Research

スーパーコンピュータを用いて,ワイドギャップ半導体,光触媒や燃料電池,リチウムイオン二次電池などのグリーンエネルギーデバイスを研究しています。


  • ワイドギャップ半導体の電子構造解析とバンドギャップエンジニアリング

可視光に感度のあるワイドギャップ半導体の開発は,LED照明などへの応用や,高効率の太陽電池を開発するために重要です。ワイドギャップ半導体の電子特性は格子欠陥や不純物に大きく影響されます。当研究室では不純物をドープしたときの半導体の電子状態や,界面や表面での電子状態を第一原理電子構造計算により詳しく調べています。これらを通して理想的なワイドギャップ半導体材料の設計を目指しています。



  • ダブルペロブスカイト型光触媒の電子構造に関する研究

光触媒とは光を吸収して化学反応を促進させることができる物質の総称です。有機物や細菌を分解したり,水から酸素や水素を生成したりすることができます。光触媒としてはTiO2が有名ですが,紫外域にのみ感光性があり可視光を有効利用できていないなどの問題点が存在します。我々はダブルペロブスカイを母物質として,可視光に感度のある光触媒を設計することを目指しています。



  • 炭素系活性サイトによる燃料電池の電子構造に関する研究

燃料電池は酸素と水素から水を作りだし,余った電子を外部回路に供給して電力を発生させます。しかしながらプラチナなどの貴金属を触媒として利用するため,その資源の確保が問題でした。最近,グラフェンやカーボンナノチューブに埋め込まれたFeN4サイトが燃料電池の反応の触媒となることがわかってきました。我々はFeN4活性サイトの燃料電池への応用研究を通して,新規な燃料電池極材料の設計を目指します。


  • リチウムイオン二次電池の極材の電子構造に関する研究

リチウムイオン二次電池は正極と負極の間でリチウムイオンをやり取りすることで電池動作を実現しています。一般的に正極にはCoやMnなどを含む金属酸化物,負極には炭素系材料を用いて電池を構成します。我々は極材料における反応過程,すなわちリチウムイオンの吸着,侵入,脱離の全過程を第一原理計算で追跡しています。これによって効率に優れた電池材料の開発を目指します。


  • 分子動力学計算コードの開発

当研究室では分子動力覚計算コードを開発しています。これまでに古典系,強結合量子系,第一原理系の分子動力学計算コードをC言語にて開発してきました。これらの高速化と一般化,および新しいダイナミクスの実現を目指します。


  • 科学技術計算とグラフィックスプログラミング

Linuxによる科学技術計算環境の研究開発に取り組んでいます。また分子動力学計算および電子状態計算を可視化するプログラムの開発もおこなっています。汎用性のある,ユーザーインターフェイスに優れたソフトウエアの開発が目標です。

ZnO表面から水素原子を挿入


ダブルペロブスカイトの電子状態の可視化図

ダブルペロブスカイトの価電子帯頂上(左)と伝導帯最下部(右)の電子状態の空間分布


カーボンナノチューブに埋め込まれたFeN4での燃料電池反応


Liイオン二次電池の負極としてのカーボンナノチューブに取り込まれていくリチウムイオン


V2O5内を拡散していく酸素原子の分子動力学シミュレーション


  • 上記の図の詳細はPaperのページにある原著論文を参照してください。

Research topics

  • Electronic structure calculation of the interfaces between organic molecule and substrates.

  • Electronic structure calculation of carbon nanotubes.

  • Design of molecular devices and fuel cell catalysis.

  • Band structure investigation of the double-perovskites.

We currently use the vector super computer NEC SX-ACE at the cyber science center, Tohoku University, and the scalar super computer SGI-XE at the ISSP, University of Tokyo.

We are mainly using the DFT code VASP developed at the University of Vienna, Austria. Please refer to the site of Dr. K. Kobayashi at NIMS for more details of the theoretical background.

In addition to these research topics, we have been developing our own molecular dynamics (MD) codes in C language. These are the classical molecular dynamics code called MDC which can handle the ionic systems and also the covalent system with three-body potential), the tight-binding molecular dynamics code (Xu's parameters for Carbon system + localized O(N) method implementation), and the ab-initio molecular dynamics code (BHS psudopotential+LDA).