2023年12月に地元新聞に投稿しましたが残念ながらボツになりました。せっかく書いたのでここに掲載します
2023年12月に地元新聞に投稿しましたが残念ながらボツになりました。せっかく書いたのでここに掲載します
国策としての沖縄鉄軌道について(ボツ)
沖縄県では鉄軌道建設についてコースプランまで提示しているが計画は進展していない。県発行の鉄軌道ニュース第9号によれば現在有力な想定コースは那覇から浦添、宜野湾、沖縄、うるま市から恩納村を経て西海岸を名護市まで走るルートだとしている。那覇からうるま市までの区間はその多くが地下鉄でありその建設費についてニュース第8号では建設は公共事業として行い、運行を運行事業者が行う上下分離方式が望ましいとしている。私は平成27年にうるま市議会議員として同僚議員と共に内閣府へ鉄軌道について直接要請活動をした事がある。その時の担当者の対応は厳しいものであった。
こう言われた。県案では費用対効果が悪く実現可能性はない。大部分が地下鉄なのは費用もかかるし観光立県としてどうなのか疑問である。さらに建設費に対してはこう言われた。国鉄などはもう存在しないのだから建設費の全額国負担はあり得ない。このように沖縄県の計画案を全面否定された。私はさらに質問した。ではどうすれば可能性は開けるのかと。担当者は少し考えた後、高架式で単線鉄道なら費用はかなり抑えられるかもしれない。それでも公共事業ができる数値にはならないだろうが今後の観光客の伸びを考慮すれば可能性はあるかもしれないと答えた。日本はかつて国鉄を運営し各地に線路を伸ばして発展の礎を築いた。国鉄は赤字を抱え消滅したがその債務は現在も残りその返済にはたばこ税が充てられ県内の愛煙家も返済に協力している事になる。現在沖縄では国策において軍事施設が増強されている。国策において県民の有事における危険性が増している。軍事施設の増強が著しい離島においては自治体がシェルターの建設を求める事態となっている。政府も要請には前向きな雰囲気もある。そこで本島においては避難施設としての地下鉄も有効と考えられる。ウクライナにおいては戦争開始直後の爆撃に対して市民が地下鉄に避難する様子がニュースで流れた。戦争はいきなり地上戦とはならず最初期は爆撃なのだと実感した。そして地下鉄が市民にとってシェルターとして有効なのだと分かった。沖縄の鉄軌道はあくまでも避難用ではないが平時は市民、観光客の足としてそして物流の大動脈として、さらに決して望みはしないが有事の際には命を守る傘として地下鉄を考えたい。これは国策として許されるのではないか。国鉄はもうないけれど。
うるま市議会議員 松田久男
辺野古埋立承認の是非と普天間基地の即時返還への考察(ボツ)
県民の民意を後ろ盾に辺野古埋立に断固反対する県と、日米安保と法的根拠を押出して強硬な態度を崩さない政府の間には現状において交渉の目途はつかない。互いの正義がぶつかるこの問題について政治的立場から考察する。一般的にほとんどの政治的問題の解答は両極端には無く両極の間のどこかにある。互いが信じる原理原則は最も離れた位置にあり歩み寄らない限り交渉する事はできない。自己の正義を貫く団体や個人のその姿勢は清々しいかもしれないが2本のレールは永久に交わらない。両者の立場から考えてみよう。日米安保を国防の柱とする政府は米国との約束を守らなければならない。またすでに多額の税金を投入しており今更それを失敗とは認め難い。裁判においても勝利しており引下がれば国民の不信を招きかねず、ゆえに強行してでも進めたい。
県の立場からすれば、長年に渡る基地関連被害に対するたまりにたまった思いがあり、世論は大多数が基地反対である。たとえ裁判で負けても引下がった瞬間に県政支持者の猛反発をうける。行くも地獄戻るも地獄である。両者に欠けているのは相手の現状と自らの現状を理解し交渉する態度である。政府として強硬すぎる態度は県民のみならず全国から非難を浴びかねず、できれば合意の上で埋立を進めたいであろう。県はこのままでは法律で押し切られ何も得るものは無く工事は止められない。普天間の返還時期も不明となる。私は政治とは理想を掲げて妥協を探る作業の連続だと考える。解答は両極には無くその間にある。次に述べるのは一つの考察である。県は裁判の結果を踏まえ断腸の思いながらも埋立を承認する。これによって政府と県の決定的な断絶を防ぐ。その条件として普天間基地は県外・国外のどこかへ期限付きで一時移転する。その期間は辺野古基地建設が完了するまでとする。明確な期限付きであれば交渉のハードルは低くなる。米軍は嘉手納基地においても航空隊の常駐からローテーション配置へと転換したように実は柔軟な対応ができる。もっと言えば狭い沖縄に集中して配備するより兵力温存に有利と思う。当然他県の人は反発するだろうが、全国において期限付き一時移転すらできなければその時日本国民は国防の論理破綻を実感する事になるだろう。他にもっと良い解答があればいいがいずれにせよ地政学上の問題と逃げてはいけない。
うるま市議会議員 松田久男