神伝流とは、現在12流派伝わる日本泳法のうちの一つです。
日本泳法は近代泳法で用いられるバタ足やかえる足ではなく、あおり足や巻き足と呼ばれるキックにより、横泳ぎや立ち泳ぎなどを行います。速さだけを競う近代4泳法とは異なり、実用的なものとして発展してきたものです。
そのうち神伝流は戦国時代の水軍兵法に発祥し、江戸時代には伊予・松山で確立されました。現在東京に伝わるものは、幕末期に津山藩士の植原翼龍が江戸へ伝えた「東京神伝流」として受け継がれているものです。
司馬遼太郎の名作「坂の上の雲」の主人公である秋山真之は、神伝流発祥の地である松山の出身です。平成21年に放送されたNHKドラマでは、真之役を演じる本木雅弘さんが御囲い池の場面で神伝流を泳いでいました。