この度第476回関西社会心理学研究会(KSP)にて初めて発表をさせていただきます、関西学院大学社会学研究科の水野景子と申します。
昨今の状況で会場での開催が困難になりましたが、ご厚意によりオンライン上での開催をさせていただくこととなりました。詳細は以下の通りです。
【日時】2020年7月4日(土)14:00~17:00(予定)
【発表題目】繰り返し社会的ジレンマゲームにおける意思決定モデル ー統計モデリングによるアプローチー
【発表者】水野景子(関西学院大学社会学研究科)
【概要】
環境問題や共有財問題など、「皆で協力しなければ良い状態を維持できないが、協力しないほうが個人にとっては得になる状況」が社会に多く存在します。このような集団と個人の葛藤状況は社会的ジレンマ (social dilemma)と呼ばれ、多くの社会問題に共通する相互依存的な構造です。社会的ジレンマ状況での意思決定を繰り返すと初めは高い協力率が次第に低下することが知られています。しかし、なぜ協力の低下現象が起こるのかは条件つき協力による説明、強化学習による説明など様々ものがありますが、十分にそのメカニズムが明らかになっていません。
そこで発表者は、協力の程度の個人差を説明する社会的価値志向性(SVO)に学習の要素を取り入れた新たなモデル(SVO学習モデル)を構築することにより、協力の低下が起こるメカニズムの解明を試みました。そして、構築したモデルの妥当性を、実験操作とベイズ統計モデリングの手法を組み合わせることで検証しました。
当日は、①SVO学習モデルの導出・構築について ②実験データによるモデルの妥当性の検証 ③現在行っているモデルの頑健性を検証する実験 についてお話します。また、研究についてお話する中で、数理的なモデルの導出や階層モデルによる個人差を表現したモデルの構築、モデル比較による仮説の検証について発表者がこれまでに学んだことをお話する予定です。
ご多用の折とは存じますが、多くの方にご参加いただけますと幸いです。
※参加方法※
開催はZoomミーティングとして行います。参加に際しては,以下のURLから事前登録をお願いします。アクセス要領が書かれた返信メールが届きます。ご不明な点は三浦麻子(asarin@hus.osaka-u.ac.jp)にお問い合わせください。
https://zoom.us/meeting/register/tJUpf-mhqT0qGN0oPxgrbiura_Blz_5QlGpZ
ミーティングID:914 8097 6029
登録完了後、「関西社会心理学研究会(KSP)2020年7月例会事前登録完了 」というタイトルで確認メールが届きます。「ここをクリックして参加」をクリックするか、ZoomにアクセスしてミーティングIDとパスワードを入力して参加してください。
【懇親会】
特別に懇親会を設定することはいたしませんが「Zoom飲み会」に移行されるならご自由に,という方針です。