作品としての「ストリング・アート」に内在する数学的構造を,中・高等学校数学の視点から体系的に整理し,その教材化について検討した。これらの理論的知見を可視化し,算数と数学を架橋する学習を支援するため,ブラウザ実行型のICT 教材を開発した。
14:30∼14:50 村上千尋,富永雅(大阪教育大)
関数グラフアート制作から生じる探究的な学習の可能性 —Desmos3D を活用した空間的思考の深化—
概要:本講演では、身近にある物体などの対象物を図形として捉え、その図形をグラフ上に表し関数として表現する「関数グラフアート」に着目する。その製作においては、学習者がこれまでの学びを活用して主体的に活動することからも探究的な学びにつながることが期待される。特に、この度は、空間的な思考の育成のためソフトとしてDesmosを使用し、数学的な見方・考え方の観点からの教材提案を行う。
14:50∼15:10 山田潤(津島高校)
高校数学における動的教材の作成とその活用
概要:生成AIの急速な進化によって,デジタル教材を作成する労力や時間を軽減できるようになった。高校数学においても,指導者が自作のデジタル教材を利用して指導に用いることはもちろん,学習者自身が操作して学びを深めることのできる教材を作成,指導に用いることも重要と考える。ここでは,Pythonで自作した学習教材を用いた授業について報告する。
15:25∼15:45 ※ 松本昌也(市川中学・高校)
課題研究におけるGeoGebraを用いた実験数学 —エコルスの定理の拡張における事例分析—
概要:高等学校における科目「理数探究」の設置に伴い、数学的な探究活動の一層の充実が求められている。そのため、探究活動や課題研究における生徒の研究事例を蓄積し、その探究過程を分析することが重要である。そこで本研究では、エコルスの定理を拡張し、新たな共線性および共点性を見いだした生徒の研究事例を、数学的探究の観点から分析する。さらに、その分析を通して、数学に関する課題研究の指導への示唆を得ることを目的とする。
15:45∼16:05 ※ 前田陽一(東海大)
剰余類環Z/nZの形と、積構造の可視化
概要:2022年の研究集会で発表した「数論を楽しむための計算パズル」の続編である。素数pを用いて正(p-1)角形状の絵を「素数の絵」と称して作り、それを小学生でも解けるパズルにした。これは、剰余類群Z/pZの群構造を可視化したものである。今回は、素数pに対して、剰余類環Z/p^nZの群構造の可視化を紹介する。さらに、自然数nに対して、剰余類環Z/nZの群構造の可視化もできることを紹介する。これらの絵をもとにして、様々な穴埋めパズルを作ることができる。すべての数字がピッタリとはまる爽快感を子供にも味わってもらい、数論の持つ美しさや素朴さ、奥深さを多くの人に伝える一助になればと願っている。
16:05∼16:25 ※ 岡田裕紀(日大理工院),佐々木秀馬(日大理工院),木村桂馬(日大豊山),鷲尾勇介(日大豊山女子),鷲尾夕紀子,西川貴雄,平田典子(日大理工)
Criterion for common values of linear recurrence sequences and Mathematica
概要:線形回帰数列に関する最新の先駆的な事例をMathematicaで理解及び証明の一助にする数学的活動を紹介します
16:25∼16:45 ※ 柴山将一(日大理工院),丸山晃汰(日大理工院),木村桂馬(日大豊山),鷲尾勇介(日大豊山女子),鷲尾夕紀子,齋藤耕太,利根川聡,平田典子(日大理工)
Higher dimensional Euler-Mascheroni constant and questions via Mathematica
概要:オイラー定数(Euler-Mascheroni constant)と称する数論的性質が未解決である定数があります.その2次元版に関する予想および数値に関するMathematicaでの試行を紹介します.
9:00∼ 9:30 高遠節夫(KeTCindy センター)
数学探究とソフトウェア開発におけるHITL(Human-in-the-Loop)の有効性 —数式処理を用いた幾何問題の解法と数独アプリ開発を例に—
概要:数学の探究活動およびソフトウェア開発におけるHITL(Human-in-the-Loop)アプローチの有効性を検証する.具体例として、数式処理システムを用いたMalfatti問題の幾何学的解法の導出プロセスと,自動数独ソルバーアプリの開発事例を取り上げる.人間が主導し,生成AIを強力なパートナーとして協働させることで可能となる数理問題の解決や効率的なコード検証が,教育や研究の現場に及ぼす効果と工夫について考察する.
