制御工学研究室 / Control Lab.

Prof. Manabu Kosaka, Dr. Eng.

Professor of Control Lab.

Dept. of Mechanical Engineering, 

Faculty of Science and Engineering, 

Kindai University

M. Kosaka received the BS, MS and D. Eng. degrees in electronics from Osaka Prefecture University, Japan in 1989, 1991 and 1999, respectively. From 1991 to 2001, he was a researcher at DAIKIN Industries Ltd., Japan. Since 2001, he has been with Kindai University, Japan. He is currently a Professor at the same Institution. From 2007 to 2008, he was a visiting researcher at Bournemouth University in UK. His research interests include control theory and its application.

● 制御とは? / What is control?

さまざまな“モノ”をうまく操ることを制御と言います。この研究室で操るのは・・・

【“ロボット”を操る!】

コップの水がこぼれない自動追尾制振台車、コケない自転車、ジャンプする一輪車、人の技を超える曲芸ロボットなど、人の役に立ち、人を楽しませるロボットの開発を目指します。

【“制御理論”を操る!】

実用的で役に立つ制御方式を新しく開発することを目指します。

 

【“電気自動車”を操る!】

回転角度を推定するセンサレスドライブ制御や、入力が制限されてもうまく制御するアンチワインドアップ制御、制御器の設計を自動的に行うオートチューニング制御や、回転むらを抑制する制御を開発し、電気自動車やロボットへの応用を目指します。

 

【“筋電位”で操る!】

力を入れると筋肉が固くなり、その付近の皮膚が微弱な電気をもちます。これを筋電位といいます。筋電位で義手や筋肉を操れば、思い通りに強い力を出すことができます。まずは筋電位でパソコンを自在に操ることを目指します。

 

【“空気圧モータ”を操る!】

システム同定、ロバスト制御、非線形制御、インピーダンス制御などを開発し、2足ロボットや介護ロボットへの応用を目指します。

研究を通して身につくことは・・・

☆ “工学的センス” と “問題解決能力” そして、“チームワーク力”

☆ 制御工学、電気回路、C言語、制御系シミュレーションソフトMATLAB/Simlilnk

☆ 計画を立て、計画どおりに実行すること

☆ これまで身につけた知識を活用して新しいことを発見する楽しさ

● 研究内容 / Researches

【モータのセンサレスドライブ】・・・回転角センサを使わなくても回転角や回転速度を制御できるようにします。

"Motor position sensorless drive" operates PC or smartphone without using keyboard or finger.

同期モータを駆動するとき、モータの回転角の情報が必要です。しかし、回転角センサは精密機器なので壊れやすく、コストもかかります。そこで、モータの物理特性を利用して電圧と電流から回転角を推定し、電気自動車などが壊れにくくなるようにします。

・テーマ / Theme

1.ブラシレス同期モータの回転角センサレスドライブ

2.ブラシ付きDCモータの回転角センサレスドライブ

3.電気自動車の回転角センサレスドライブ

4.ロボットの回転角センサレスドライブ

【制御理論の実用化】・・・制御理論が実際の制御で役立つようにします。

Improving the "Control theory" for practical use.

高校数学による制御理論の解釈や、実用的な制御器の設計方法を研究します。

・テーマ / Theme

1.リミットサイクルによる限界振動の推定

2.安定余裕を指定できるPID設計法

3.高校数学によるナイキストの安定判別法の証明

4.安全なフィードバック実験による限界振動の計測

5.限界周波数での制御対象の低次元化とその部分的モデルマッチングへの適用

【ロボット】・・・人の役に立ち、人の技を超えるロボットを研究します。

"Robots" by human, for human, and beyond human

1) 台車に飲みかけのコップを置いて、大学の構内を散歩すると、水をこぼさないで台車がついて来る。そんなロボット台車を開発します。

2) 自転車に赤ちゃんや幼児を乗せて危なっかしくフラフラしながら二人乗りをするお母さんをよく見かけます。

赤ちゃんや幼児はひとときも目が離せません。ちょっとした買い物やお出かけのときも目が離せません。車の免許を持ってないお母さんもいるでしょう。

なので、どうしても慣れない自転車に二人乗りせざるを得ないのです。

でも、もし万が一、転倒すると赤ちゃんや幼児が大けがをしてしまう恐れがあります。

そこで、ロボット制御技術を応用した、コケない自転車を研究します。

バランスを崩してふらついてコケそうになっても、ロボットがしっかりバランスを取り、たとえ停止しても倒れないで立ち続ける自転車を目指しています。

3) 荷物が散らかった部屋、隙間が少しかないほどギュウギュウ詰めの倉庫などの狭い通路を移動するには一輪車が適しています。また、階段を昇るためにはジャンプできればいいでしょう。さらに、ジャンプし続けても倒れなければ、ガレキの山も進めるでしょう。そのようなジャンプする一輪車ロボットにライトやカメラを取り付ければ、警備ロボットとして人の役に立ちます。そしてその動作を見ているだけで人を楽しませてくれる、そんなロボットを目指します。

4) サーカスの曲芸や、オリンピックの体操選手、中国雑技団、そして日本伝統の傘回し。どれも修行をこなした上で身に付けたもので、人の身体運動能力の素晴らしさを実感することができます。このような曲芸をロボットはできるのか?そんな疑問に答えるため、人の技を超える曲芸ロボットの実現を目指します。実現すれば、曲芸芸人のように人を楽しませることができます。

