インターンシップ事例(2)

UCSD Rady School of Managementの在校生/卒業生による、Radyやサンディエゴにまつわるざっくばらんとした対談をご紹介します。

「夏のインターン。見つけ方とMBAの効果」

対談参加者:(Class 2016 & 2017)

編集部:(Class 2016)

インターン経験者

A:Johnson&Johnson にマーケティングでインターン(東京)

B:日系インターネット企業のベンチャー投資部門でインターン(San Francisco)

Yoshi:Nexgen Impact Consultant Fellow at Emzingo Group LCC(Johannesburg, South Africa)

Hiro:Marketing/Advertising Associate at the Worldview Project (San Diego)

C~G:参加者

 

本日は、多くの受験生や在校生の興味のあるトピック、夏のインターンについてお話したく皆様にお集まりいただきました。インターンの見つけ方から、インターンの内容、反省点や学校のサポート、MBAがどう役に立ったかなどお話いただきたいと思います。

本日は4人の方にインターンの経験をお話しいただきます。

どんなインターンを、どのようにして見つけたか?

編集部:最初はAさんからお願いします。

 

A:Johnson&Johnson(以下J&J)の日本支店で、人工膝関節の手術器具のマーケティングプロジェクトをやりました。

私は学校からのサポートはほとんど受けていません。渡米前からインターンのリサーチを始めていて、5、6月くらいに日本側の外資系とかMBA生のリクルーティングに力を入れている会社が壮行会と称したネットワーキングパーティをやるんですね。その中の一つにJ&Jがあって、履歴書も出して、秋の段階で選考に臨みますという話まで付けた段階で渡米しました。

10月にLAで面接を1回だけ受けて12月にオファーを頂き、翌年の6月12日から8週間のプロジェクト、というスケジュール感でした。

なぜJ&Jだったかというと、ヘルスケア業界でのフィット感を測りたかったことが一番にあって、更に希望のマーケティングのオファーをもらえたので文句なしにここに決めました。

 

編集部:それでは、Bさん続けてお願いします。

B:インターンはサンフランシスコの日系のインターネット企業のベンチャー投資部門で1か月半ほど行いました。探し方は完全に人づてです。

Radyはどのくらい役立ったか、というと、結果的にはさほどです(笑)。とはいえ事務処理では、非常に正確なアドバイスを頂けました。仕事探しの面ではお世話になりませんでした。

CPT(編集部注:Curricular Practical Training)というインターンをするための書類は急ぎの中で、とても迅速に対応してくれました。また、Radyはイベントを積極的にやってくれます。例えば、Bay Area Tripが2月にあるのですが、これはBay Area(編集部注:サンフランシスコ・ベイエリア)の有名企業を一度で回れて、とても良いと思います。

 

編集部:ありがとうございます。それでは、Yoshiさんお願いします。

Yoshi:僕は南アフリカの社会的起業プロジェクトで、Emzingoという会社のコンサルタントとしてenkeという地元のNPOに対しコンサルティングをしました。どんなことをやっているNPOかというと、南アフリカの青年に教育プログラムを提供していたんですね。しかしながら、ドネイションで基本的に財務が回っていて、今後しっかりとプロフィットを得て、より持続的に回せるよう、ファイナンスを再検討するものです。具体的には、南アフリカの様々な社会的起業の例を調べて、NPO法制やプロフィットアクティビティに合わせるとしたら、どのように税務に対応して、本来の教育部門にプロフィットを回せるかなどの分析をした。

 

編集部:NPOなのに法律まで手を出したのですか?

 

Yoshi:もともとは日本でいうところのNPO法人なのですが、NPOだと収益事業ができないので、収益部門を分けてプライベートカンパニーを設立して、そこから本体にドネーションとして資金を流すかなど、様々な法的立てつけが考えられるので、その検討を行いました。

 

