Our interests
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異なる環境への迅速な適応
気候変動と適応
地球上の生物は、変動する環境のなかで自らを改変させながら生きています。広い環境に適応する生物は、その遺伝的変異をどのように獲得し、維持してきたのか。日本各地に分布し、形態的な変異の多い野生キイチゴRubus palmatusを題材として、ゲノム解析と相互移植実験を行っています。
適応的浸透交雑
異なる気候帯に近縁種をもつ種は多く見られます。環境が変化するとき、すでに別の環境に適応している近縁種から有用な遺伝資源の供給をうけることで迅速な適応が可能になると考え、野生キイチゴを題材に研究しています。
野生キイチゴのゲノム解析
日本に広く生息するRubus palamtusとその近縁種は、バラ科キイチゴ属に属する2倍体の植物です。ゲノムサイズは比較的小さく、250Mbp程度と推定されています。これまで90%以上のゲノム配列を決定しました。発現解析による遺伝子のアノテーションを行っています。
遺伝的多様性の生態系での役割
種内の多様性は種多様性と比べると、生態系機能にはたす役割としてはあまり着目されてきませんでした。しかし、近年では遺伝的な多様性が環境ストレスに対する生態系の強靭さに関わっていることが報告されています。遺伝的多様性の生態系機能における役割を研究しています。
景観遺伝学
マイクロハビタットでは、遺伝子流動が高いため景観内の局所適応は困難だと考えられます。しかし景観レベルで異なる形態を示す植物もあります。遺伝子流動の計測などをとおして景観レベルでの多様性の維持について研究しています。
保全生態学
人類の活動によって個体数が減少傾向にある生物たちの現状を知ることを有効な施策を考える上で必要不可欠です。とくに園芸種や栽培種などから野生近縁種への遺伝子流動は、見た目だけではわからづらい影響ですが、これまで培われてきた野生の遺伝資源や適応的変異に影響を及ぼしかねません。現在は、東京都などで絶滅危惧に指定されているカワラナデシコを題材に研究を進めています。
住友財団、代表、2021-2022
日本学術振興会 : 科学研究費補助金、基盤研究(C)、代表、2020-2023
日本生命財団 環境問題研究助成、2020-2021
八雲環境科学振興財団 環境研究助成、2020-2021
両備てい園記念財団 研究助成金、2019
日本学術振興会 : 科学研究費補助金、基盤研究(C)、代表、2017-2020、近縁な種間でみられる収斂進化の遺伝的基盤
日本学術振興会 : 科学研究費補助金、挑戦的萌芽研究、分担、2015-2017、針葉樹更新初期に顕在化する近交弱勢遺伝子のゲノムワイド探索(代表者: 後藤 晋)
日本学術振興会 : 科学研究費補助金、若手研究(B)、代表、2013-2015 、迅速な適応を可能にする遺伝子変異の由来の判定
日本学術振興会: 科学研究費補助金、基盤研究(A)、分担、2012-2015、植物の対照的適応戦略に関する次世代分子生態学(代表者: 矢原 徹一)
日本学術振興会: 科学研究費補助金、基盤研究(B)、分担、2011-2013、東アジア原産観賞植物の栽培化と野生化に関する保全生物学的研究 (代表者: 山口 裕文)
日本学術振興会: 科学研究費補助金、若手研究(B)、代表、2010-2012、異なる環境に適応分化する2種間の遺伝子浸透とニッチ変化過程の解明