class2008

カリフォルニア大学サンディエゴ校 Rady School of Management Class 2008

この学年はFull-Time MBAがUCSDに出来て2年目。つまり、二期生の学年です。入学前はライブドア事件で新興市場・不動産証券市場主導のミニバブルが傾き始め、卒業時には、ベアストーンズ・リーマンブラザーズの倒産による世界同時金融危機が発生した年。卒業後の進路などに大きな影響が出た学年でした。

 

初年度は校舎がなく、Undergradの校舎を間借り、二年目はRady専用の新校舎が誕生し、現在のNorth Point Driveに引越した最初の学年となる。クラス60人のうち、日本人は3名、アジア人が合計で15名。二年目の夏には、大きな山火事が起き、San Diegoの惨事が日本のメディアで報道された。卒業式と同時期に、ゴルフのメジャー大会であるUS Open Golf 2008が校舎から車で5分のTorrey Pines Golf Courseで開催。Tiger WoodsがRocco Mediateとの死闘を制し、引退発表が行われる最後のメジャー制覇となった。入学前の2006年には、ワールド・ベースボール・クラシックで日本が優勝し、サンディエゴにあるペトコ・パークが一躍注目を集めた。

三橋拓樹(みつはし・ひろき)Rocky Mitsuhashi私費、ロータリー財団国際親善奨学金学生起業家→VC・コンサルタント→米企業日本法人代表(IT医療・医薬品・医療機器系)

慶應義塾大学総合政策学部卒

(2012年追記分)今年の6月には、卒業して早4年が経ちます。Radyは想像以上に成長を続け、毎年、日本からも素晴らしい仲間がRadyに入学し、改めて、Radyのポテンシャルと実績を感じています。私は、元々起業家、VC、戦略系コンサルティング会社を経てからRadyに入ったので、一般的なMBA生とは真逆のルートを辿っています。卒業後は、アメリカの企業にH1-Bで入り、同社のアジア部門の責任者を務めながら、日本法人の立ち上げ、日本法人の代表をしています。

 

Radyに入って、当時の経験がいまの何に活きているか、少し説明したいと思います。

私はMBAで学ぶ基礎は既にコンサルティング会社で学んでいましたし、自ら財布で複数の起業や何十もの事業化支援を経験してきたので、ウェットな部分の基礎も習得している状況でした。

 

Radyでは、そのような自らの「実践体験」を改めて、学問として学習し振り返る、ということと、ビジネスの本山であるアメリカでは、どのような感覚で世の中の流れを捉えているのか、そのようなことを学ぶ目的でいきました。また、卒業後はアメリカに拠点を移して働いてみたいとも思っていました。

 

そして何より、私はアントレプレナーなので、「誰もがまだ目をつけていない分野」に行くことを最優先としていたので、まだ実績のない、そして、今後成長が見込まれるとVC業界の中で目をつけられていたUCSDが、最も自分に取って「穴場」な場所となったわけです。

 

卒業して4年経った現在、目的通り、実体験を学問で振り返ることが出来、アメリカでの考え方も感覚として身につき、アメリカで働くことが出来ました。そして、サンディエゴが世界で注目を集めるヘルスケア(医療・医薬品開発)業界に飛び込む事ができ、現在は、新たな領域に自らの専門分野を広げることになりました。

 

Radyを受験する方から、このような質問があります。

「Radyに入ったら、起業できますか?そのようなサポートは充実していますか?」

「歴史も知名度もないので、行く価値はあるのでしょうか?」

 

このような質問に対し、私は個人的には、まず、そのようなものは、何もかも、自らが切り開いていくものだと思います。「サポートが充実していたら、もうそこは既に、起業する場としては、旬を過ぎているので、本来気にする事ではない」のと、起業家であれば、「歴史や知名度などのブランド」がある時点で「おもしろくない」と思います。

 

生活費を合わせて2,000万円(私の頃のレートでは...)を払って、MBAは価値があるのでしょうか、どうでしょうか?という質問と似てます。その結果、稼ぐ金額がその何十倍、何百倍にもなれば、十分価値があるし、その後頑張れない結果、MBA費用が負担になる場合は損するだけです。それは、すべて、「個人によって違う」ではないでしょうか?

