昨今、特に留学生の大学院進学希望の問い合わせを受ける機会が増えてきています。しかしながら、明らかに私の研究領域と異なる研究計画書や研究準備が不十分と思われるケースが多数あるため、こちらのページで院試で必要な要件について解説します。ミスマッチを避けることが主眼で、あとは大学院の正規の院試プロセスで選考を受けることになりますので、その点は注意をしてください。
私の大学院での担当は「財政学研究」です。学部では公共経済学を教えていますので、関連領域についても指導可能です。なお、財政学でも以下の領域に関して指導可能で、その他の領域については相談次第となります。
国民経済と財政分野を組み合わせたシミュレーション分析
財政運営、財政規律とマクロ経済に関する実証分析
税・社会保障に関するマイクロシミュレーション(所得格差など)
分析の対象は日本経済、日本財政ですが、他の国のデータを用いた分析なども可能です。なお、いわゆる現代経済学(modern economics)に付随するミクロベース、マクロベースの理論の手法を使い、計量経済学などの統計的手法も用いるため、プログラミングも利用します。もちろん、国内外の財政制度との比較の中で現代経済学の手法を用いるものも指導可能です。
大学院での指導には基礎的な能力が必要です。もちろん、経済学部出身でなければ指導できないというものではありませんが、まず少なくとも担当大学院の院試を通過する程度の学力は必要です。正規の院試の手続きで、入学を認められることを前提として、以下の能力が必要です。
後期課程への進学は研究者としてひとり立ちすることが求められます。したがって、5年前後という限られた期間で一定の能力を身に着けなければなりません。そのため、ミクロ・マクロ経済学の一般的な能力を入学前に身に着けておくことが望ましいです。また、統計を使う場合には計量経済学を始めとする統計手法も身に着けておくことが望まれます。シミュレーションを行う場合には、プログラミング能力が必要ですので、入学前とは言いませんが、そういった作業に心積もりが必要です。
前期課程で就職を希望する方は大学院で書いた修士論文が社会一般の方々にも一定の専門性があるとみなされる程度の内容になっている必要があります。2年で修了を目標としているでしょうから、ある程度の準備がされていることが望ましいです。具体的には、基礎的なミクロ・マクロ経済学を入学前に身に着けておくことが望ましいです。計量経済学やプログラミングは未経験でも、統計学については大学の入門レベルの知識は求められます。
就職をしながら、問題意識を持って前期課程で研究を希望する方は、本学大学院に所属する同僚研究者から、修士論文として認められる程度の論文を執筆する必要があります。すでに社会人として勤務をこなす一方で、問題意識を研究を通じて自信の問題意識を解消することが目的だと考えますので、経済学の前提知識については入学後に磨いてゆくことも考えて良いと思います。ただし、職業上生じた問題意識を特に重視します。具体的には、研究計画書において、現在の職業内容と解決したい問題に関して、詳細な説明が行われ、かつその解決に向けてどのような取り組みが準備されているかを十分説明できていることが求められます。また、基礎的なミクロ・マクロ経済学を入学前に学んでみて、数式アレルギー、データアレルギー、プログラミングアレルギーなどの研究活動で大きな問題になりうる適性上の問題がないことを確認しておいていただきたいと思います。
いきなり院試の際に私を主指導教員に指名していただいても、所定の要件が整っていれば合格の可能性はありますが、明らかな不一致の場合には書類選考で不合格となります。そのため、できるだけ、院試を受ける前に事前に連絡を取っていただき、メールやオンライン面談によって、上記の要件が満たされるかどうかについて、すり合わせをするのが望ましいと思われます。もし、私の指導を希望する場合には下記リンクから、問い合わせをするようにしてください。
連絡を確認次第、できるだけ速やかにご連絡差し上げます。連絡可能な電子メールを記載するようにしてください。
これまで以下のテーマについて修士論文を指導してきました。後期課程については論文執筆まで指導可能ですが、これまで指導したことはありません。
日本の患者の大病院志向に関する実証分析
日本のPFIの運営方式と効率性に関する実証分析
中国の年金財政の将来推計シミュレーション(英文)
日本大学大学院経済学研究科では授業科目は「財政学研究」を担当しています。特定のテキストを定めず、受講希望学生の希望に応じて文献を示して、必要に応じて、資料報告を踏まえた解説、不足部分についての授業、論文執筆に向けてのアドバイスなどを行っています。複数の受講生がいた場合には報告機会を交互にするなどして、受講生に均等に財政学に関する研究指導をしています。基本的に、研究計画を踏まえた文献等の助言をするので、研究目的を明確にしてほしいと思います。
和文・英文を問わずに文献を示すので、その点も注意してください。なお、レベルについては、経済学部出身者・非出身者など個別事情があるので、柔軟に対応しています。経済学に習熟した受講生とそうでない受講生が同時期に受講すると、他方の報告で、習熟した受講生には物足りない部分や逆に高度すぎてついて行けない可能性がある点にも注意してください。