インターンのオファーを受けるまでには様々なことを行いました。Radyのイベントにも参加しましたし、Bay Trip(編集部注:Rady主催のBayAreaの企業訪問するTrip。毎年開催)もいいと思います。結果的に決め手になったのは、去年のこの時期(10月末)に、今回のインターン先のリクルーターがIRPS(編集部注:現在のGPS。UCSDの大学院の一つ)に来て説明会を開いたのですが、そのことをRadyのキャリアの人が教えてくれて、それに参加したことです。ただ、この時点ではこれだけにしぼらず、年が明けるくらいまで色々なものに手を出して、メールで興味を伝えたり電話面談をしたりなどを継続しました。たとえば、プライベートカンパニーでは、Bay Tripで訪問したOpen Tableという会社もいいなと思っていて、RadyのAlumni の人とコミュニケーションをとりながら今回の会社とどちらかにしようと思っていました。

 

ただ、話が進んでくると、卒業後の進路の話になるわけですよね。政府をやめてこちらに来てくれるのか、という話になりました。自分はそうコミットはできませんでした。それから、どうやらアメリカ国内のプライベートカンパニーで働くことになると、法律上、給与の支払いがマストのようで、それだと、ビザや日本での国家公務員としての身分との関係で困難が多そうだと感じました。

 

そうした中、今回のインターン先は、南アフリカでの居住先や交通手段、通信手段、それから例えば郊外の旧人種隔離地区訪問用のガイドやアパルトヘイトミュージアムの訪問機会など諸々確保してくれまして、これらに必要な経費をプログラム費用としていったん全て私に請求し、その後にいくらか奨学金としてバックしてくれるという仕組みでした。これだと、実費分のやりくりなので、日本の派遣元からもOKがもらえたので、最後に3月くらいに南アフリカに行くことを決めました。

 

その後の学校からのサポートとしては、渡航可能先が限定されている日本政府職員用の公用パスポートに渡航先を追加する必要があったのですが、それをサポートするレターを書いてもらうなどしました。それをつけて、人事院や外務省に合議して回したという形になります。そういうところで学校のサポートをもらいました。

 

A:そのレターは自分で下書きを書いて、学校にはサインだけしてもらう形ですよね?

Yoshi:そうです。まあ、もう少し格好いい表現に直っていたかな。自分で原稿を書いて、UCSDのフォーマットに入れてもらったという形です。

 

編集部:ありがとうございます。それでは、Hiroさんお願いします。

Hiro:僕はThe Worldview ProjectというNPOでMarketing/Advertising Associateとしてこの春から働いています。インターンではなくボランティアの形になるのですが、Non-paid Internshipとの違いはRadyのランキングに影響するSummer Internshipを獲得できた学生の割合に貢献できなかったことくらいかなと思います。

 

A:プロボノ(Non-paid)のインターンだとカウントされて、ボランティアだとカウントされないらしいです。

 

Hiro:The Worldview Projectのミッションは、サンディエゴのコミュニティにおいて、多様な文化への相互理解を促進することです。ちょっとぼやっとしましたけど、アメリカ社会には様々な人がいて、ニュースで日々報じられているようにコンフリクトも様々あって、こんな前提の中で、お互いの文化に安全な環境で触れられる機会を作るのがミッションです。

僕がこの夏に担当したのは、9月に開催した国際ダンス&ミュージックフェスティバルのマーケティングです。4人のチームで、過去実績の分析や広告会社へのヒアリングなどの情報収集、今年のマーケティング戦略の作成、実行を行いました。具体的には、FacebookやTwitterやLinkedInでのポストや広告の購入などのSocial Media Marketing、顧客層が近いと考えられる出演アーティストの他のイベントで宣伝をするCross Promotion、またスタバのコミュニティボードにポスターを張るという古典的なこともやりました。今も働いているのですけど、仕事の量は自分で選べます。

将来日本企業のアメリカ事業に関わることもあるかなということで、消費市場としてのアメリカに興味があり、その点から、多様な同僚と働く機会があったことは一つ良かったことかなと思います。The Worldview Projectには高校生から大学院生までの学生、職探し中の人、専業主婦、フリーライター、元キャリアウーマン、障害者など様々な人が働いており、協働を通じて学校では見えないアメリカ社会の側面を知ることができたかなと思います。もちろん英語の訓練にもなりました。

 

またお金の関係がややこしくないのが非常に良い点でした。サンディエゴなので家賃も余分にかかりません。営利企業のインターンの面接も受けたのですが、募集先は基本的にその後の本採用候補となる人材を探しており、噛み合わず、その点はNPOの方が包容力が高かったです。

 

やっぱり気になるお金の話。どうやって折り合いをつけた?