 

「起業ごっこ」や「起業の憧れ」でRadyへ来るならば、満足行くサポートは得られないでしょう。

 

それでも、Radyにはいろんな考えを持った人たちが集まってきます。

基本的には、ブランドに憧れている人は少なく、将来に価値を置いている人が集まってきています。

このような場所が平気ならば、Radyは最高の場所だと思います。

 

卒業したRady生は日本人だけではなく、アメリカ人も中国人もみんな活躍しています。

特に医療系での活躍は群を抜いています。

 

素晴らしい学校だと思います。

 

(オリジナル文 2009年改訂)

Rady(発音:レィディ)は、これまでビジネスとしてあまり注目されてこなかった、自然科学と経営の融合に注目しています。長い間アメリカ中心の経済社会を支えてきた株主至上主義にMBA生を送り込むのではなく、これからの新しい経済システム、例えば環境と経営との調和や安全で成熟したライフスタイルを支える分野、すなわち、バイオ、クリーンテック、ロボットといったサイエンスの分野に目を向けることで、新しい時代を創るビジネスプロフェッショナルの育成を目指しています。

UCSD Rady School of Managementが他のどのトップスクールよりも優位にある点は、同校の立地です。Salk, Scripps, Burnhamといった、世界的に有名なサイエンス研究所と積極的な関係を築き、近隣に広がる何百と言われるライフサイエンス企業とのパイプを生かし、新しいビジネス分野の創出における中心的な位置に立っています。

San Diegoはバイオ関連の資金調達力では 2007年には全米で1位となりました。医療、生物学、計量経済学は世界でもトップクラスで、近年では、多くのノーベル賞受賞者の教授陣を招聘しています。また、全米で最も過ごしやすいリゾート都市として誰もが知る場所であるだけに、東部やベイエリア、ヨーロッパで成功した投資家や成功者が移り住み、多くの知恵と資金を集めています。

こうした環境下で学べる学校なので、バイオやクリーンテックに情熱を燃やした生徒が多く集まり、他校にない競争力を持ったプログラムを経験できます。事実、現在は私はライフサイエンスの分野に軸足を置いております。

全米で最も過ごしやすくきれいなビーチタウンであるLa Jollaでの2年間の生活は、最高です。治安が良く、生活水準が高く、穏やかなビーチタウンで過ごしやすい都市です。

まだまだベンチャーのRadyですが、一緒に新しいMBAを創っていきましょう。

【選択科目履修履歴】

山田圭吾(やまだ・けいご)

Keigo Yamada

公費(経済産業省)

東京大学大学院工学系研究科卒

 

巨万の富を動かす仕事をしたいならウォール街に行くべきでしょう。しかし等身大のビジネスを目の当たりにしたいなら、サンディエゴはとてもオススメ。バイオテクやITの企業はたくさんありますし、近年では再生可能エネルギーの普及も目覚しいものがあります。Radyでは、サンディエゴ周辺の様々な企業とのネットワーキングが可能です。

 

また、サンディエゴの気候は文句なく素晴らしいです。勉強も勿論大切ですが、2年間という貴重な時間を過ごすなら、生活環境も重視して学校選びをするのが重要だと思います。

 

【選択科目履修履歴】

F.T

社費 (三菱重工業株式会社)

東京大学

「MBA留学を終えてみて、Rady Schoolを選んで非常に良かったというのが一番の感想です。

充実した学内のインフラ、様々な業界から集まった勤勉でフレンドリーなクラスメイト、実際のビジネスマンと学校の接点の多さ等々、期待以上に素晴らしい環境でした。留学中の休みには東部・中西部・南部と米国内を旅行して有名校も観光で訪問してみましたが、Rady SchoolとSan Diegoの環境はピカ一です。若い国アメリカならでのエネルギーを感じたい方には是非Rady Schoolがお勧めです。」