ksp477th

第477回関西社会心理学研究会(KSP)は,4月と7月に引き続きZoom開催です.また,35年振りの8月開催となります(「KSPの歴史」参照).さらにもう一つ慣例を打ち破ることとして,在米のご発表者に,現地からご報告をいただきます.新型コロナウイルス感染禍で「普段通り」の研究会が開催しにくいことに忸怩たる思いを抱く一方,こうした「新しい研究会様式」を試す格好の機会かもしれないとも考えています.

今回も是非多くの方にご参加いただければ幸いです.

【日時】2020年8月1日(土)10:00~13:00(予定)※アメリカとの時差を考慮し,いつもより早い時間に開始します

【発表題目】米国選挙キャンペーンにおける有権者の「説得」の研究

【発表者】相田真彦 (Civis Analytics)

【概要】報告者は、米国の選挙調査およびアナリティクスの現場で、社会科学の万屋として働いている。関西社会心理学研究会という場を借りて、日本の研究者と議論と意見の交換をすることを楽しみにしています。

テーマとしては「説得」にまつわる測定やメカニズムの問題を扱う。米国の選挙の戦略は投票動員(GOTV) および「説得」の両輪で成り立っている。ここでいう「説得」は、投票意図先の候補者を対立候補から(態度を決めかねている場合も含めて)自分の支持する候補へと変える活動を意味している。扱うトピックは

  • Research Design: 説得を測定する方法には様々な可能性があり、どの方法も一長一短である。実験室条件 (web 調査) で行うか、Field Experiment をするか。Between Subject で RCT のフレームワークで行うか。 Within Subject のデザインにするか。これらのデザイン要素は費用、時間、測定のノイズの大きさ、欠測、外的妥当性の有無などに影響を与える。
  • Persuadable Voters: 説得されやすい人がいるのか。いるとしたら、それは静的な個人的属性で説明できるのか。それとも、動的な要素である争点や候補者が重要であるのか。
  • Duration of Persuasion: 説得はどれくらい長続きするのか。
  • Meta Analysis: 広告の効果のメタアナリシス (時間があったら)

発表者略歴:相田真彦(あいだ・まさひこ) 2003年 東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了.2005年 ミシガン大学大学院Program in Survey Methodology修了.現在 Civis Analytics Principal Survey Scientist.主著・論文:縦断的調査における非等確率抽出と欠測の問題(共著・選挙学会紀要・2005年),政治のリアリティと社会心理:平成小泉政治のダイナミックス(共著・木鐸社・2007年),Vote self-prediction hardly predicts who will vote, and is (misleadingly) unbiased.(共著・American Politics Research・2014年)


※参加方法※

開催はZoomミーティングとして行います。参加に際しては,以下のURLから事前登録をお願いします。アクセス要領が書かれた返信メールが届きます。ご不明な点は三浦麻子(asarin@hus.osaka-u.ac.jp)にお問い合わせください。

https://zoom.us/meeting/register/tJUudOmgqjIqG9KEco17lMQNwzALQFKjWKUs

ミーティングID:914 8097 6029

登録完了後、「関西社会心理学研究会(KSP)2020年8月例会事前登録完了 」というタイトルで確認メールが届きます。「ここをクリックして参加」をクリックするか、ZoomにアクセスしてミーティングIDとパスワードを入力して参加してください。

【懇親会】特別に懇親会を設定することはいたしません。