9:30∼9:50 久保康幸(弓削商船高専),高遠節夫(KeTCindy センター,日本数学教育学会名誉会員)
マルチユーザー型HITLによる数独ソルバーの改良と教育的探究
概要:本発表では、開発者A氏が生成AIと構築した数独ソルバーに対し、共同研究として実施した機能拡張とUI/UXの改良プロセスを報告する。解法定石(クロスハッチ法)の組み込みや、スマホの入力制約を「3桁の数字入力」でハックした最適化事例を提示。さらに、試行錯誤を支える状態復元機能の検証を通じ、既存ソフトウェアの評価・改良を伴う「マルチユーザー型HITL」がもたらす数理・情報教育的価値を考察する。
9:50∼10:20 西浦孝治(福島高専),高遠節夫(KeTCindy センター)
マルファッティ問題のMaximaを用いた2つの解法とその比較
概要:本発表では,古典的幾何学の難問として知られるマルファッティの問題に対し,mnr法を用いた2つの代数的解法について報告する.三角形から直接3円を求める解法1では,問題を自然な形で定式化できることを示し,一方,3円から外接三角形を構成する逆問題として扱う解法2では,方程式系が大幅に簡略化され,より効率的な解法が得られることを示す.両者の定式化と計算過程を比較することで,mnr法の特徴と有効性を明らかにし,和算・算額問題への体系的な適用の可能性について考察する.
10:30∼10:50 関口昌由(木更津高専)
統計学試験問題作成支援プログラムの開発
概要:電卓の使用を前提としない統計学の試験において、データを与えて標準偏差や相関係数を計算させる問題を作成するとき、データを工夫することで受講者の計算(開平)負荷を下げることができる。そのようなデータを簡単に出力できるプログラムを開発した。
10:50∼11:10 妹尾駿,脇広大(大和大),間瀬崇史(京都大),林達也(茨城大)
Jordan標準形に関する教育的問題の自動生成アルゴリズム
概要:線形代数の講義において,学習内容に応じた演習問題を準備することは重要である.一方で,対角化やJordan標準形の単元では,手計算に適した問題を作成するには一定の労力を要する.本研究では,Jordan標準形を求める演習問題を自動生成するアルゴリズムについて検討する.学習者が手計算で取り組める問題を生成することを想定し,行列成分の大きさ,0成分の個数,行・列ごとの非零成分数などを考慮した評価値を導入する.この評価値に基づいて,指定されたJordan標準形をもつ整数行列の中から演習問題として適した行列を探索することで,計算の負担や難易度をある程度調整できるようにする.これにより,手作業による作問負担や,出題者の経験・癖に起因する問題の偏りを軽減し,講義や演習の目的に応じた問題作成を支援することを目指す.さらに,将来的には,提案アルゴリズムを組み込んだ自習用教材の作成や,学習者が利用しやすいUIの開発などにも展開できる可能性がある.本発表では,提案アルゴリズムの概要と生成される問題例を紹介し,線形代数教育における自動問題生成の可能性について述べる.
11:10∼11:40 芝辻正(芝浦工大柏中学・高校),高村真彦(元芝浦工大),及川久遠(四天王寺大),牧下英世(大和大)
生成AIをシミュレータとして使う高校数学の授業の実践事例
概要:生成AIを「シミュレータ」として用いる高校数学の授業を、教育場面でのAI活用を4場面(理解・考える・表現・振り返る)の枠組みとして捉えることもとにを提案する。アポロニウス問題(2点と1直線に接する円の作図)を題材に、生徒が自らAIに指示してシミュレータを作り、条件を満たす円の中心の位置を確かめながら2次曲線の性質に迫った。この事例の報告を通して、シミュレーションの何をAIに任せ、何を生徒に残すかという授業設計の視点を検討する。
11:40∼12:10 飯島康之(愛知教育大)
動的幾何ソフトGCを使った「心 (center)」に関する探究の様相について
概要:5心は学校教育での初等教育的なテーマの一つだが,この概念を一般化し,動的幾何ソフトGCを使ってさまざまな探究を試みた。伝統的な道具を使った場合とどういう点で変化しているか等に関して焦点を当て報告するとともに,高校などでの動的幾何ソフトを使った探究の可能性についても検討したい。
13:30∼14:00 吉冨賢太郎(大坂公立大)
AI共生時代のオンライン課題評価戦略について
概要:生成AIとの共生時代に突入し,オンラインテストを機能させることが困難になりつつある。筆者の考える時間制約戦略について紹介し,有効性や今後の課題について,これまでの試行結果から検証する。
14:00∼14:30 赤沼皇弥(公立千歳科学技術大),長谷川理(武蔵野大),本多俊一(公立千歳科学技術大),長坂耕作(神戸大),吉冨賢太郎(大阪公立大),小松川浩(公立千歳科学技術大)
大規模言語モデルを用いた線形代数の自由記述解答生成に関する性能評価
概要:TBA
