ここでは、英語圏の哲学の留学に役立ちそうなリンクを紹介します。
1. 海外PhDのあれこれ
Essential PhD tips: 10 articles all doctoral students should read
The Times Higher EducationによるPhD向けの記事です。哲学に限らずPhD一般に向けての記事が色々掲載されています。
Choosing a Philosophy Graduate Program: Advice to Australians
シドニー大学のMark Colyvan教授によって書かれたオーストラリアの哲学の学部生向けのアドバイスです。「オーストラリアと他の国(アメリカやイギリスなど)の大学院では、どちらに進学するべきか?」、「Supervisorを選ぶ際には何に気を付けるべきか?」などが書かれているので、日本人の方でも参考になると思います。また、一番下には有益なリンク集があります。
The Early Career Job Market: Information and Advice for Australian Philosophers
これまたシドニー大学のMark Colyvan教授によって書かれたオーストラリアの哲学のpostgraduate student向けのキャリアアドバイス。一番下にはやっぱり有益なリンク集があります。ただし、全体的に情報がちょっと古いのであくまでも参考程度にしてください。
Brian Leiter教授によって始められた、英語圏の大学の哲学科のランキングです。こういったランキングを気にしすぎるのもどうかなと思いますが、哲学者たちへのサーベイに基づいていることもあり業界内での評判をそれなりに反映していると思うので、留学先の大学を選ぶ際には(特に留学後に海外のアカデミアでの就職を考えているのであれば)とりあえずチェックすることをおすすめします。
Advice for applying to PhD Programs in Philosophy
ラトガース大学の哲学科のDirector of Grad Admissionsを務めているAlex Guerrero教授によって書かれた哲学科のPhDプログラム受験のアドバイス。海外の大学の哲学科のPhDに出願しようとする人は絶対に読んだ方がいいと思います。
ANUでPhDを取得して現在(2021年)ノルウェーでポスドクをされているOle Koksvikさんによる、哲学のプレゼンに関するアドバイス。
Early career philosopher向けのサイト。HPに寄せられた様々な質問を基にスレッドが立てられ、そこに様々なアドバイスが投稿されます。論文の投稿、PhD生活の秘訣などに関するスレッドもたくさんあるので、色々見てみてもいいかもしれません。また、job marcketに出てからはJob-market reporting thread、Current Job-Market Discussion Threadにもお世話になると思います。
University of California, Santa BarbaraのDaniel Z. Korman教授が、Advice for the Philosophy Job MarketとMaking the Most of Philosophy Grad Schoolという2つのアドバイスを書いています。
University of DublinのAlison Fernandes助教授が、哲学論文の書き方、アメリカのPhDプログラムへの応募のアドバイス、そしてご自身のJob Marcket体験談を書いています。
2.英語論文の執筆
政策研究大学大学院の大塚啓二郎教授によって書かれたアドバイスです。英語論文の書き方のみならず、国際会議への臨み方など様々なアドバイスがなされています。
オーストラリアの哲学者Neil McKinnonさんによって書かれた論文出版のためのアドバイスです。海外の哲学ジャーナルのおおよそのランク分け、初めての論文はどのランクのジャーナルから出すべきか、Submishionのプロセスなどが書かれています。
A Closer Look at Philosophy Journal Practices
海外の様々な哲学ジャーナルでどのように査読が行われているかについて、様々なジャーナルにインタビューした記事です。
Guidelines on Writing a Philosophy Paper
Guidelines on Reading Philosophy
アメリカのノースカリフォルニア大学教授Jim Pryor哲学による論文の書き方・読み方についてのアドバイスです。アメリカやオーストラリアでは多くの人が参考にしていることもあり、哲学を専攻する人なら一読をおすすめします。
自分が英語論文を執筆する際によく用いているサイトです。Online Collocation DictionaryとLudwigはコロケーションの確認のため、Academic Phrasebankは英語でよく使われる論文表現を調べるために使っています。