A:お金の話でいうと、Bさんはお金をもらった?

B:プロジェクトで発生する経費の補てんという意味合いもあり頂戴する流れになりました。アメリカの子会社でもらって、もらうためにはSSN(編集部注:Social Security Number)を取る必要がありました。

 

C:もらい方を工夫してもらえばよいのでは? 例えば交通費としてもらう。

 

B:そういうやり方もあるのですけど、先方に面倒な処理で迷惑をかけられないので、やめました。

 

A:拠点はどこですか?

 

B:サンフランシスコのダウンタウンの真ん中。マンションは近所にクラブ街があるので、週末は繰り出す若者で遅くまで1階のロビーがにぎわってました。周囲の道路は奇妙なにおいがしたり、浮浪者又は挙動不審で叫んでる人が5メートルおきでいて、ぶっちゃけいかがわしいエリアかもしれません。私はむしろ猥雑な環境が好きなのでリラックスできました。

 

A:住まいはどうしたのですか?もらったお金で滞在費がカバーできたのか気になります。

 

B:もらったお金は、滞在費を少し上回る程度です。住んだところは、職場に歩いて行けるところがいいなと思ったのですが、マンションを短期で借りるとめちゃ高くて、月40万円くらい。なので、AirB&Bで探してシェアルームにすみました。目的としては、いろいろ人と知り合えるかなと思いまして。2ベットルームに7、8人が住んでいて、日本人はほとんどいません。

全米は勿論、ブラジル、イスラエル、南アフリカ、中国、サウジアラビアなどから来ていて、多くはTechyな人達です。インターンのために来たコンピューターサイエンス専攻の学生(中には高校生も)や、アプリ開発や人脈作りのために来たプログラマー、自国で起業してアメリカ進出準備のために来た起業家などです。インキュベーター立上げのため、という人もいました。そんな人たちと知り合えたのが良かったです。世界ランクに入るというハッカーもいました。

 

D:ルームシェアでおいくらくらいでした?

 

B:安いといっても1泊70ドルくらいで、1月で2100ドルくらいです。他に食費とか交通費とかがかかりますね。

初めてのインターン生の場合もあり。

A:他のインターン生の構成は?

 

B:実は、私一人だけのインターンで、おそらく最初のインターン生です。転職には興味が無いのですが、アメリカのVC(Ventur Capital)業界に興味があって、Bay Tripでも有名なVCに訪問しました。でも、留学生は全然相手にされなくて、というか定期採用がなくて、採用があってもStanfordから1人取るかとらないかみたいです。

なので、途中で方向転換して、ソーシャルファイナンスとか全然別のことをやりたいなと思っていました。精神的に少し病んだ時期を経て、やっぱり戻ってきて、昔の知り合いに聞いて、何とか見つけました。やっぱり日系のところの方が入りやすいので、そちらにしました。

 

定期的なインターンは募集してなくて、余力などがあればと言っていたところ、幸いにして見つけることができました。非常に少人数のところでした。

 

仕事の内容はベンチャー投資そのもので、起業家にカフェで会って、投資方針を決めるということをしていました。僕が触れた会社の中でも投資があったようです。

 

Lab to Marketという授業があって、その1期目の理論コースで学んだ知識は非常に役に立ちました。ビジネスモデルキャンパスやリーンスタートアップ、少ない資産でスタートアップしてプロトタイプをつくて、素早くアップグレードしていく企業の仕方です。その方法論などを起業家側も知っていて、ディスカッション中もその言葉で会話するんです。知らないと全くついて行けなかったと思います。

 

卒業後の就職にどのようにコミットしていくか。

編集部:先方に、社費と言っていましたか?どのようなスタンスでしたか?