14:30∼15:00 阿原一志(明治大)
生成AIが「解けなかった」問題たち
概要: 「生成AIが解けなかった問題たち」との出会いについて話します。
15:15∼15:45 長久勝,横山重俊(国立情報学研究所)
Jupyter-ai 改とLean 4による証明問題学習支援環境—tactic 制限を用いた証明過程の可視化
概要:ソフトウェア開発では中等数学の理解が求められる局面が少なくないが、コードは書けるが数学が苦手な開発者は多い。方程式や行列などは「コードを書いて体感する」学び直しが可能である一方、証明問題は数値解では厳密性が保証されず同種のアプローチが困難である。本発表では定理証明支援系「Lean 4」とLLMを組み合わせた証明問題の学習支援環境を提案する。Leanにおける証明はtacticの選択列であり、選択のための知識をLLMが担い、tactic列が証明として成立することをLeanが保証する。これによりLLM単独利用で問題となるハルシネーションによる誤りの混入を排除できる。但し、高機能なtacticをLLMに自由に使わせると証明の大部分が学習者には「自明」の一語で片付けられたように見え証明過程が理解できない。そこで、使用可能なtacticを初等的なものに制限し、教科書の証明過程に対応する粒度でステップを明示させるプロンプト設計を行った。実行環境に筆者らが改良したJupyter-aiを用い、手順を定式化したLLMとの対話とLeanの実行を通じて、学習者が理解可能な証明過程を手に入れられることを目指した。
15:45∼16:15 堅田幸裕,成川康男(玉川大)
中学生を対象とした数学の生成AIについて
概要:中学生を対象とした数学の学年にふさわしい回答を生成AIに出力させることは、海外の先行研究で最も困難とされている。本研究では、中学1年生の数学を題材にして、複数の生成AIが適切な回答を出力できるか調べた。さらに、不適切な回答の特徴を整理する。
16:15∼16:45 清水克彦(東京理科大)
数学における生成AI活用のためのプロンプトエンジニアリングの重要性
概要:数学における生成AIの活用のためのプロンプトエンジニアリングの重要性ならびにプロンプトデザインのためのTipsを提案する。
9:00∼ 9:20 大橋真也(順天堂大)
AIアシスト付きの数式処理で何を教えたらよいか
概要:AIアシスト付き数式処理システムにより,プログラミングだけでなくコンテンツの開発も容易になってしまっている。数式処理を学習する初学者にとって,何を教えればよいか。実践とその結果について,報告します。
9:20∼9:40 宮澤篤(愛知産業大)
記号計算によるフェーリアンブランチの導出とFish-Tank VRによる理解支援
概要:本発表では、代数的には既約な複素射影平面上の代数曲線を実座標で記述し、多項式の因数分解とは異なる論理的操作によって、「フェーリアンブランチ」と呼ぶ座標断面上の枝へ分解する手法を示す。Wolfram Languageによる記号計算を用いて、算術演算・論理演算・関係演算を代数的文脈において明示的に統合し、1945年にハワード・F・フェールが提示した視覚化の概念を形式化するとともに、フェーリアンブランチの数学的定義を与える。
本手法の教育的展開として、複素関数や空間幾何学を学ぶ高校生、大学生、一般学習者までを対象とし、一つの複素方程式が実座標上では複数の条件の論理積として表され、さらに零積条件から論理和として枝分かれする過程を、数式と幾何学的形状の両面から理解する学習環境を提案する。Wolfram Languageによって導出された枝の断面や構造変化を、ゴーグルを必要としない低コストXR視覚化技術Fish-Tank VRに提示し、学習者の視点移動に応じて映像を更新するHead-Coupled Perspectiveによって、ディスプレイを「空間への窓」として機能させる。
試作した視覚化環境は、大学と地域社会との交流イベントにおいて公開展示した。専門知識を持たない来場者からも、立体構造の見え方や操作方法に関心を示す反応が得られた。教育的効果の定量的検証は今後の課題であるが、本研究は、記号計算による数学的構造の導出とインタラクティブな空間視覚化を結びつけることで、新たな数学的探究活動と理解支援の可能性を示すものである。
9:40∼10:10 鈴木正樹,木村瑠那(沼津高専)
TeX書式による数式送受e-learningシステム(NuMASCH)の活用
概要:2024年度に発表した「TeX書式で解答する数学e-learningシステム」を実用レベルへと改良し,実際の授業における実践を開始した.本発表では,新たに「NuMASCH(Numazu Mathematics Assignment Submission and Communication Hub)」と名付けた本システムの機能を紹介するとともに,高校数学相当を対象とする「基礎数学」の授業における具体的な活用実践について報告する.