3.(哲学の)リスニング教材に便利そうなもの
英語のリスニング教材一般についてのおすすめはよくみるものの、哲学専攻の学生向けのリスニング教材のおすすめはあまり見ないなぁと思ったので書いてみます。
3.1 Podcast
まず、以下はPodcastsで聞ける哲学関連のプログラムです。iTunesで検索してみてください。リスニングが苦手だという方には、一つのプログラムが15分程度のPhilosophy Bitesか25分程度のThe Philosopher's Zoneがおすすめです。
おそらく哲学では最も有名なポッドキャストではないでしょうか。哲学者たちが自身の研究を非専門家にもわかるように説明してくれています。
The Philosopher's Zone-Program podcast
オーストラリアのラジオ番組。様々な哲学のトピックについてオーストラリアの哲学者たちが語っています。
Elucidations;A University of Chicago Podcast
月に一度、著名な哲学者を招いて彼らの専門、そして自身の最新の研究について語ってもらうというポッドキャスト。
History of Philosophy without any gaps
King's College Londonの教授Peter Adamsonによる、哲学史を”空白なく”描こうというポッドキャスト。古代哲学だけで119本も番組があったり、西洋哲学だけではなくインド哲学やアフリカ哲学についてもプログラムがある辺りに本気度がうかがえます。
The Panpsycast Philosophy Podcast
哲学者たちへのインタビュー。あまり知られていない気がしますが、Galen Strawson、David Papineau、Daniel C. Dennett、Steven Pinkerなどといった有名な人もたまに話しています。
アメリカのラジオ番組。科学、道徳、人間性(human condition)について様々な人達にインタビューしています。
科学哲学者へのインタビュー。Bas van Fraassen、Tim Maudlin、Elliott Soberなども出演してます。
形而上学と科学哲学に関する近年の論文について著者本人にインタビューするというポッドキャスト。形而上学が大々的に扱われているのは少し珍しい気がします。
Sean Carroll's Mindscape Podcast
有名な物理学者Sean Carollさんが科学や哲学、文化、芸術などの様々なトピックについて専門家の人と対談するポッドキャスト。ちょくちょく科学哲学者の方が登場します。
Proceedings of the Aristoterian Society
Proceedings of the Aristoterian Societyでの講演を録音したもの。他と比べるとかなり専門的になるので、ある程度リスニングになれてきてから挑戦することをおすすめします。
自分はあまり試していませんが、iTunes Uでも色々哲学関連のプログラムがあげられているので、そちらも試してみるといいかもしれません。
3.2 YouTube
YouTubeにもたくさんリスニング教材があります。
「科学・哲学・神学上のテーマについて、著名な哲学者や科学者、宗教家にインタビューする番組。一本あたりが3~10分程度と非常に短いので、リスニングが苦手な方におすすめです。ゲストも結構大物が出てくる(哲学者ならチャルマーズ、ネッド・ブロック、ジョン・サールなど)ので、聞いていて楽しいです。
Center for Philosophy of Science
Rotman Institute of Philosophy
これらのチャンネルは頻繁に哲学のセミナーの動画をあげてくれるので、セミナーや学会発表のリスニングの練習をしたいという方におすすめです。
University of Oxford John Locke lecture
Oxford Universityでは年に一回、大物の哲学者を招いてJohn Locke lectureと呼ばれる講義を開催しているのですが、その過去の講義がここで聞けます。David ChalmersやStephen Yablo、Hartry Fieldなどのそうそうたる面子による講義が聞けるだけではなく、一部の講義はスライドやハンドアウトもアップされているので留学後の授業のイメージトレーニングにももってこいかもしれません。
ほんわかする映像とともに、様々な現代の哲学をわかりやすく教えてくれています。YouTube上では、一番初心者向けかもしれません。
時間の哲学や物理学の哲学に関する発表の動画があげられています。
上で挙げたもの以外にもYouTubeには講演会の動画が色々あげられています。著名な哲学者の名前で検索してみると結構動画が出てくるので、自分の専門の有名な哲学者でぜひ試してみてください。
4.その他
サウスカロライナ大学の哲学のJustin Weinberg准教授が運営する、海外の哲学界隈のニュースや情報を扱うブログ。