 

B:インターン受け入れ自体、レアなため、細かいプロセスをこだわる感じではないみたいでした。こちらはそれを感じたので、事務作業に巻き込まない方が良いと思ってました。

 

A:制度としてのインターンシップがしっかりしている会社の方が、私はいいと思います。割りあてるプロジェクトとの適性やメンター制度など、採用する側がある程度の経験とノウハウを持っている方が、お互いにとってメリットがあると思います。知り合いから聞いた話ではインターン生を単なる労働力の補充くらいにしか扱っていない企業もあるようです。とにかくフルタイムのオファーを得られれば良い、という考えもありますが、キャリアチェンジをしたい、職種とのフィット感を測りたいという目的ならば人事がある程度インターン生の希望を考慮してくれる企業がいいと思います。その点J&Jは、インターン前に配属面談も行ってこちらの希望をかなりすくい上げてくれました。

 

恐らく、在日の外資系の多くはある程度ノウハウがあって、加味してくれると思います。Amazon、J&J、Microsoft、Googleなど。ただしGoogleはインターン向けの職種の種類が少ないのでわかりません。

 

編集部:あとはP&Gとかもですかね。

 

A:P&Gとかも入ります。人によっては2〜3週間の短期プロジェクトをやる方もいるようですが、そうすると仕事の仕方というよりは人間性を見られているという感覚の方が強いと思います。社費留学等ですぐに転職することを考えられないという人には、短期間過ぎて消化不良になるかもしれません。

 

Yoshi:どれくらいコミットを求められましたか?

 

A:0です。全く求められませんでした。私の場合はレジュメを出す段階、面談の段階、配属面談の段階で、私は社費です、会社を辞めるかもわかりませんと、要所要所で言いました。その上で、オファーが取り消されなかったので、向こうもわかったうえで、オファーを出してくれたのだと思います。ただし、フルタイムのオファーはもらえなかったので、そこで考慮されたかもしれません。プロジェクトの成果としては私の提案が取締役に可決されて、今頃実行されている頃ですので、それなりにうまくやったと思うのですが、それでもオファーがこなかったということはコミットメントが考慮されたのだろうと思っています。

 

やはり厳しいMBA生のアメリカ企業への就職。

編集部:アメリカでのアメリカ企業についてはどうですか?

 

A:全滅です。私は3次面接まで行ったものが最高でした。明示的には言われませんが、ワークパーミットについて聞かれて、呼ばれなくなる傾向が多いように感じました。勿論レジュメの段階でダメというパターンもあります。

 

Hiro:夏になる前のギリギリにオファーをもらった人が多かった印象。冬にアメリカ人からオファーもらい始める印象で、5月末くらいになると、募集先の会社も余裕がなくなってきて、留学生にもオファーが出始める感じがしました。

 

卒業後は、OPT(編集部注:Optional Practical Training)の機会は結構あって、そこからH visaにするのが大変。ビザのスポンサーをしてくれる企業を見つけるということと、当局から許可を得る二重のハードルがあるようです。

 

B:Bay Areaではベンチャー企業が多いからなのか、企業としてほしい人材ならば、良い弁護士をつけて、取るそうです。弁護士次第でかなり確率が変わるそうです。

 

OPTは可能なのですが、そもそも1年間会社があるかどうか、仕事が続くかどうかもあります。米国のテック業界は転職の回転が速く、また、3か月~半年で首になるということもあるそうです。

 

やはり、米国で働くのは不安定な雇用環境が心配です。この不安定さをカバーできるだけの高い年収を得られればいいですが、普通は難しいみたいです。家族がいると、奥さんに日系スーパーのパートに出てもらって生活費を少し稼いでもらってなどと考える必要もあります。日本で働くのとは家族も含めて生活が激変する恐れがあります。 

MBAでの学びはインターンに役立ったか?

編集部:いつぐらいから応募したのですか?

 

B:7月の中旬くらいです。渡米前に業界の知り合いに連絡を取って下地を作ったのでどうにかなったという感じです。自分なりに咀嚼して準備していたのが良かったです。米国のVCは相手にされない感じです。

日系では、規模は小さいのですが、非常に良い経験になりました。

 

A:Lab to Marketが役に立ちました。僕が最終発表したプレゼン資料にはLab to Marketで学んだコンセプトがいくつか含まれています。Lean Canvasも資料には出てきませんが、プロジェクトのゴール設定や方向性を定める上では活用しました。