5) テニスのストロークやサーブでは手首を脱力すると威力のあるショットを打てると言われています。野球のバットの打撃や、打撃系格闘技でも力まないで脱力したほうがスピードを出せると言われています。これらのスポーツの打撃における脱力の効果を、機械工学の知識を駆使して理論的に裏付けます。その成果をロボットに搭載することを目指します。

・テーマ / Theme

1. コップの水がこぼれない自動追尾制振台車

2. コケない自転車

3. ジャンプする一輪車

4. 人の技を超える曲芸ロボット

5. スポーツの打撃における脱力の効果の理論的裏付け

【筋電位インターフェース】・・・キーボードも指も使わないでパソコンやスマートフォンやゲームを操作できるようにします。

"Interface using myoelectric signal" operates PC or smartphone without using keyboard or finger.

指を動かすと、上腕の筋肉が収縮して微弱な電圧を発生します。その電圧を筋電位といいます。筋電位を計測してうまく情報処理すれば、キーボードも指も使わないで、パソコンやスマートフォンを制御できます。つまり、指を動かせない患者でも文字入力等を行えることを目指します。

・テーマ / Theme

1.筋電位を識別して文字等に変換する新しい方法(パターンマッチング法、2次元分布、新規法)

2.文字入力しやすい筋電位発生部位の調査

3.筋電位計測回路の高精度化

4.2次元分布電極の貼り付け位置の最適化

【機能的電気刺激】・・・麻痺患者が再び歩けるようにすることを目指します。

"Functional Electrical Stimulation (FES)" helps hemiplegia to walk.

脳卒中を患うと多くの場合、後遺症として麻痺が残り、手足を自由に動かせなくなってしまいます。そうなると麻痺患者の多く.は、車いす生活を強いられてしまい、外出する機会が減って運動不足となり、ひどい場合は寝たきりになってしまうこともあります。

また、肩や手足のマッサージを行う健康器具として低周波治療器または電気治療器があります。これは、皮膚に貼り付けた電極を通して運動神経に電気刺激を与え、筋肉を収縮させることでマッサージ効果を生み出すものです。ダイエットに効果のあるといわれるEMSも同じ原理をもちいた健康器具です。

そこで、麻痺患者の筋電位に応じて適切な電気刺激を与えることを研究しています。本研究が実用化されると、麻痺した手足を患者の意思どおりに自在に動かすことができます。つまり、歩けなくなった患者が、再び歩けるようになります。また、麻痺した筋肉を収縮させることによって血行が良くなって成人病予防になります。さらに、リハビリについても、意思どおりに筋肉が収縮するので、脳が刺激を受けて麻痺が改善されることが期待できます。

1) 脳卒中で麻痺になると、足のつま先を上にあげられなくなることが多く、そうなるとスムースに歩けなくなります。この症状を垂れ足といいます。かかとにスイッチを取り付け、かかとが浮いたとき、つま先を上げるようにFESをかければ再びスムースに歩くことができます。欧米では、すでに実用化され、医者に行くと患者さんはFES装置を手渡されて日常生活の中で活用しています。

しかし、現在のFES装置では、スイッチのオンオフに応じて、一定の強めの強度のFESをかけています。筋肉は疲労すると強く刺激しないと収縮しないため、はじめから強い強度に設定するのです。そのためいつも力んだ歩き方になってしまいますし、早く疲労してしまいます。

そこで、フィードバック制御を用いてうまく運動できるように適切な強度の刺激を与える研究を行います。

・テーマ / Theme

1. 運動を正確に行うためのFESフィードバック制御系設計

2. 麻痺した筋肉を思い通りに動かす筋電位増幅パワーアシスト

【空気圧式二足ロボット】・・・人にぶつかっても安全なロボットを目指します。

"Pneumatically actuated biped robot" is safety for human because of its flexible joints.

近い将来、家庭用ロボットが普及すると考えられています。

家庭内の階段や畳を移動するのに適した歩行は、人と同じ二足歩行と考えられます。現在開発されている二足ロボットはほとんどが電動モータを使用しています。

電動モータは人の関節に比べて重さの割にトルクがとても小さいため、ギアを介してトルクを上げています。すると、ロボットの関節の剛性が高くなり、とても硬い関節になってしまいます。そのように硬い関節に人がぶつかると、大きな衝撃を受けて危険です。

そこで、電動モータの代わりに空気圧モータを使用する二足ロボットを研究します。空気圧モータは、空気に圧力を加えてシリンダロッドを伸縮させる仕組みをもちます。空気の圧縮性によって、空気圧ロボットの関節はクッションのように柔らかくなるので、人がぶつかってもより安全です。しかし、その空気の圧縮性は制御を難しくします。また、空気圧モータにはさまざまな非線形性があるため、単純に制御を行うと自励振動が発生してしまいます。この振動を抑制して、空気圧式二足ロボットに歩かせることに成功しました。

● 卒 研 / Graduation work

【卒研の年間 スケジュ スケジュール / Annual schedule】

● 研究業績 / Works

【受 賞 / Awards】

【著 書 / Books】

【学術論文 / Research Papers】

【特 許 / Patents】

出願25件、内11件権利化済 (11 patents including 2 international patents)

【国際会議 / International Conferences Proceedings】