広義の理想主義の意味として、例えば次の言葉を挙げたいと考えます。

「それ故に、人がどういう哲学を選ぶかは、その人がどういう人間であるかによっている。

というのは、哲学体系というものは我々の好むままに捨てたり採ったりすることの出来る

死んだ家具ではなく、それを持っている人間の心によって生命を与えられているものであるからである。

生来怠惰な性格、あるいは精神的な隷属状態や習い覚えた贅沢や虚栄によって弛緩されねじまげられた性格の人は

決して理想主義(観念論)にまで高まってゆくことはないであろう。」

(フィヒテ『知識学の第一序説』)