J&Jは10人くらいインターン生を採用して、各自がそれぞれ違うプロジェクトをやっています。バックグラウンドはHR、ファイナンスなど様々です。MBAで学んだことを使ったという人にはあまり会いませんでしたね。ファイナンスの人は、MBAなのかそもそもバックグラウンドで知っていたことはわかりませんが、インターンはインターン、MBAはMBAとして分断されている場合が多いです。私の場合は恵まれていた方で、MBAとインターンが繋がっていたので、学んだことを消化する機会になりました。

 

ただ、MBAで習うのはマーケットインなんだけれども、私がやったプロジェクトはプロダクトアウトでした。アメリカで作られた製品があって、これを日本でも売っていくか、或いは止めたほうがいいか、判断材料を分析してほしいという形。なので、どちらかというとMBA的なセオリーから外れたんですけど、実務的には充分あり得る状況で、経験としては非常に有益でした。

 

編集部:必修のマーケティングの授業は役に立ちましたか?

 

A:必修のマーケティングの授業での一番の学びはいかにバリューをクリエイトするか、と捉えたのでそういう意味ではその軸からは外れないように心がけました。プロジェクトにあてはめると、製品がどういうバリューを顧客にもたらすのかを徹底的に考えました。結果的に2つの価値があると仮定できて、その仮説を格子にして戦略を作り上げていきました。エビデンスを集めて仮説を補強していったのですが、最初はまだエビデンスが弱くて、ダメ出しされて、一週間後にもう一度プレゼンしたけれども、賛否両論あって。ただ、賛成してくれる人達がやらない手はないよね、って強力にサポートしてくれて、結果としてはゴーが出ましたけど。

 

E:機会的にマーケティングが主ですか?

 

A:こちらだとテクノロジー系が多いと思います。たぶん、突っ込んでいくと、なんでもあると思います。多くの企業では、ファイナンス、オペレーション、マーケティングはだいたいあります。珍しいところだとHRのプロジェクトもあります。

 

編集部:Aさんて、プロジェクトに一人で入ったのですか?

 

A:そうです。J&Jのインターンのやり方は長期的には重要な位置付けにあるけど、時間がなくて取りかかれていないプロジェクトをインターンに割りあてるという文化があるそうです。配属された先は5人くらいのチームでしたが、基本的には私一人だけがこのプロジェクト専任で、適宜周りの人に助けてもらいました。

 

営業の方を説得するのが大変でしたね。Willingness To Payの考えで、自分が価値だと思ったものを価格に換算して製品の価格を設定したんですけど、営業の方は、医者はこんなものは信じません、というように突っぱねてくる。現場で日常的に医者と触れている人々の感覚と、マーケティングの感覚のズレを実感しました。ですが、業界でもうちだけこの技術を持っていて差別化を図りたいという気持ちがあって、やっぱりやろうという話になりました。

  

F:インターン生だからといって、お客さんにあまり出したくないというのはあったのでしょうか?

 

A:最初の2週間は外出ばかりで、医者の話も聞けたし、手術も見学できました。あんまり気持ちいものではなかったですけど(笑 膝がパックリ割れて、骨の焼けるにおいとか。(うぅ。。。)

 

実際に手術を見ると、この部分に無駄がありますよね、ということも気付けてそこも提案に含めることができました。

 

プロジェクトによってはひたすらデスクワークという場合もあるようです。実際にコンサルするには、現場に行かない手はないと思うので、良い経験でした。おそらく私が営業バックグラウンドだったので、外に出してもらいやすかったのだと思います。

 

G:J&Jで、ファイナンスに行く人は、ファイナンスバックグラウンドが多いのでしょうか?意外とシャッフルされている場合が多いのでしょうか?

 

A:ファイナンス希望の人は、もともとファイナンスの人が多いと思いますが、オペレーションやマーケティングはかなりシャッフルされている感じです。前職とまったく違うこと、例えば車のエンジニアがマーケティングやってたり、ということもあります。

 

MBA生の在籍校としてはヨーロッパが多かったです。IESEとかIEロンドンマンチェスターなど。アメリカは少ない印象でした。

    

Yoshi:やはりLab to Marketが役に立った。例えば、ビジネスモデルキャンパスって、今回のコンサルティングプロジェクトの初めの始めの研修みたいなタイミングで紹介があるのですが、どこのMBAの学生も知っていて、ある種の共通言語のように感じました。

