ストロベリームーンと軌道傾斜
6月20日の「ストロベリー・ムーン」について
今年の夏至の日に「ストロベリー・ムーン」というのが話題になりました。ここ数年は「スーパー・ムーン」が騒がれていましたが、こちらは何だったのかと調べたところ「高度が低くて赤く見える月」の事らしいです。
高度が低いと大気の層がぶ厚くなって、青い側の波長が早く散乱するので、残った赤い波長で赤く見えるらしいです。
夏至の日本は、昼間は太陽が高いですけど、地軸の傾きは夜側で反対に働くので、夜見える月に対しては冬至っぽい効果が出てます。太陽は高いけど月は低くなります。
地軸の傾きが一番効く夏至と、満月が重なるのは大変珍しい(49年以来らしい)、というのが今年の夏至のプレミアでした。
月の高度は、月の軌道面の傾きにも影響されてます。これが5度ばかり傾いており、地軸の傾き23.4度にプラマイで効いてくるので、無視できないレベルです。
stellariumで調べてみると、6/20の月の最高高度は23:51頃で、32度41分ありました。
月の公道面は年間ではほぼ固定なので、地球が太陽を周回するにつれて、満月の高度が通年で上下するのは、スーパームーンの理屈と一緒です。
でも、地軸の傾き基準で見れば、これはやっぱり18.6年かけないと一周しないんで、夏至付近で観測すれば、
9.3年毎に最大と最小を繰り返してる事になります。
今年は3月に日食があったので、あのあたりが昇降点に近いなら、6月は最低か最高のどちらかでしょう。9年後あたりの月の高度をstellariumで調べてみると、確かにそれっぽい感じになっています。
2023/07/03 23:53 23'36"
2024/06/23 00:21 23'04"
2025/06/11 23:57 22'55"←最低高度
2026/06/29 23:30 23'33"
2027/06/18 23:24 24'05"
2025年のストロベリームーンは今年よりも10度近くも低いのです。夏至からは外れますけど、「低い満月」という条件ならこの日がダントツです。
暦の上では夏至が重要なので、各地でお祭りなどが行われるようですね。今回は「夏至と満月」という組み合わせに重要性があったのかもしれません。低い月じたいは、別に毎日見られるので、チャンスさえ逃さなければそう珍しいものではないですよね。スウェーデンでは夏至のお祭りにイチゴを食べるんだそうです。
今回はStellariumで調べましたが、白道の表示機能があるのはステラナビゲータくらいなので、なかなか調べるのが面倒でした。Mitakaでも調べられますけど、さらにやっかいです。
ちなみに、2025年くらいだと、両者は誤差範囲で値がずれます。全体的な傾向は合っているので、理屈としては合っているのだと思います。
奥村 朗夫(2016.6.26)