KSP489th

第489回関西社会心理学研究会(KSP)は,この10月に神戸大学大学院人文学研究科に来られたターン有加里ジェシカさんにご発表いただきます.是非多くの方にご参加いただければ幸いです.

【日時】2023年129日(土)14:00-17:00

【会場】大阪大学(吹田キャンパス)大学院人間科学研究科本館1F インターナショナルカフェ アクセス + Zoom
    ※当日は「正面玄関」あるいは「生命科学図書館側ウッドデッキ部分」からお入りいただけます.

【発表題目】集団におけるコスト分担の理想と現実

【発表者】ターン有加里ジェシカ神戸大学大学院人文学研究科

【概要】誰かが集団のためにコストを負担しなければいけないという状況は日常にあふれています。卑近な例として、地域社会や職場において共有スペースが汚れているとき、誰か1人が掃除すれば全員が清潔な環境を享受できるという状況があります。多くの場合、共有スペースを掃除するのにかかる時間は成員によって異なります(掃除するのに30分かかる人もいれば、50分かかる人もいるかもしれません)。このとき、掃除にかかる時間が他成員より多い人は、他成員と比べて、どのくらいその仕事を引き受けるのが理想的だと思われているでしょうか?また、実際にはどのくらいその仕事を引き受けるでしょうか?

発表者は、社会的ジレンマの一種である「ボランティアのジレンマ (volunteer’s dilemma; Diekmann, 1985)」という枠組みを用いたゲーム実験を通じて、これらの問いを検討してきました。その結果、例えば仕事を引き受けるのに他成員の5倍のコストがかかる人は、他成員の1/5の回数だけその仕事を引き受けることが理想的だと思われているのに、実際はそれ以上の回数を引き受ける傾向にあることが示されました。また、そのような理想と現実の差の要因にはコーディネーションの問題があることも示されました。具体的な研究方法や結果に関しては、発表当日に提示させていただきます。皆さまから忌憚なきご意見をいただけますと幸いです。

【懇親会】研究会終了後,同じ会場で立食形式で実施予定です.会費制で金額未定ですが,学生の皆さんはお安くします.

研究会と懇親会にはどなたでもご参加いただけますが,事前に以下のURLから登録をお願いします.懇親会のご参加は12/6を〆切とさせていただきます.

問い合わせ先:三浦麻子(大阪大学大学院人間科学研究科) asarin@hus.osaka-u.ac.jp