それから、ファイナンスの知識も役に立ちました。ファイナンスでは例えば税の影響をすごく気にするわけですが、昔の自分ならリーガルな分析を中心にメリット・デメリットの○×表を作っておしまいだと思うんですけど、今回は税が会社の財務に与える影響を定量的に分析することまで試みることができました。

税といえば、南アフリカは、かつてアパルトヘイトなんてやっていたので、黒人優遇税制みたいなものがあるんです。これの税制適格要件をよく調べて、そのベネフィットが入るように会社の形をデザインするなんてことも配慮しました。役人としても面白かったですし、南アフリカの歴史などの勉強にもなりました。

それから、プロジェクト中はMBAの学生3人のチームで動いていたので、あえていえばMBAのチームワークの経験も生きたと思います。ただ、普段と違って、勉強でなく、仕事なので、もう少し違う難しさがあったように感じました。南アフリカは公用語が十何か国語あって、英語とアフリカーンス語っていうオランダ由来の言語が公用語なんですね。なまりはあるものの、したがって基本的には英語で仕事ができます。普段の授業となると、教科書とかあるのでだいたいこんな話なんだろうなって、予想がつきますが、仕事となるとそれとは違う難しさがあって、結構修練になったなと。英語のチームで仕事をするというのは、今後の生かせる学びになるかなと思います。

インターンも含めた夏の過ごし方。

F:夏をどう過ごすか、他にありますか?

 

D:転職は意識していないので、どんな選択肢があるのか?

 

E:アメリカ一周では?(笑)(編集部注:2016のYoshiさんがアメリカ一周しました

 

F:自主研究としてインディペンデントスタディをやる

 

G:会社の先輩は、交換留学として夏にドイツに行っていたりした。

 

H:また、英語のインテンシブクラスに行くという選択肢もありますよ。費用は自腹ですが。

 

A:何もなければ授業も取れます(笑 CPA(アメリカの公認会計士)のために学部の授業に出たりもしていました。RadyのUndergradの授業です。

 

インターンを経て授業の見方は変わるのか?そして授業選択は?

 

編集部:それではインターンを経て、授業の見方は変わるでしょうか?そして今後の授業選択はどうしますか?インターンの経験で変わるでしょうか?

Yoshi:やっぱりR(編集部注;社会科学分野でよく用いられる統計解析言語およびソフト)の授業は使えるかなと思いますよね。。あとTechnology &Innovationですね。経済産業省の役人として興味があるところです。もう一回イノベーションも含めて勉強してみるかなという感じです。逆に、ソーシャルアントレプレナーシップはこの夏にやったからいいかなと思います。殊更にソーシャルに重点をおくのでなく、もっといろいろ違ったものを勉強したいです。

 

 A:MBAはアンテナを高めてくれるツールだと思っていて、今回のプロジェクトを通じて事業計画に触れたことで、今後も事業計画の際にはどこを気にすべきか、アンテナに引っかかってくるようになったかなと思います。今期もIndependent Studyでコンサルに近いことをやりますし。あとはRをしっかり学んでいこうと思います。

 

MBAで学んだフレームワークを使うと、まずロジックが綺麗に見えて、相手と会話がしやすくなります。不明瞭であればあるほど、何が大切かをフレームワークを通して整理して、その後の会話を効率的かつ生産的にできると思います。こういう使い方をするんだなと実感しました。

 

B:全く同感で、MBAの学びで、フレームワーク、特にストラテジーや用語を知っているというのは説得力があると思います。インターンでは、投資事業のほかに、コンサルや新規事業開発も携わる機会があり、役立ちました。

自分はファイナンスの知識が元々あり、実感なかったのですが、やはりファイナンスの授業も良かったと思います。どの授業も多かれ少なかれ、役に立っているように思います。

 

A:他のMBA生と話していても、RadyのMBAで教えてくれている内容は非常にしっかりしていて、そこは自信を持っていい、信用していいことだと思います。

編集部:長時間ありがとうございました。

編集部:4人の実際のインターンの見つけ方、獲得の仕方、その感想でした。今後の皆さんのお役に立てることを願っています。

(取材:2015年11月8日)