10:10∼10:40 菰田智惠子(久留米高専)
KeTCindyを活用した関数グラフ自動採点のMoodle実装と探究型学習の構築に向けて
概要:従来の数学eラーニングにおいては、学生が入力した数式を自動採点するシステムは広く普及している一方で、図形や関数グラフの描画を自動採点する仕組みはほとんど実現されてこなかった。そのため、グラフに関するオンライン学習は用意された図表を操作するだけの受動的なものに留まりがちであった。我々はこれまでに、大島利雄氏が提唱した「大島スプライン曲線」と動的幾何システム「KeTCindy」を用いて関数グラフを自動採点する手法を開発してきたが、本講演では、この仕組みをLMSであるMoodle上に実装し、学生の能動的な「探究型学習」を促す環境を構築する取り組みについて報告する。具体的には、学生がMoodle上で自ら図や関数グラフの制御点を動かして試行錯誤しながら問題解決を行い、作成した図・グラフの幾何的性質をシステムが自動採点するオンライン学習教材の設計と、Moodleへの具体的な埋め込み手法について紹介する。
10:55∼11:25 小林徹也(明治大),清水克彦(東京理科大)
生成AIを活用した高校生の和算探究における問題解決の様相
概要:高校生を対象として、和算を題材とし、生成AIを活用する探究活動を実施した。本発表では、高校生が与えられた和算題に対して、生成AIとの対話を通してどのような解決を試みたのか,その分析を報告する。
11:25∼11:45 増原拓馬(株式会社DynaxT)
生成 AI を活用した数学作問学習システム「MathPub」の実践と筆記試験AI自動採点システム開発の現状
概要:数学学習システム「MathPub」は、作問と、問題内の変数(数と数の関係)のプログラミングにより、学習者の「正しく問いを立てる」能力を伸ばし、論理的思考力を育成する数学ソフトウェアである。本研究では、学習者が作問における発想の拡充をしたい場合や、数理的構造の理解に行き詰まった際の動的な支援として、MathPub内に生成AIとの対話機能を新たに導入した。この新機能を組み込んだ授業デザインに基づき、生徒が主体的に作問およびプログラミングを行う実践授業を試行した。本講演では、生徒と生成AIとの対話プロセスや作問の変容プロセスに焦点を当てた分析結果を報告し、数学教育におけるAI協調型ソフトウェアがもたらす教育効果について考察する。また、学習者の理解度をより多角的に評価するために現在開発・実験を進めている「筆記試験のAI自動採点システム」の現状についても紹介する。
11:45∼12:15 福田陽介(京都橘大)
多重量化文の理解支援のためのシステム開発に向けて
概要:大学における理工系学部の基礎科目においては,全称量化子・存在量化子を含む多重量化文として表される述語論理式の定義や命題が繰り返し現れる.たとえば,関数の全射性の定義,数列の収束や関数の極限で現れる,いわゆる ε-N 論法や ε-δ 論法による定義においては,量化子の順序や依存関係が本質的に現れる.しかし学習者は,量化子の順序の違いや,存在量化された変数が何に依存するのかといった多重量化文の基本的な読み方を理解すること,および,多重量化を含む命題を証明することに,しばしば困難を覚える.本発表では,これらの困難に対する支援を目的として,述語論理式として表された多重量化文の意味,とりわけ量化子の順序や依存関係を可視化する教育用システムの可能性を検討する.具体的な内容としては,述語論理式の意味を形式論理学におけるゲーム意味論に基づいて可視化する手法について述べ,開発中のシステムのプロトタイプのデモを行う予定である.
12:15∼12:45 北本卓也(山口大),金子真隆(東邦大),江木啓訓(電気通信大),野田健夫(東邦大)
動的幾何の操作ログ分析への生成 AI の活用事例
概要:数理統計のシミュレーション学習に動的幾何を利用し、その操作ログとポストテストの結果を照合することで、学習状況の分析を試みた。分析にあたり、生成AIを活用したので、そのプロセスを中心に報告したい。