昭和:西暦-25
平成:西暦+12
令和:西暦-18
裁決事例まとめ(その後の裁判に注意)
「非居住者」になるとされた判例・裁決例
【武富士事件】
上告審:最高裁平成23年2月18日判決、税務訴訟資料261順号11619、判例評釈
控訴審:東京高裁平成20年1月23日判決、税務訴訟資料258順号10868
第一審:東京地裁平成19年5月23日判決、税務訴訟資料257順号10717
3年間にわたり平均200日超を香港に滞在していた消費者会社のオーナーの息子が滞在中に受けた国外財産の贈与につき、贈与時の住所が国外にあったとして贈与税課税処分が取り消された事例(その後、制度改正により制度的に対応(非居住無制限納税義務者)
【ユニマット事件】 税務速報 JUSTAX ロータス21 週刊NP
控訴審:東京高裁平成20年2月28日判決、税務訴訟資料258順号10904、判例評釈
第一審:東京地裁平成19年9月14日判決、税務訴訟資料257順号10776、判例評釈
シンガポール出国後における香港での自社株売却が、出国時に現地で長期間滞在することを目的にしていたとして、「非居住者」にあたるとされた事例
住所とは各人の生活の本拠を指し、生活の本拠とはその者の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指すものであると解した上で、一定の場所がその者の住所であるか否かは、住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族の居所、資産の所在等の客観的事実に基づき総合的に判定するのが相当であるとして、納税者個人が株式譲渡当時国内に住所を有しておらず、かつ、引き続いて一年以上居所を有しているともいえないとした事例
シンガポールを活動拠点としている者の居住者性
シンガポールに滞在し、国内法人数社及び関連海外法人数社の代表者を務める納税者(日本人)が所得税法上の「居住者」に該当するか否か
控訴審:東京高裁令和1年11月27日判決、税務訴訟資料269順号13345、判例評釈
第一審:東京地裁令和1年5月30日判決、税務訴訟資料269順号13280、判例評釈
【アメリカ人非居住者事件】
不動産取引における源泉徴収義務と非居住者の確認義務
日本国内にある不動産を譲渡した者が非居住者に当たるとした事例
控訴審:東京高裁平成28年12月1日判決、税務訴訟資料266順号12942、判例評釈
第一審:東京地裁平成28年5月19日判決、税務訴訟資料266順号12856、判例評釈
売主が「非居住者」であるか否かは買主側に調査責任あり
上告審:最高裁平成24年9月18日決定、税務訴訟資料262順号12038
控訴審:東京高裁平成23年8月3日判決、税務訴訟資料261順号11727、判例評釈
第一審:東京地裁平成23年3月4日判決、税務訴訟資料261順号11635
水産会社の外国人漁船員の配乗等に関する業務を請け負った法人に対する支払が課税上問題となった事例(東京地裁平成22年2月12日判決、税務訴訟資料260順号11378、判例評釈)
日本国籍を有しない審査請求人が国外在留中に得た報酬について、請求人は国内に生活の本拠を有していなかったから、当該期間の請求人は非居住者に該当するとした事例(平成21年9月10日裁決、判例評釈)
非居住者の判定及び国内源泉所得に対する課税方法(神戸地裁平成14年10月7日判決、判例評釈)
「居住者」になるとされた判例・裁決例
日本を含む複数の国に滞在していた原告が、所得税法上の「居住者」に該当するか否かを巡り争われた事件(東京地裁令和3年11月25日判決、判例評釈)
日本での①滞在日数、②生活の場所及び同所での生活状況、③職業及び業務の内容、従事状況、④生計を一にする親族の居住地、⑤資産の所在、⑥生活にかかわる各種の届出状況等、から居住者になるとされた事例(平成23年10月24日裁決、判例評釈)
遠洋まぐろ漁船を運航する外国の法人等に雇用された乗組員が「居住者」に該当するとされた事例
控訴審:東京高裁平成21年6月25日判決、税務訴訟資料259順号11232、判例評釈
第一審:東京地裁平成21年1月27日判決、税務訴訟資料259順号11126、判例評釈
外国船籍の船舶の乗組員であっても、住所は国内にあると認められるから居住者に該当するとした事例(平成20年6月5日裁決、判例評釈)
家族を外国に居住させ、自らは国内に住民票をおいて出入国を繰り返していた者が居住者とされた事例(平成20年12月25日裁決、判例評釈)
日本法人及び国外に所在する外国法人の役員を務める請求人は、日本の居住者か否か
シンガポールに移住したとしているものの、同国よりも日本での滞在期間が圧倒的に長く、かつ、日本法人の代表をしていたこと等から、日本の居住者になると判断された事例
控訴審:東京高裁平成20年7月10日判決、税務訴訟資料258順号10987、判例評釈
第一審:東京地裁平成20年1月17日判決、税務訴訟資料258順号10863
裁決例:平成18年5月29日裁決、判例評釈
数年前に香港に移住したとしているものの、本邦法人の代表者を務め、なおかつ、日本国内の特定地域を拠点として出入国を繰り返していたことから、居住者に該当するとされた事例(最高裁平成5年2月18日判決、判例評釈、判例時報145号106ページ)
本条1項3号にいう住所は民法21条[現22条]にいう住所と同一の意義を有するものであり、それは各人の生活の本拠であると解した上で、輸出貿易業を営む株式会社の代表取締役が生活の本拠たる住所を日本国内に有する居住者であったとした事例(大阪高裁昭和61年9月25日判決、訟務月報33巻5号1297ページ)
年のうち半分超を海外に住み活動していた国内外に多くの関連企業を有する会社のオーナー兼代表者の住居、職業、国内において生計を一にする配偶者その他の親族の居住状況、資産の所在状況等を総合勘案し、「居住者」に該当するとされた事例(神戸地裁昭和60年12月2日判決、判例タイムズ614号58ページ)
「非永住者」に該当するか否かが争われた判例・裁決例
日本国籍を有する個人を非永住者である居住者と認定した事例[平成18年度税制改正前の事案]
海外から帰国した者が行った海外資産の譲渡について、その者が譲渡時に非永住者であったとして、譲渡所得課税が取り消された事例(東京地裁平成25年5月30日判決、税務訴訟資料263順号12227、判例評釈)
過去に外交官として日本に派遣されていた期間は「国内に住所または居所」を有していたことになるので、日本滞在が5年超となり非永住者には該当しないとされた事例(平成21年10月6日裁決、判例評釈)